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ファセマニア

タカラモノ

2018.10.31 12:56

小学校2年生から中学3年生まで

バイオリンを習っていました


お金持ちの習い事のイメージですが

うちは決して裕福な家庭ではなく

しかも四人姉弟で

今思えば

さぞかしお金がかかったとおもうのですが

両親の

「なにかひとつでも得意なことを」

という想いから

習わせてくれていたのでした


ピアノも習っていたので

バイオリン45分

ピアノ30分の

毎日のお稽古が苦痛で

高校生になるからという意味不明な理由で

どちらも辞めてしまいました


一度数年ぶりに弾いてみたら

以前のような音色はもう出なくて愕然とし

ショックを受けてからは

また弾こうという気にはなれなくて

何年も何年もクローゼットにしまったまま

何年かに一度

もう売ってしまおうか

という話が出るも

いざお店にいくと

メンテナンスだけに終わって

持って帰るということが続いていました


でも

もういい

もう弾かないだろう

いつかまた

そのいつかはたぶん、二度と来ない

自分でもよくわかっています


近藤麻理恵ちゃんの

お片づけの本を読んで

祭りの片づけ(断捨離)をしてからは

使わないものを家に置いておく

ということがいやになり

バイオリンも同じ

もう手放そう

そう決心しました


そして買取の楽器屋さんに予約を入れ

今朝

最後のお別れをしよう

まずは写真を撮って

バイオリンへの想いを

いつものぶちまけノートに書こう

そうおもいました


久々にふたをあけると

なんでこのバイオリンを選んだのかが思い出されました

まず先生が5台ぐらい持ってきたバイオリンの中から

自分がいちばんいい音色だとおもうものを

ピックアップして2台が残ったんだけど

実はもうはじめからどれにするかは決まっていて

深みのあるきれいな焦げ茶色

もっとこの魅力をうまく表現できればいいけど

一瞬にして心を奪われつかんで離さなかった

(写真の5000倍素敵です)


ということで即決

そしてケースは

茶色に中が深い緑色のものを選んで

それにおさまっている姿はもうベストマッチ

このバイオリン用のケースですよね?

と言わんばかりの佇まい

これをトータルで選んだ小学生のわたし

すげーと

褒め称えてあげたいです


そしてノートには

バイオリンを通じて関わってくれた人の名前を書いて

もう繋がっている人はひとりもいないけど

あーこんな子だったな

この人はよくしてくれたな

あの人はちょっと意地悪だった

この人はすごくおもしろい人だった‥‥

と想いを馳せて


毎週日曜日に

自転車でバイオリンを抱えて通った

自転車だらけの狭い道

先生は遅刻魔だったけど

ファセは音色が素直だと言ってくれた


月に一回のみんなで集まる合奏の日には

みんなの音が自分の耳に心地よく響いて

1000人揃った大合奏では

自分の音色が聞こえないぐらい

会場がバイオリンの音でいっぱいになって

それを全細胞が喜んでいたな

とか‥



そこまで書いて

やっぱり売るのはやめよう

これはわたしの人生の宝物だ

思い出は

モノとしてとどめている必要はないのかもしれない

わたしの家のクローゼットに

ずっとしまわれているよりも

どこかの誰かに弾いてもらった方が

このバイオリンは幸せなのかもしれない

でもやっぱり

今回だけは

あえて使わないものを置いておくという選択をしてみようと

心に決めました


もう少し

決心がつくまで

もう少しだけ

踏ん切りがつくまで

いつかはきっと来ない

でもいつか

いつか

またいつか

(もちろんいま、泣いています )