お客様の声 新築戸建て Mさま
お客様プロフィール :
一戸建て新築・当時60代姉妹と40代甥
お話をうかがったのは姉Kさん
▶とにかく暑くない家にしてほしかった
―――いたやに新築設計を依頼しようと思われたきっかけを教えていただけますか。
随分前にも家を建て替えたことがあるんです。その時は大手のハウスメーカーも検討し、やはり地元の大手工務店さんがよいのでは、と探した会社にお願いしました。手広く請け負っておられるようでしたが、そのせいか、プランを3つほど出して一週間以内にどれにするか決めてくださいと言われ、詳細な打ち合わせもないまま、見積りが出てきて即契約、という感じでした。
出来上がった家は、南側の甥の部屋が夏暑くてクーラーも全然効きませんでした。今回建て替えるにあたり、甥の希望はただ一つ。「とにかく暑くない家にして」ということだったほど(笑)。そのほかにも、必要なところにコンセントが無い、キッチンの動線が悪い、など、今思えば何かと文句を言いながら暮らしていた気がします。
あるとき、親戚がリフォームをしたというので見に行ったら、とても良かったんです。素人には思いつかない発想があって、感心しました。そのリフォームを担当していたのが、いたやさんでした。お人柄についても親戚から「すごく良い方だよ。」と聞いていたので、次に依頼するのなら絶対いたやさんがいい、と思いました。
▶打ち合わせの内容に驚き
―――以前と今回の建て替えでは、どんな違いがありましたか?
何と言っても、きめ細やかな打ち合わせ内容です。最初の打ち合わせで聞かれたのは「冷蔵庫のサイズ」でした!びっくりしましたね。ほかにも「着替えはどこでしますか?」「洗濯物はどこでたたみますか?」「コーヒーはどこで淹れますか?」「携帯電話はどこで充電しますか?」とか。「そんな細かいことは後からでいいんじゃないの?」と正直思いました。知人に話したら「その設計士さん、ホントに大丈夫なの?」と心配されたくらいです(笑)。でも、家が出来上がって、質問の理由がよく分かりました。
―――と言うと?
私たちの生活を考え尽くした間取りになっているんです。着替える場所が決まっているので、洋服がリビングに散らかることがない。キッチンに二人で立って料理をしていても、ぶつからない。コーヒーを淹れたい時や携帯を充電したい時には欲しい場所にコンセントがある、と言った感じ。以前は家に自分たちの暮らしを合わせていたけれど、今は私たちの暮らし方に合わせて家が設計されているのでストレスがありません。あの打ち合わせはこのためだったのか!と納得です。
▶思いもよらない提案にあふれた設計。その良さを暮らすほどに実感
―――ご親戚の家のリフォームのように、ご自宅の設計でもさすが!と感じた部分はありますか?
もちろん。まず、物干し場への出入り口をキッチンからと洗濯脱衣室からの2か所設けていただいたことです。住んでみて、その使い勝手の良さに感動しています。何かとよく行き来するスペースなので、ありがたいです。
南側ベランダにつけた庇もその一つです。長さが緻密に計算されていて、夏は全く陽が差し込まないのでリビングダイニングが暑くなりません。一方、冬は程よく陽が差し込み足元が暖かいんです。毎年、「この庇付けてもらって良かったねえ」と言い合っているんですよ。
―――「暑くない家」という当初の希望がかなったのですね?
はい、甥もこの家になって一度も「暑い」と言ったことがありません。真夏に外から帰って来ても家の中はひんやりしているんです。冷暖房の光熱費も安くなっています。今年の夏は特に暑かったのですが、おかげで快適に過ごせました。
ダイニングの吹き抜けの上部に小窓を設けてもらったのも良かったです。ダイニングの窓を開けると2階まで風が通るし、暖房をする時期は暖かい空気が2階にも届きます。
▶がんばらなくても自然と片づく家
―――築後13年とのことですが、それを感じさせないほどきれいにお住まいですね。
建て替え前に荷物を整理するとき、「必要なものだけ選んでください。あとは置いて行ってくれていいですよ。こちらで処分しますから。」と言っていただけたのが大きかったです。着物の入った桐のタンスとか、処分に迷うようなモノもその一言のおかげで思い切れました。おかげで、新しい家では必要なモノだけですっきりとした生活をスタートできました。
そうやって絞った後、持ち物に合わせて収納家具を作っていただいたので、モノがあふれることなく適切な場所に収まっています。だから、そんなにがんばらなくても自然と片づくのかもしれません。
―――これから新築やリフォームをする方にアドバイスをお願いします。
依頼するときに大事なのは何と言っても「人」だと思います。私たちは親戚からの紹介でいたやさんにお願いすることが出来たのでラッキーでした。家が完成して引き渡しの時に言われた言葉が忘れられません。私たちは、これでいたやさんとの長かったお付き合いも終わるなあと思っていましたが、いたやさんは、「これから長いお付き合いになると思いますが、よろしくお願いします。」とおっしゃったんです!この方にお願いして本当に良かったと改めて思った瞬間でした。その言葉どおり、今でも何かと相談に乗っていただいたり、良いお付き合いを続けさせていただいています。
―――設計者よりひとこと
「暑くない家」というオーダーでしたので、吹付断熱材、ペアガラスに加え、二重屋根(遮熱通気工法)も採用しています。これにより、断熱効果が一層高められています。
「暑くない家」はすなわち「寒くない家」でもあるので、光熱費が年間を通じて抑えられています。
また、高齢になる将来を見据えて「暮らしやすい家にしてほしい」というのも大事なテーマでした。車いすでの外出がしやすいよう、玄関を道路面とフラットにしました。また、ドアではなく、すべて引き戸(横にスライドするように開閉するもの)にしました。引き戸は開閉の際の体重移動が少なく転倒につながりにくいという利点があります。階段も広く取り、段差も緩やかに設計しました。途中に広い踊り場を設けたのも、もし転倒した場合の怪我を最小限にする効果があります。施主様よりも年配の方がいらした時に、「この階段は昇り降りしやすいわね」と褒めてくださったと聞き、嬉しく思いました。
いたや木材有限会社建築設計事務所 大塚典子