植物はあれもこれも薬草です第11回「アザミ」
https://gn.nbkbooks.com/?p=30189 【【植物はあれもこれも薬草です】第11回「アザミ」 血の巡りをよくする 薬効のある根は味もいい】より
岡山・松原徹郎
この連載は、月刊『現代農業』の2020年1月~2021年12月まで全24回にわたって掲載された連載「植物はあれもこれも薬草です」です。身近な薬草を毎日の暮らしに取り入れるための知恵が満載です。病気になりにくい身体づくりを実現しましょう!
ノアザミ キク科アザミ属。日当たりのよい場所を好み、赤紫色や白色の花をつける。なお、アザミは総称で、アザミという名の植物はない(イラスト 久郷博子)
キク科の多年草で、日本には100種以上あるとされ、草丈60~100cmと高くなるものが多い。メジャーなものではノアザミ、ナンブアザミ、ヨシノアザミ、ツクシアザミ、エゾアザミなどがあります。ただ、それぞれの雑種もたくさんあるようで、種の同定はなかなか難しい。また、名前にアザミとついてはいても、キツネアザミはまったく違う仲間です。
今回は、主に北海道以外の各地で広く分布しているノアザミについての紹介です(北海道にはありませんが、エゾアザミがあり、同じように役立つと考えられます)。アザミは秋咲きのものが多いのですが、ノアザミは初夏からと開花期が早く、苞と呼ばれる花の付け根の部分に、ネバネバした粘液がついている点が特徴です。
9月頃のノアザミ。花が枯れ、ロゼット状に変わり、地面にはいつくばるように育つ
老廃物の分解や排泄を促進
アザミの根を乾燥させたものは、薊という生薬になります。よく知られている効果は健胃、利尿、解毒作用です。その他、不眠症、神経痛、皮膚の炎症などにも効果があります。
また、東洋医学では、血液が汚れたり、血液の粘度が高まって流れが悪くなったりしている状態を瘀血といいます。瘀血が続くと、肩こりや頭痛、高血圧や高脂血症、女性では月経不順、子宮内膜症や子宮筋腫などが起こりやすくなります。アザミは、体に取り込まれた毒物を解毒し、体内に溜まった老廃物の分解や排泄を促進して、瘀血を解消する作用もあるとされています。
葉も根も美味しい
アザミは薬草の中でも美味しい草の一つです。わが家ではもっぱら食材として、葉と根をとって食べています。春先から夏までは葉を、夏から秋には根を食べます。
根はまさに細いゴボウという感じ。むしろゴボウ以上に味が濃く美味。きんぴらにすると、たいへん美味しいお惣菜になります。
ノアザミの根のきんぴら。まるでゴボウのようだが、ゴボウ以上に味が濃い
葉も味や香りが強く美味しい。てんぷら、ごまあえ、おひたし、からしあえ、油炒めなど、さまざまな料理に使えます。ただ、シカなどの草食獣から身を守るために葉の縁に多数のトゲをつけます。そのまま食べると痛いので、料理に使うなら、これをうまく処理しないといけません。トゲの下処理はいくつか方法があります。
包丁などでトゲのついた縁の部分を切り取る
ガスレンジの上に葉をかざし、トゲを燃やす(30秒以上)
トゲを感じなくなるくらい細かく刻む
どの方法でもよいので、しっかりトゲを除くことがポイントです。また、味がしっかりしている分、アクが強めですが、加熱すると消えます。
葉の主脈が太くて硬いが、その部分だけ切り出して多少水にさらしておくと、食べやすくなってサラダにも使えます。
春から夏には葉も食べられる。トゲや太い主脈の下処理の手間はかかるが、美味しい
アザミの維持には人の草刈りが必須
アザミは前述したように秋以降はロゼット状で過ごすので、地表付近に日が差し込むような明るい環境でないと生育できないため、個体群の維持には一定程度の草刈りが行なわれることが必要です。また、根をとって食べ続けた場合、種子による自然な増加が間に合わないと、だんだん数が減っていきます。
その一方で、各地でシカが増え、他の植物は食べられてしまう中、トゲのあるアザミだけが食べ残されて増えるというケースもよく見かけます。アザミは自然環境の変化を知るための指標になる草ともいえます。
最後に余談ですが、アザミの花によく似た花をつける野菜は何でしょう。それはゴボウです。分類学的には違う属ですが、近縁の種であることは間違いありません。実際、ゴボウも平安時代から薬用とされ、効能も似ています。さらに最近、市民権を得つつあるアーティチョークも近縁で、やはり解毒効果などがあるようです。
Facebook藤井 清史さん投稿記事【和歌、俳句から考える健康学2】
『身を思う心のただちなべて世をめぐみすつうやあがる代の道』という歌があります。
訳としては、「自分自身の健康に気を配り、規則正しい生活を心がけるという心もちが、ひいては世も明るくする。」ということになります。
最近、天候不順や、世界紛争が後を絶ちません。
「昔はどんなんだったかなぁ〜」と、思い出すのも憚らない日々ですね。
私たちの暮らしているこの国や、地球という星も、ある意味では大きな生命体です。
そう考えると先の歌のように「心もち」が今の現実を創り上げているのかもしれません。
健康は、様々な身体に良い食品や運動、治療などが出てこようとも、自分自身が「健康でいよう、健康は本当に大切だ」と思わない限り、焼石に水、と言っても過言ではありません。
また、歌にあるように一人一人が、健康を自覚し、健康に取り組もうと考えていけば、自ずと生活、環境が整ってくるものです。
昭和の名鍼灸師、故澤田健先生は、「医乱れれば、国乱れる」とおっしゃっていました。
まさにこの通りで、「医」を医療、医療に携わる人、という考えだけでなく、個人個人として捉えるなら、この歌の通りでしょう。
健康を願い、規則正しい生活を心がける心もちか、健康をおろそかにして乱れた生活、怠惰な生活を送るという心もちか、のどちらかで国や世界、地球環境にも大きく関わってくるのではないか!?と言えるのではないでしょうか?
さすれば、私たちは如何なる“心もち”で日々、過ごせば良いのかが見えてくるのではないでしょうか?
健康は、実は自分1人の問題ではない、ということなのですね。
「自分の身体は自分のものだから、好き勝手にすれば良い」という考えは、ただのエゴであって自己中心的な考えでしかないのです。
実は、自分が、地球体という生命体の身体の一つの細胞であり、周りとのネットワークで連綿と繋がっているのだ、ということを知らなくてはなりません。
そして、それを自覚しなければならないのです。
さぁ、人類の、地球の正常化に向けて健康であり続ける“心もち”を磨いていこうではないですか!?皆様はいかがお考えでしょうか?
https://www.kampo-sodan.com/column/entry-1838 【『養生俳諧』~おばあちゃんの知恵を歌にしてみたら?】より
私の出身地は宮城県で、中心部からはずれた“ど”が付くほどの田舎で育ちました。小さい時の家はトイレやお風呂が「離れ」にあり、すごく怖かった記憶があります。
玄関先には“ホウズキ”が置いてあり、トイレの周りには“ドクダミ”が生い茂っていました。“ホウズキ”は中の実をつぶしておでこにつけると熱さましに、“ドクダミ”は虫除けになるから植えていたのだと最近になって知ることに・・。
つまりそれらは、天然の「冷えピタ」と「虫コナーズ」ではないですか!?昔の人はちゃんと知っていたのですね。まさに、おばあちゃんの知恵!
健康術を後世に伝える手段として、歌や俳句、物語といった形が取られ、次第に庶民に根づいていきます。それをいち早く取り入れたのは、室町時代後期から安土桃山時代を生き抜き、88歳の長寿を全うした名医、曲直瀬道三(まなせどうざん)です。その著書である『養生俳諧』(ようじょうはいかい)は、戦国時代に書かれたものでありながら、おばあちゃんの知恵としてこれからも伝えていきたい内容ばかりです。
「百人一首」を詠みあげて覚えるように、声に出してみることも健康法になると思います。
『養生俳諧』全120首の中から選りすぐりをご紹介しましょう。
食はただよくやわらぎてあたたかに たらわぬ程はくすりにもます
訳)食物はやわらかくして、温かいうちに足らない程度にほどほどに食べれば薬を飲む以上に効果的だ。
胃を良好なまま保つことが健康長寿の秘訣!これを保胃といいます。
酒とても酔わぬ程にて愁いさり 心をのべたし気にかようなり
訳)酒はほろ酔い加減の程度でたしなめば、不安や悩みを消し去って、気分転換になり身体によい。
酒は百薬の長!気を巡らせる酒はストレスにいいです。飲みすぎず適量を守ることがポイントですね。
水上(みなかみ)のつばきをはかぬ玉の緒は つづきて老のうるおいとなる
訳)唾液を吐かずに飲み込んでいると、長生きでき年をとっても老化しない。(玉の緒=命)
唾液は不老の液!「痰は吐け、唾液は飲み込め」という養生の原則です。
蛙(かわず)ふみ盃(さかずき)の蛇をあやしみて 心せむるはおのがうたがい
訳)蛙を踏んだのを、蛇を踏んだのでないかと思い込む。見当違いで、いつまでも自分を責めて 自己嫌悪に陥るのはおろかなことだ。
「盃の蛇」は、中国の故事「杯中の蛇影」によるもの。壁にかけた弓が盃の酒に蛇のように映って見えて、蛇を飲み込んだと思い込み病気になった。蛇影の理由を聞いて、たちまち治ったという話です。いつの時代も、疑心暗鬼、とりこし苦労はあるようですね。
身を思う心のただちなべて世を めぐみすつうやあがる代の道
訳)自分自身の健康に気を配り、規則正しい生活を心がけるという心もちが、ひいては世も明るくする。
皆が心豊かな世界であれば争いも起こらないと私も思います。
他にも、日常生活の教えから生き方まで、俳諧の中にいろいろと表現されています。健康・養生は決して一過性のブームではありません。心身の健康に役立つこの素晴らしい知恵を、私達自身がしっかりと後世に語り伝えていきたいものです。