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李々佳・・縷々綿々

雅楽の夕べ

2024.10.24 10:05

過去最も遅い夏日を記録した翌日、初めての雅楽鑑賞へ出かけました。こしがや能楽堂へ、怜楽舎の公演です。落語(2024.10.19 柳亭市馬・立川志らく 二人会)と同様に、広報で見つけて、30年来の友人に声をかけました。この地域に長く住んでいてこの施設の存在は知っていたものの、ここを訪れるのも初めてです。


少し寒いかもしれないと思いましたが、『せっかくだから近くで観たいね』、能舞台のすぐ手前にある『中庭見所』に席をとることに2人の意見が一致します。(彼女は膝掛を持参、流石のF子ちゃん、用意がいいわ~)


17時の開演時間へ近づいて、和室大広間にもどんどん人が入っていきます。夕陽のオレンジが次第に濃度を増して、静かに少しずつ薄闇が拡がって、グラデーションが美しい空を鳥が塒(ねぐら)へと向かっていきます。さわさわと木々を揺らす風の音、半屋外という設えのこの舞台を前に、ドキドキしてきます。


解説があって、さあいよいよ。演奏曲は、「源氏物語 紅葉賀」のなかで若き日の光源氏が舞ったとして有名な楽曲;『青海波』、この曲を調べを変えて(冬の調べ;盤渉調、夏の調べ;黄鐘調)披露されました。『う(単漢字変換で見つけられませんでした💦)』という、復元楽器による演奏もあり、舞楽としてキャスト光源氏と頭中将が2人、優雅に舞う演奏がフィナーレです。(源氏物語のなかでは、二人の舞の圧倒的美しさに空も咽び泣くというような記述があるそうで、その解説のあとに舞人が登場して・・あら~ハードル上げられてしまって・・と思っちゃいました)


ぷわ~ とか ぱぉ~ といった音が、ゆるりとした独特のリズムで奏でられ、悠久の時に想いを馳せるというかなんというか、とても心地が良かったのです。(以前クラシックコンサートの時のように、うとうとしそうだけれど、寒いのでそれはなりませんでしたが)


そして、素晴らしい!と感動しきりだったのは、その装束です。渡来系の舞楽では、大陸的な鮮やかな色に、細かな刺繍による文様で装飾された豪華で美しい装束、重ねや上下の色合わせが、なんとも絶妙にお洒落でため息が出ます。素晴らしい!! 最近は買わないことを頑張っているけれど着るものに目がない私、その美しさに目を奪われるばかりでした。


この日この時演奏された古の楽器の音色は、時代も物語も超えて、遥かなる旅へ誘ってくれたようでした。


No War Please