■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.55 ■■ 2024/10/28
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① 【天然水素/海外】大阪ガス・三菱重工業 天然水素の探鉱・開発・生産を手掛ける米国スタートアップ企業との資本提携について
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大阪ガス株式会社および三菱重工業は、地中の天然水素の探査に革新的な技術を有する米国のスタートアップ企業Koloma, Incに出資した。コロマは、天然水素資源の場所を特定して商用生産と利用を目指す天然水素開発スタートアップ企業。同社は現在、米国において脱炭素化に重要な役割を果たす天然水素の探査と評価に取り組んでいる。昨今注目される天然水素は、推定される埋蔵量が生産できた場合には低コストでクリーンな水素として広範な利用可能性がある。天然水素は、地下数百メートルから数キロメートルの天然鉱床に存在する水素で、これまで世界各地において存在が確認されており、近年米国や豪州を中心に開発が進みつつある新たな資源。天然水素の採掘には、既に確立されている石油や天然ガスの掘削技術が活用できる可能性があり、また生産時の温室効果ガス排出量が小さくなると見られるため、安価かつクリーンな水素としてカーボンニュートラル社会実現への貢献が期待されている。
(10/15 プレスリリースより)
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② 【水素生成触媒/国内】東北大学・東京理科大学 金属微粒子の表面構造制御で最大5倍近い水素製造触媒活性を実現
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東北大学多元物質科学研究所の根岸雄一教授、東京理科大学の川脇徳久講師とSakiat Hossain 助教(研究当時)、同大学院修士課程の瀬良美佑氏、吉川咲良氏らの研究グループは、粒径1nm程度の極微細な金属ナノクラスターの表面構造を制御する合成手法を確立した。具体的には粒径1nm程度の金属微粒子の表面構造を制御できる合成手法を確立し、得られた新規ナノ物質を電極触媒に応用することで、水素(H2)生成触媒活性の向上に成功した。これにより、従来の金白金(AuPt)合金ナノクラスター触媒と比較して、最大で5倍近いH2生成触媒活性を達成することに成功した。本研究によって、原子レベルで制御可能な金属ナノクラスターの更なる高活性化が可能になり、次世代エネルギー社会の構築が大きく加速されると期待される。
(一般報道より)
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③ 【SC/国内】三菱商事・出光興産 クリーンアンモニア分野における出光興産・三菱商事による共同検討について
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出光興産株式会社及び三菱商事株式会社は、クリーンアンモニア運搬船や輸入受入拠点の効率運用に加え、ExxonMobilが米国テキサス州・ベイタウンで推進するクリーン水素・アンモニア製造プロジェクトへの参画、ならびにアンモニアの引き取りに関し、共同検討することを合意した。本共同検討により両社の拠点を連携させ、海外から調達するクリーンアンモニアのサプライチェーン構築の検討を加速する。本プロジェクトは、製造時に排出される二酸化炭素の約98%を回収することで、カーボンフリーに極めて近い低炭素水素及び低炭素アンモニアを製造するプロジェクト。2025年の最終投資決定、2029年までのクリーン水素(年間約90万トン)及びクリーンアンモニア(年間100万トン以上)の生産開始を目指すもので、世界最大規模の生産量を見込んでいる。
(10/23 プレスリリースより)
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④ 【水素充填装置(ドローン)/国内】ドローンに現場で水素充塡 横浜・新興が福島で装置公開
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福島県南相馬市に開発拠点を持つスタートアップ、ロボデックス(横浜市)はドローン(小型無人機)に水素燃料を供給する小型の充塡装置を開発した。トラックに載せて飛行場などに運び、現場でドローン用の小型ボンベに水素を充塡できる。ロボデックスは水素燃料で飛行するドローンを開発している。水素の小型ボンベ1本で約2時間飛行できる。開発した充塡装置は小型ボンベなら30本充塡できる。蓄電式のドローンと比べ航続距離は2〜3倍長いが、水素で長時間飛行するにはこれまで、水素を充塡してある交換用ボンベを持ち運ぶ必要があった。同社は東日本大震災からの復興を後押しする福島イノベーション・コースト構想推進機構(福島市)からの支援を受けた。装置を搭載したトラックを南相馬市にある福島ロボットテストフィールドで運用して、ドローンなどに供給する実験を続ける。
(一般報道より)
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⑤ 【燃料電池船/国内】岩谷産業 水素燃料電池船「まほろば」の建造が完了
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岩谷産業株式会社が2025年大阪・関西万博で運航を予定している水素燃料電池船「まほろば」の建造が完了し、10月18日に大阪・中之島ゲートまで曳航され無事到着した。今回の水素燃料電池船は、2021年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択されており、従来の内燃機関船と違い、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない水素燃料電池を使用し、高い環境性能を有するだけでなく、においがなく、騒音・振動の少ない優れた快適性を実現する。今後、船舶検査証を取得した後には、実証運航を行い、最適なエネルギーマネージメントシステムの構築を目指す。また、来年4月には大阪・関西万博の海上輸送として運航を開始することとしている。運航は船舶運航で実績のある京阪グループの大阪水上バス株式会社に委託する。
(10/24プレスリリースより)
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⑥ 【水素航空機/国内】エアバス・関西エアポート・川崎重工 水素航空機の運用準備に向け連携を加速
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エアバス、関西エアポート株式会社、川崎重工業株式会社の 3 社は、日本において水素航空機の導入・運航を実現するために、関西エアポートが運営する関西地域の3空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)での水素インフラ整備のフィージビリティ・スタディを実施施する覚書を締結した。本覚書締結により、今後 3 社は、「Hydrogen Hub at Airports」プログラムの一環として、水素航空機の導入・運航を実現するための初期的なフィージビリティ・スタディを行い、3 空港における航空機への水素供給を具体化させるための連携を強化していく。3 社による新たな取り組みは、関西地域の3空港すべてにおける水素インフラの定義付けと供給に関するロードマップを作成することに焦点を当てている。調査結果は、技術、経済性、法的適合性、運用の観点で評価し、調査を通じて明らかになった課題は、実証プロジェクトを立ち上げるなどして、より具体的に検証を行う。
(10/18プレスリリースより)
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⑦ 【RTG/国内】東京都 大井コンテナふ頭で日本初となる水素を燃料としたRTGによる荷役作業を開始
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東京都港湾局、日本郵船株式会社、株式会社ユニエツクスNCT、株式会社三井E&S及び岩谷産業株式会社は、令和5年5月30日に締結した協定に基づき、大井コンテナふ頭において、タイヤ式門型クレーン(RTG)に燃料電池を実装し、本日より、日本初となる水素を燃料としたRTGによる荷役作業を開始した。本プロジェクトの成果を広く展開することで、荷役機械等の水素利用の普及促進を図り、東京港の脱炭素化を推進する。
(一般報道より)
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⑧ 【合成燃料/国内】三菱ガス化学等 e-メタノールおよびバイオメタノールの国内供給体制構築へ向け協業を開始
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三菱ガス化学と出光興産は、船舶燃料向けをターゲットに2025年度中に供給体制を構築し、早期の需要創出と市場拡大を目的としてe-メタノールおよびバイオメタノールの国内における供給体制の構築に向けた協業を開始した。協業の主な内容は、①供給コスト低減のため、両社が保有するメタノールの貯蔵用タンクやバンカリング (船舶への補油)船等の設備を共同で運用し、効率的に活用することの検討、②船舶燃料としてメタノールを供給する港湾拠点において、港湾における許認可手続きやガイドライン整備の支援、制度構築への働きかけ等の連携、③e-メタノールおよびバイオメタノールの共同調達可能性の検討である。
(10/23 プレスリリースより)
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⑨ 【水素燃焼/国内】川崎重工業 航空機用小型水素エンジンの運転試験成功
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川崎重工は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」として採択された「水素航空機向けコア技術開発」において、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験に成功。今回、従来燃料用の自社製小型航空エンジンに当社が新たに開発した水素用燃焼器などを搭載して水素燃焼運転試験を実施。試験は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・能代ロケット実験場(秋田県)で行い、水素のみを燃料とした着火から回転上昇、定常運転、回転降下、停止までの一連の運転動作において、安定したエンジン運転が可能であることを確認した。今回の試験は、2021 年より実施している3つの開発項目のうち「水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発」の一つとして実施。残る2つの開発項目である「液化水素燃料貯蔵タンク開発」「水素航空機機体構造検討」についても順調に進捗。今回の成果と合わせて、水素航空機の機体およびエンジン関連のコア技術開発を推進、2030年には地上での実証試験を計画している。
(10/17 プレスリリース)
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⑩ 【政策/海外】 ポーランド政府 水素法案の採択にあたり、20億ユーロのグリーン水素プロジェクトを計画
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ポーランド政府は、自動車部門にH2を供給することを目的として、国内で最大20億ユーロ(22億ドル)のグリーン水素プロジェクトの開発を計画している。ポーランドの気候環境省は、政府が現在、国内でのH2の生産と輸送の法的枠組みを定める主要な水素法を採択すると発表しているが、今後ポーランド議会(Sejm)に提出して決議が必要となる。現在、クリーン水素としては、次の3つを定義している。①低炭素水素は、化石燃料を含むあらゆる供給源から製造でき、化石燃料ベースの同等品よりも炭素集約度が70%低い場合に限る。②再生可能エネルギー源から生成された水素。③非生物起源の再生可能燃料(RFNBO):EUの定義に従って製造されたもの。
(一般報道より)
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⑪ 【政策/海外】ドイツ 全長9千kmの水素パイプライン網敷設計画を承認
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ドイツ政府連邦ネットワーク庁は、送ガス系統事業者の業界団体FNBガスが提出した水素パイプライン網敷設計画を承認。本計画は、国内のインフラや産業地帯を全長9,040キロメートルのパイプラインで結ぶ水素供給網を建設するものであり、総工費は189億ユーロと見積もられている。これにより、コアネットワークを構成する様々なパイプラインの建設が開始され、早ければ来年にも最初のパイプラインが運転を開始する予定としている。計画されている水素パイプライン網のうち、約6割は既存の天然ガスのパイプラインを転用し、ドイツ各地の港湾や産業地帯、水素貯蔵施設と発電所を結ぶ。2025年から輸送を開始し、32年に敷設が完了する見通し。
(一般報道より)
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⑫ 【政策/海外】アメリカ 水素技術発展のために4,600万ドルの新規資金提供
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アメリカエネルギー省は、クリーンな水素・燃料電池技術の研究・開発・実証を加速させるための資金として、最大4,600万ドルの資金提供の機会告知を発表。①光電気化学水分解装置のスケールアップ、②極低温や高圧条件下での水素関連の高性能材料、③輸送用途向けの高温プロトン交換膜とアイオノマー、④国産水素燃料電池大型バスの開発と実証の4分野にて本資金を利用することができる。
(一般報道より)
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⑬ 【グリーン水素/海外】ドイツ 400MWグリーン水素プロジェクトからの引き取りについて23億ユーロの「予備契約」を確保
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ドイツのデベロッパー、エターナル・パワーは、ドイツ北東部のバルト海港ロストック近郊に建設予定の新たに発表された400MWプロジェクトから、グリーン水素を販売するための23億ユーロ(25億ドル)の「予備契約」を確保したと発表した。2021年に設立されたハンブルクを拠点とするデベロッパーは、Dummerstorf市の5ヘクタールの土地の権利を確保し、2026年末に2億ユーロ、80MWの第1フェーズの建設を開始する予定であると述べている第2フェーズ(320MW)では6億ユーロの予算で、2028年に建設が開始される予定。買い手は特定されておらず、プロジェクトの電力源も特定されていない、Eternal Powerの共同創設者であるRobert Meitz氏は、この場所が選ばれたのは洋上風力発電所に近いためであると述べた。しかし、既存の洋上風力発電施設からの電力を使用することは、プロジェクトがEUのグリーン水素の追加基準を満たさないことを意味し、補助金の対象外となる。
(一般報道より)
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⑭ 【FC/海外】ヒュンダイ 「駐車中の火災の危険性」 、北米全域で水素燃料電池車をリコール
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韓国の自動車メーカーである現代自動車は、欠陥のある部品が駐車中に水素ガスの漏れや火災を引き起こすリスクがあるため、米国とカナダでNexo燃料電池乗用車のリコールを発表した。ヒュンダイは、米国で最大1,545台、カナダで最大23台の車両が影響を受ける可能性があることを確認している。このリコールは、ガスを排出してタンク内の圧力上昇を防ぐために高温で破損するように設計された車両の熱作動式圧力解放装置の欠陥によるものとされる。2019年から2024年までのモデル間で、ガラスのマイクロクラックによりデバイスが早期に破損し、H2ガス漏れが発生する可能性が高くなる。ただし、ヒュンダイは、米国とカナダでこの欠陥による衝突や負傷の事例は確認されていないとも述べている。また欠陥が北米以外の車両に見られるかどうかは把握できていない。
(一般報道より)
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⑮ 【FCバス/海外】カリフォルニア州の公共交通機関が北米最大の水素バスを受注
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地元ではSamTransとして知られている公共交通機関のサンマテオ郡トランジットディストリクトは、カナダのメーカーであるNew FlyerのXcelsior Charge FC車両108台と契約し、北米で過去最大の水素駆動バスの確定注文を行った。この購入は、昨年12月にSamTrans
の取締役会によって、耐用年数が終了するディーゼルバスを置き換えるために承認され、最大1億6825万ドルの契約価格に合意したが、注文の最終的なコストは明らかにされていない。SamTransは、300マイル(483km)以上の航続距離を持つ12メートルの低床燃料電池電気バス(FCEB)108台を購入するために、6月にカリフォルニア州交通委員会から1500万ドルの補助を受けている。カリフォルニア州では、2040年までに州内のすべての交通機関にバスフリートをゼロエミッションに移行することを義務付けており、ほとんどの機関がバッテリー電気バス(BEB)にすることを選択したが、FCEBを選択した理由として、路線の地形的な理由、長距離走行、充填時間等水素の優位性を上げている。
(一般報道より)
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⑯ 【発電/海外】シンガポール 水素対応コンバインドサイクルガスタービンユニット着工
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シンガポールの電力会社YTL PowerSerayaは、同社のPulau Seraya発電所において、60万kWの水素対応コンバインドサイクルガスタービンユニットに着工し、2027年末の完成を目指している。YTLは今年初めにシンガポールのエネルギー市場庁から、2028年までに予想される電力需要の増加に低炭素エネルギーで対応するための水素でも稼働可能なガス火力発電設備の開発案件を獲得。GE Vernovaが供給するタービンは、最大50%の水素混合でのみ運転可能であるため、後に100%水素で運転できるように改修する必要がある
(一般報道より)
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⑰ 【水素還元製鉄/海外】インド グリーン・スチール・パイロットが初の政府資金を獲得
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インドのデベロッパーMatrix Gas and Renewables社は、インド中部の都市ライプールで、1日あたり50トンの鉄鋼を生産できる、水素を利用したグリーン・スチール・プロジェクトに対する政府からの資金援助を獲得。45億5,000万ルピー(5,410万ドル)の予算から、3つのグリーン・スチール・パイロット事業に資金が割り当てられる。100%水素ベースの直接還元鉄(DRI)プラントは、政府が適格コストの70%を負担することができる一方、既存のメタンベースの直接還元鉄(DRI)設備に水素を混合するパイロットや、石炭消費量を削減するために高炉に水素を注入するパイロットでは、公的資金が投入されるのはそのコストの半分とされている。
(一般報道より)
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⑱ 【水素還元製鉄/海外】神鋼商事 独鉄鋼メーカーから直接還元鉄プラントを受注
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神戸製鋼所が100%出資する子会社の米ミドレックスは、独鉄鋼メーカーのディリンジャーグループ(ザールランド州)から鉄鉱石を水素などで還元する直接還元鉄プラントを受注。同プラントの生産能力は年200万トンで、同グループの製鉄所に建設する。ディリンジャーグループは2045年までの脱炭素達成を目標に掲げており、今回受注した直接還元鉄プラント「ミドレックスフレックス」は同戦略の一環で採用。導入にあたっては、独政府とザールランド州の補助金を活用する。
(一般報道より)
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⑲ 【地産地消/海外】インド 太陽光発電グリーン水素を使用し、オフグリッドサイトで24時間年中無休の再生可能エネルギーを提供
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国営発電会社NTPCは、インド軍と提携して、ラダックの山岳地帯にある軍事施設で年間を通じて24時間年中無休のクリーンな電力を確保するために、オフグリッドの太陽光・水素・バッテリー・マイクログリッドを構築した。合計3.2MWのソーラーパネルは、0.3MW/1.2MWhのバッテリーと1MWのPEM電解槽とペアになり、生成されたグリーン水素は、ソーラーパネルとバッテリーが十分な電力を供給できない場合に200kWの燃料電池を介して蓄電するために使用される。このシステムは、既存のディーゼル発電機を置き換え、遠隔地のチュシュル村にディーゼル燃料を供給する際の課題を解消する。
(一般報道より)
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⑳ 【水素漏洩/海外】オランダ オランダの生産・貯蔵施設から最大4.2%の水素漏洩
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オランダの科学者の研究によると、気候温暖化の原因となる水素は、生産速度に対して最大4.2%の割合でオランダの生産および貯蔵施設から漏れており、この発見は、産業用水素排出量に関するよく知られたデータギャップに緊急に対処する必要性を示していると主張する。ネイチャー誌に掲載されたこの論文は、実際の水素の産業排出が大気中でこの精度で初めて測定された。水素漏洩による温暖化への影響があることは認知されているが、気候活動家は、二酸化炭素の12.8倍の地球温暖化係数が推定される間接的な温室効果ガスである水素の漏れによる気候への影響を評価するために、より小さな濃度(ppb)で測定する必要があると長い間主張している。
(一般報道より)
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㉑ 【液化水素船/海外】中国 1万カイリを超える液化水素海上輸送に初成功
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中国海洋石油集団は、同社が運航する液化水素海運輸送船は1万カイリを超える航行を経て22日、広東省深セン塩田港に到着したと発表した。これは中国がグローバルな水素エネルギー長距離大洋横断輸送・利用の新たなサーキットに足を踏み入れたことを示している。
今回の輸送は中国海洋石油集団とフランスのエア・リキードグループが実施した産業技術・資源協力で、液化水素は保冷されたタンク式コンテナの中に詰め込まれ、欧州の遠洋貨物船によって輸送が行われた。9月4日、オランダのロッテルダム港で船積みされ、大西洋から喜望峰を回り、さらにマラッカ海峡を経て、最終的に深セン塩田港に到着し、初の1トン級以上の液化水素長距離大洋横断輸送を完成させた。
(一般報道より)