11月6日にリリースされるフォーエヴァー・ヤング第四弾作品群から、先日紹介したヴェルヴェット・アンダーグラウンドより、今日はバンドの中心人物でソロ転向後もその圧倒的な存在感でロック・シーンにその名を刻んだルー・リードを紹介します。
ルー・リードは1943年にニューヨークのブルックリンで生まれました。ハイスクール時代より様々なバンドを転々としシラキュース大学在学中にソングライターとして活躍し始めます。1965年にジョン・ケイルと出会いヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成し、ルー・リードはヴォーカルとして、またリーダーとして、1970年にバンドを脱退するまで楽曲とアルバムの制作を牽引し、人間の本質をえぐり出すような独特なリリック、陰翳と知性に富んだヴォーカル・スタイルと、独創的なギター・プレイで、ヴェルヴェッツを当時のニューヨークのアンダーグラウンド・カルチャーを象徴する存在へと押し上げていきました。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを脱退後、1972年にソロ・デビュー・アルバムをリリースし、同年にデヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースを手掛けた『トランスフォーマー』をリリース。その後も試行錯誤を繰り返しながら、独自の音楽性と表現を追求してコンスタントにアルバムを発表、ロックの名盤と評されるアルバムを数多く生み出しました。
そして、1989年にはワーナーからの最初のアルバムにしてルー・リードのキャリアの中でも最高のアルバムのひとつと評される名盤『NEW YORK』を発表しました。その翌年の1990年にはヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代の盟友ジョン・ケイルと23年ぶりにタッグを組んで、1987年に亡くなったアンディ・ウォーホルへの哀悼として『ソングス・フォー・ドレラ』をリリースします。1990年には、ジョン・ケイル、スターリング・モリソン、モーリン・タッカーと共にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを一時的に再結成し、大きな話題になりました。その後は再びソロ作品の制作に取り組み、『マジック・アンド・ロス』(1992年)、さらにローリー・アンダーソン(2008年に妻となる)との出会いが作風に大きな影響を与えこれまで見せる事のなかった純粋なラヴ・ソングも聴かせてくれた『セット・ザ・トワイライト・リーリング』(1996年)、『エクスタシー』(2000年)、『ザ・レイヴン』(2003年)と自身のペースでアルバムを発表していきました。ワーナー期の後は、2011年にメタリカとの共演アルバムを発表するなど現役ぶりを示しつつ、2013年10月27日、帰らぬ人となりました。
日本には1975年の初めて来日して以来、8度の来日公演を果たし、最後の来日は2004年のFuji Rock Festival ‘04のステージとなりました。1996年にヴェルヴェット・アンダーグラウンドが、2015年にはルー・リード本人もロックの殿堂入りを果たすなど、亡くなった後もニューヨークのロッカー、ルー・リードは我々の心から消えることはありません。
▼11月6日発売フォーエヴァー・ヤング第四弾リリース作品群
・記事参考:
https://heapsmag.com/lou-reed-legend-rockstar-journalist-hater-liked-anthony-decurtis-music-critic-memoir-document