「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 道長と対立する三条天皇と清少納言の姿
「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】 道長と対立する三条天皇と清少納言の姿
毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について本当に好き勝手欠かせていただいている。ちなみに「光る君へ」は全48回の予定であるはずだから、現在が41回なのであと7会ということになる。先日「撮影終了(クランクアップ)」というニュースが流れた。その時の写真では藤原道長(柄本佑さん)が剃髪している姿になっていたので、多分道長が薨去するところまで書かれるという事であろう。主人公まひろ(藤式部)の吉高由里子さんは、記事やX等で「『光る君へ』を撮影していた1年半は毎日、現場に来ることが楽しみで私の日常になっていました。その『日常』というものが、明日から『思い出』という言葉に塗りかえられてしまう瞬間をいま実感し、受け入れづらいです」「大河ドラマの主役は一生に一度しかできないものだし、生きていて一度しかない『奇跡』がこの『光る君へ』という現場でした。一生分の幸せを使ったかなというくらい幸せでした。一日一日をかみしめてきょうを迎えることができて感慨深いです。ありがとうございました」とクランクアップによる感想を書いており、また、柄本佑さんも「『光る君へ』チームはすてきな人たちばかりで、いつも温かく迎え入れてくれる、朗らかな現場でした。自分が出ていながら『本当に面白そうなドラマだな』と思える作品に参加できたことが本当に幸せで、あっという間でした。藤原道長の人生を1年半で過ごし、駆け足ですが、その時間を追体験できたと実感しています。スタッフ、キャスト、みんなの総意だと思いますが、紫式部役が『吉高由里子さんでよかったね』と撮影を終えたいまも感じています。ありがとうございました」とコメントしている。
毎週吉高由里子さんのXの投稿にある「あなたの一時間私に下さい」という言葉を見ることが楽しみであったので、これがなくなるのは非常にさみしい感じがする。
さて、剃髪している柄本佑さんということは、皆さんがお持ちの10円玉の表に書かれている「平等院鳳凰堂」が出てくるのであろう。ある意味でそのように身近なところに藤原時代の遺構がある事も、この面白さではないか。
さて今回はその道長と三条天皇(木村達成さん)との対立が始まったところである
<参考記事>
【光る君へ】ききょうの迫力、ネット戦慄「強烈キャラ大爆発」「憎悪の化身」「メンチギリ」
10/28(月) 9:17配信ENCOUNT
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0b3b72d4e4906ab329d14043f016e670598443f
<以上参考記事>
三条天皇は、長和元年(1012年)道長の次女妍子(倉沢杏菜さん)が中宮となるが、三条天皇は長年の妻であるすけ子(すけ=女偏に成:朝倉あきさん)を皇后とし、二后並立状態となる。同2年(1013年)妍子は禎子内親王を出産する。外孫の早期即位を図る道長と親政を望む三条天皇との関係は円滑を欠いていたが、道長の娘・妍子がいながらすけ子を立后したこと、妍子との間には女児しか儲けられなかったことにより、道長と三条天皇の関係は決定的なものとなるのである。長和3年(1014年)三条天皇は眼病を患う。道長は天皇の眼病を理由にしきりに譲位を迫った。更にこの年と翌年、内裏が相次いで焼失。病状の悪化もあり、同5年(1016年)三条天皇は皇后すけ子の子敦明親王の立太子を条件に、道長の勧めに従い一条天皇第二皇子の後一条天皇に譲位し、太上天皇となる。翌年三条天皇は崩御するが、敦明親王は道長の圧力を受けて皇太子を辞退するということが記録に残る
一方三女天皇のところに嫁いだ、道長の二女妍子は、記録によれば、道長の娘達の中でも特に美しく、また妍子に仕える女房達の衣装が贅沢すぎることで兄頼通が叱責したとの逸話もあり、やや派手好きな性格であったのではないかと考えられている。今回のドラマでも、面会に来た男性に自ら近寄るなど、平安時代にはあり得ない状態になっているのが印象的だ。華美を好むあまりに身内の眉をひそめさせることもあった妍子だが、亡くなる間際に身を清め、正式な受戒を済ませての潔い臨終であり、道長は末娘嬉子に続く次女の死に「老いた父母を置いてどこへ行かれるのか、私達も供をさせてくれ」と泣いて取り縋ったと伝えられる。
道長は、悪人であるというような言い伝えも権力の亡者であるかのようないわれもある。しかし、多分「身内と家を守るために必死であり、戦国時代の大名が自分の家を守るために、身を犠牲にしているのと同じで、権力をうまく使い、また家を守るために、様々なことをしていた」と考えられるのではないか。そのことを近くで見ていて、また「特別な関係」のなかで見ていた紫式部の記載の中には、さまざまな「良い部分」つまり「光源氏」の部分が書かれているのではないか。
この「光る君へ」は「光源氏になぞらえた、一族や身内のために、身を犠牲にした頑張る藤原道長」を見て楽しむようにできている。
一方、その「道長の敵」として残されたききょう(清少納言:ファーストサマーウイカさん)は、その勢いで徐々に女の世界でも権力の座に近いまひろを敵視するようになる。実際では、すでに記録に残らない、多分質素な暮らしをしていた清少納言は、やはり「皇后定子(高畑充希さん)の幻影」で、その時の境遇を恨むようになっていたのではないか。道長と、そのほかとの対立ということ、そしてその対立して消えてゆく人々を近くで見ている清少納言ということが非常に対照的に書かれているのが印象深い。
今回は最後の場面で、源明子(瀧内公美さん)との間の子藤原顕信(百瀬朔さん)も出家してしまう。このことが、また新たなあ波紋を広げることになるが、それはまた来週以降の話になるのであろう。
あと7回。楽しみである。