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いわぶち動物病院

治らない免疫介在性溶血性貧血

2024.10.24 08:58

こればかりは仕様がないのですが、調子が良好な免疫介在性溶血性貧血は、ステロイドで簡単に貧血が収まり、再発もしない、ということはよくあります。

(免疫介在性溶血性貧血は、以前にも載せましたが、自分の免疫が自分の赤血球を攻撃して、貧血になってしまう病気です


え!?と思うかもしれませんが、猫アレルギーになった猫、犬アレルギーになった犬、のようなものです。正確には異なるのですが)


その一方で、全く薬の効果が無く、1日2日であっという間に亡くなってしまう、ワンちゃん猫ちゃんもいます。


中には厄介な子もいて、ステロイドを使用していて、特に薬の量を変えていないのに、貧血が進んだり、回復したり、薬が効いているのかいないのか、よく分からない子も中には存在します。

こういう場合、プラスで免疫抑制剤を使用したりすることもあるのですが、改善する子と良化しない子は、当然の様に別れます。


本人の体質や、病気の重さ、溶血するものの中でも、薬の効きやすい種類や効きにくい種類などが存在します。


すぐに治るものならとても安心なのですが、中には改善と悪化を繰り返し、最終的にはお薬が効かなくなって、亡くなってしまう子もいるのです。


すべてのタイプに特効薬が存在すれば良いのですが、そううまい話もありません。


現在、調子が良好で、少しずつ血液の量が改善していっている子と、治ったと思ったら再発、今はくすりの効きも悪くなっているという、2頭の猫ちゃんを治療しています。

(この時、あまり薬が効かなくなっていると思っていましたが、現在は2匹とも、ステロイドを絶えず与えていれば、貧血が起こらない状態です)


中には寛解、と言って、薬をやめても貧血が起こらずに良好なままでいてくれる子もいるのですが、上記の子達はステロイドを止めると、あっという間にひどい貧血になってしまいます。


使い続けていれば調子を保てるのがせめてもの救いですね。