2023年ガラシャ祭の行列に参加 応募から婚礼の儀まで「完全レポート」
(2023年ガラシャ祭 婚礼の儀)
長岡京市では毎年11月にガラシャ祭が開催され、当日までの一週間は
「ガラシャウィーク」として市全体がお祭り気分で盛り上がります♪
祭当日には行列が市内を練り歩くのですが、実は、そこに市民など一般からの応募者が参加していることをご存知ですか?
今回は、3つのパートに分かれた行列のうち「お輿入れ行列」に3年連続で参加した市民ライターが、行列本番までの体験をお伝えします!
*この記事は、市民ライターが企画・取材・執筆しています
応募してみよう!!
祭りのフィナーレ「婚礼の儀」に出演する役柄を含むお輿入れ行列の参加者は、一般に募集がかかります。毎年7月ごろに、広報紙やLINEで発表されます。応募が完了すると「8月下旬か9月上旬に抽選会がバンビオ広場公園で開催されるので参加お願いします」と書かれた封書が届きます。「ついに来たか!!」とワクワクしますね。
応募条件もあります。
条件は令和6年度の内容です。今後変更になる可能性もあります。
1 細川玉 忠興さんの応募
対象年齢:15歳~35歳(カップルまたはご夫婦であること)
どちらかが市内在住・在勤・在学
以下の配役は「市外在住の方でも応募できますよ!」
2 明智光秀 明智熙子 細川藤孝 細川麝香 明智弥平次 松井康之
対象年齢:18歳以上の方
3清原マリア
対象年齢:15歳以上の方
4家臣 侍女
対象年齢:中学生以上
5 侍童 侍女童
対象年齢:小学生
(2024年の抽選会場の様子)
抽選ってどうするのかな?
抽選は二段方式で、最初に棒クジにて封筒を取る順番を決めます。その順番に封筒を取っていきます。封筒の中身に、役柄名が書かれた紙が入っていると『当選』です!!
名前が書かれているのを見るとドキッとします。
その後、他の役柄の抽選が順番に行われていきます。「どの配役が人気なんですか?」とよく聞かれます。年によって違ってきますが、男性では松井康之さんあたりが人気みたいですね
理由は唯一 ”セリフがある” 役柄なんです。
女性では、清原マリアさんも人気があります
(2024年の当選者の写真撮影より)
全ての配役の抽選が決まると、バンビオ広場公園にて写真撮影会です。
主人公の細川忠興さん・細川 玉さんを中心に撮ります。 私もいますよ。
ちなみに私は細川藤孝を演じるのは3回目なんです。
写真は色々な所に使われています。 翌日の京都新聞の洛西版にも掲載されていました。
主人公のお二人は、これから色々な取材が入って大忙しです。
説明会に行ってみよう!!
しばらくすると市役所から、説明会とカツラ合わせの日時のお知らせが届きます。
こんな可愛いお玉ちゃんのイラストの封筒で郵送されてきました。心が踊りますよね♬
説明会当日には、カツラ合わせも同時に行われることがあります。カツラ合わせは、午前と午後に行われます。カツラ合わせした後に髪を切ったりするとカツラが合わなくなるので注意です。
(説明会では、お玉ちゃんの可愛い表紙の資料が配布されました)
この資料をもとに、当日の注意や持ち物、雨天時の対応などを確認します。当日で特に大切なのは、服装です。Tシャツなど頭から被る服装は極力避けたいということです。本番当日は、沢山の人が衣装を着付けてカツラをつけます。先にカツラをつけてしまうと、Tシャツ等が脱げなくなってしまいます。
カツラって結構大きいんです。前開きの服装が良いですね。下着はVネックやUネッ
クが良いかも。衣装の合わせ目から見えませんから!!
もう一つ大切なのが、お輿入れ行列に参加する人には、一人ずつ「行列番号」が割り振られています(輿1から輿103まで)。
資料のお輿入れ行列隊列表に番号と名前が紐付けされています。この後これを利用して動くことになりますので、自分の番号を確認しておけば楽です。
カツラ合わせ
カツラが必要な役柄は、説明会当日にカツラ合わせを行います。
説明会日時のお知らせに「カツラ合わせの日まで髪を切る必要がある人は、この日までにお願いします」と書かれています。プロの方が来て合わせてくれます。時間は10分間程度です。髪の長い女性の方も綺麗に収めてカツラを合わせてくれますから安心です。
この様子は、Instagramの@garashamatsuriの
2023かつら合わせの様子に動画がアップされています。
リハーサルをやってみよう
後は本番を待つばかりなのですが、婚礼の儀に参加する11名はもうひと仕事!!
婚礼の儀のリハーサルがあります。
昨年は、長岡中学校の体育館で本番の前日に行われました。プロの方から、当日の動き方や所作を指導してもらいます。 何回かやっているとみんなの動きがスムーズになっていきます。なかでも大変なのが、侍女の方。お酒を注いだり、お玉さんのお手伝いをしたりと大活躍です!
ぜひ本番を見てくださいね。
2023年場合の巡行当日
行列当日は、長岡中学校の体育館に、女性参加者は午前8時半から午前9時集合。
男性参加者は午前9時半から午前10時集合となります。女性の方は、化粧や着替えに少し時間
がかかるみたいですね。
2階の武道場が女性の着替え
1階の体育館が男性の着替え、男女のカツラ、化粧の場所になります。
(衣装や小物がずらりと並んだ体育館)
行列番号が書かれていますので、そこで待っていると衣装係の人が来て着せてくれます。
着替えさせてもらいながら、「一人では着られないよな。戦国の時代もこうやって着せてもらったのかな」と思いをはせます。
衣装袋に入れた私服や靴は、同じところに置いておきます。私の場合はVネックのシャツと短パンを置いておきます。
カツラ合わせでつけたカツラも出番を待っています!! ここでカツラと化粧をしてもらいます。注意するのはすっぴんで来る必要があることです。ドーランを塗るので化粧をしているとはじいてしまうそうです。
行列まであと少し
用意ができると出発まで休憩です。やることはあまりありません。
しばらくするとお昼ご飯の時間になります。お弁当とお茶が支給されます( 嬉しいね)。
色々な衣装の方が待機していますが、お輿入れ行列の女性の方が来られると、
一気に華やかになります。なかにはお玉さんと一緒に撮影される方も。
小学生の子ども達は、衣装を着て刀を持ってうれしそうです。 徐々に気分が盛り上がって来ますね。
巡行では、現代的なものは身に付けられないので外しておきます。眼鏡や腕時計もです。
着物はよくできたもので、袂が小物入れになります。 ここに眼鏡やスマホなんかを忍ばせておきますが、 行列中にスマホで写真を撮ったらダメですよ(笑)
出発式
時間になると、出発式が行われる長岡第六小学校の校庭に向かいます。
校庭には、この様に役柄と行列番号が置かれているので迷うことはありません。
前方にいるのは、歴史文化行列の熊谷治郎直実さんですね。
ここで少し種明かし!!名前付き役柄の女性の乗る輿は、沿道から見ると正座しているように
見えますが、さすがにお城まで正座はきついので、椅子になっています。ここに階段をかけて乗り込みます。
どんどん集まって来ますね。
この時間は、唯一、輿に乗った女性の写真が撮れるので、たくさん人が撮りに来ますがやはりお玉さんは人気です。
男性には、あまり来てくれません。
時間、間際となると注意されますよ。
最終チェックをして完了。手伝いのボランティアさんには感謝です!
来賓挨拶の後、
みんなに見送られて校庭から出ていきます。
「祝 ガラシャ祭」の横断幕を先頭に、マーチングバンド、次に歴史文化行列、輿入れ行列・町衆祝い行列が続きます。
輿入れ行列の順番は、松井康之・細川忠興・細川玉・清原マリア・細川藤孝・細川麝香・明智弥平次・明智光秀・明智熙子、その後は町衆祝い行列が続きます。
例年、京都橘高等学校のマーチングバンドが参加して盛り上げてくれますが、雨だと中止になります。
ドキドキで大通りに出ていくと、沢山の方が沿道で笑顔で手を振ってくれるのを見て、こちらも笑顔になります。本当に感謝しかありません。
写真を撮る人、動画を撮影されている人、いろいろな方が楽しんでいます。
私も満面の笑顔で歩いていきます。
雨が降ると行列が中止になる場合がありますが、小雨だとレインコートがあるんです。
輿に乗られている方には傘もあります。
このレインコートは、着る時より脱ぐ時のほうが怖いんです。というのも、ゆっくり脱がないとカツラが脱げてしまうんです。でも強い味方がいます!行列を横で見守って手助けしていただける行列進行補助の皆さんです。歩いていると烏帽子の紐が外れてしまうので、結んでくれたり、とてもありがたい存在です。
お城に到着すると名前付き役柄は婚礼の儀があるので暫く待機です。お玉さんは婚礼衣装に着替えます。その他の人は写真撮影です。ほらお玉さんがいないでしょ?
待ち時間は撮影や休憩、お話をしています。
婚礼の衣装に着替えたお玉さんは艶やかで注目の的です。沢山の人が撮影しています。
婚礼の儀は市長のあいさつ、
来賓・実行委員会役員の紹介
歴史文化行列の参加者紹介などが行われます。
婚礼の儀はぜひ直接見にきてくださいね!
婚礼の儀が終わると、バスに向かいます。こんな風に住宅地の中を歩くんですよ。
待機しているバスに乗って長岡中学校に帰って着替えて随時解散します。
ガラシャ祭も2024年で31回目を迎えることになりました。
これからも進化をしつつ、続いていくことになると思います。
今年のガラシャ祭は11月10日(日)です。
是非今年の配役の私たちにも注目してみてくださいね。
来年は皆さんも応募して行列に参加してみませんか?
いつもと違う『ガラシャ祭』に出合えるかもしれません。
最後までお読み頂き誠に有難うございました。
担当市民ライター 福島昌彦
「長岡京に引っ越してきて30年。長岡京市っ子になってきました。」