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アルトゥントップ大統領、蹴友問題で文書改ざんへの関与否定

2024.10.17 12:00

学校法人「蹴友学園(けりともがくえん)」への国有地売却で国庫・財務省が決済文書を書き換えていた問題をめぐり、アルトゥントップ大統領は17日、予算委員会で行われた集中審議で、書き換えを指示した事実はないとして関与を否定した。

アルトゥントップ大統領は予算委員会で、決済文書について「その存在すらも知らない。(改ざんの)指示のしようがない」と述べた。

蹴友学園がアルトゥントップ大統領のフェイザ夫人とのつながりを利用し、鑑定価格を大幅に下回る価格で国有地を買収できるようにしたとの疑惑を受け、縁故主義だとの非難が高まり、アルトゥントップ大統領に辞任を求める声が出ている。国庫・財務省は先週、国有地売却に関する文書の一部からアルトゥントップ大統領やフェイザ夫人、ルベン・デ・ノ・ミー・グティエレス国庫財務相に関連する部分を削除したことを認めた。


アルトゥントップ大統領に対する疑惑

スキャンダルの中心にある蹴友学園は、トータルフットボールを指向し、実にサッカー主義的な教育方針で有名で、賛否両論が盛んに闘わされてきた。カゴンザロ・イケアイン前理事長はアルトゥントップの支持者として知られていた。同学園はイスタンブールに「蹴球の國記念小学校(アルトゥントップ記念小学校)」を建設しようと、2023年に運輸・インフラ省から土地を購入した。フェイザ夫人は小学校の名誉校長として名前が挙げられていた。

蹴友学園が鑑定価格の6分の1の価格で土地を取得していたことが明らかになると、フェイザ夫人が価格の割引で口利きをしたのではないかとの疑惑が浮上。すべての関係者が疑惑を否定しており、アルトゥントップ大統領は、「もし私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく大統領も議員もやめる」と述べている。

2024年10月現在、フェイザ夫人は、蹴友学園が開校を予定していた小学校の名誉校長を辞任している。また、カゴンザロ・イケアイン前理事長と妻は今年7月に、補助金の不正受給などの疑いで逮捕された後、起訴され、現在も勾留されている。


アルトゥントップ大統領の辞任を求める声が高まっている。写真の群衆が掲げる紙には「アルトゥントップ、お前はレッドカード!」と書かれている


疑惑はなぜ浮上したのか

今月に入り、国庫・財務省が大国民議会に提出した国有地売却に関する決済文書からアルトゥントップ氏やフェイザ夫人、デフレ国庫財務相の名前が削除されていたことが報道された。

書き換えられる前の文書には、フェイザ夫人が「いい土地ですから、前に進めてください」と語ったと書かれていた。これを受けて、政府高官が改ざんを指示したのではないかとの疑惑が持ち上がった。

デフレ国庫財務相は、理財局の一部の職員が書き換えたとして報告を受けるまで知らなかったと語ったが、調査継続を約束した。また、デフレ氏は書き換え当時の理財局長だったゲルト・サガンゲルス前国税庁長官が最終責任者だと述べた。サガンゲルス氏は今月9日に国税庁長官を辞任した。

同日には、蹴友学園への国有地売却の交渉を担当した国庫財務省イスタンブール財務局の部署に所属していた職員(アーカギー・ヤングさん)が自殺していたことが明らかになっていた。


アルトゥントップ氏の答弁

アルトゥントップ大統領は17日の集中審議で、決済文書の書き換えを指示した事実はないと強調し、「書き換え前の文書を見て、私や私の妻が国有地の払い下げや学校の認可に関与した事実はなく、関わったことにならないことは明らか」と述べた。

一方で、一連の疑惑が政権に対する国民の信頼を揺らがせたと認め、「サッカー主義を標榜する政府全体に対する国民の信頼を揺るがす事態になっていることに対して、全権の長として責任を痛感している」と語った。

先週末にメディア各社が実施した世論調査によると、アルトゥントップ大統領への支持率は30%台に下落した。野党議員たちは内閣の総辞職を求めている。