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ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく

2019.01.13 10:40

人は何のために働くのだろうか。


2000年代、時代の風雲児と呼ばれ、フジテレビ買収などでニュースをにぎわせ、証券取引法違反の容疑で逮捕された堀江さん。


その後実刑判決を下され、刑期を終えて釈放されてからも、月額10000円のオンラインサロンや、宇宙開発など、誰もやったことがないようなことに精力的に挑戦し続けている。


すでに一生かけても使いきれないほどの財産を築き上げているにもかかわらず、働き続ける堀江さんの「働く目的」は、お金を得るためではない。


じゃあ私たちが働く理由は?お金があれば働かないんだろうか。それは自分の中でどういう意味を持つのだろうか。


人生の大半の時間を捧げる「仕事」。その目的が「お金を得ること」で本当に自分はいいんだろうか。


私はといえば、看護師をしていた頃は「お金を得ること」が目的になっていたと思う。もちろんやりがいはあったし、患者さんとの関りも好きだった。


しかし、どんなに残業をしても残業代すら出ない環境、本来の看護師の仕事とは違う事務作業や当たり前のようにある休日の勉強会病棟会参加(もちろん手当はなし)。自分の時間が、どんどん病院という会社に「奪われていく」感覚。決して自分の人生の時間を大切にできているとは言えなかった。


結婚した今、夫にも仕事がある。もちろん共働き世帯は増えてきているけど、専業主婦という選択肢もある中で私が働くことを選んだのは、「お金を得るため」ではない。


堀江さんの家庭は、厳しい両親に、ときに理不尽に扱われるということがあるような家庭だったそうだ。


決して裕福な家庭でも、やりたいことを手放しでさせてもらえるような環境でもなかった。


しかし堀江さんはその中で、反骨精神を持ち、自分にできることは何かを常に考え、前を向いて生きてきた。


悩む、と考える、には大きな違いがある、と本書の中で堀江さんはいう。


悩む、は物事を複雑にして結論を先送りにする行為。

考える、は物事をシンプルにし、簡潔な原理原則にまで落とし込んでいく行為。


私たちが何かを「考えて」いるつもりでいるとき、果たしてどちらが起こっているんだろう。そんなことも考えさせられる。


堀江さんのことを漠然とテレビの中でしか知らなかった私。

もともと頭のいい人が、成功して、捕まって。そのくらいにしか思っていなかった。

けれども、それは大きな間違いだった。


幼少期のつらい環境、そこから這い上がるために積み重ねてきた努力。


それは、今まで持っていたイメージが失礼すぎるほどに、まっすぐで、懸命で、泥臭さに溢れたものだったんだと感じた。


「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」

このタイトルに惹かれたのは、私も自分がゼロだと、感じた瞬間があったからだった。


およそ5年前。母との関係が崩壊し、長年積み重なったものがついに決壊して心が壊れた。仕事もできなくなり、疎遠になったと感じる友達も多く、一人で生活することもできなかった。


文字通り死にたいくらいに絶望したあのときから、5年。私もイチを積み重ねてきた。


イチは、積み重ねていけば大きな力になる。

今日からイチを積み重ねていこう。そう強く背中を押される一冊だった。