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Waiiha Picturesque

ごめんね。えくれあ

2024.10.04 12:45

こんなにも美味しいものが、世の中にあったのだ。

チョコレートとネーミングされていれば、お徳用パックでも、

デパ地下高級系でも、駄菓子屋系でも、みんな好き!

「チョコレートケーキ」って、最高に格別に美味しいよなぁ。


そうなんだ。いつの間にかチョコレートは偉大だと知った。

しかし、不思議なのだ。いったい、いつ頃なのだろう?

チョコレートの甘い魔法の沼に、引きずられてしまった頃は?


振り返れば、20数年以上前のこと。20代後半の貴公子だった頃。

「ナイーブ・シンクタンク」という手作り絵本の会に所属していた。

コンセプトが『世界でひつとの創作絵本展』なので、製本もイラストも、

すべて、一から自作。ストーリーを考えて、苦労して、創り出す。


美しい日本の文章。香り立つ言葉。幽玄で曖昧な世界に溺れていた。

絵に描いたような、白面の青二才の僕は、甘いものが苦手だった。

だからと言って、あんな失礼な言葉を使ってしまった事は許されない。

その事件と言えよう、現場の場面も全て、今でも覚えている。


確か『炬燵で絵本展』という展示会のこと。壁に展示されている作品を

僕は眺めていた。その時、背後から僕に声をかけてきた女性がいた。

「宮原さんは、エクレア好きなのですか?」

忘れもしない!愚かな僕は、人が人として、絶対に口にしてはいけない

酷すぎる言動を放ってしまった…。

「この絵は、エクレアなのですか?僕は、甘いものが嫌いなんです。」


誰だか知らない女性の穏やかな声のトーンが、少し悲しそうに変わって、

「そうですよね。甘いものなんて…。」


ちょっと!聞いていましたか!この生意気な20代の僕の発言!

あ~。嫌だ。人間性を疑ってしまうぜ!まず、心が無い。最低、最悪。

せめて「苦手です」くらいの言葉が思いつかなかった自分が恥ずかしい。


後で知ったことだけど、その女性のペンネームは「えくれあ」だった。

ごめんよ~。えくれあさん。ダセ-よな。オレ。ごめんよ~。

今では、こんなにも「エクレア」が好きになってしまったのに。


と言うことで、僕は「立派に、甘いものが大好き人間になりました♪」

親知らずを抜歯するほど、チョコが好き。低血圧だけどチョコが好き。

えくれあさんに許される過去ではないけど、自分に噓は付けないや。


エクレアってさぁ。すげー!美味いよね♪ダースでいけるね♪

日本人として、宮原らしく、ここで一句。七五調でお願いします。

「エクレアは 何故にこんなに おいしいの」

お粗末様でした。