【開催報告】第83回公衆衛生学会自由集会へき地保健師のつどい@北海道札幌市
地域に保健師がいない島があります。保健師に相談したくでもできない地域があります。このような現状をなんとか打開したいと奮闘する島があります。
今回は、「常勤保健師0名自治体の挑戦」として本会がへき地の保健師採用に向けて取り組んできた活動をご報告し工夫を分かち合いました。
本協会の青木より、協会として人材確保支援をしている島根県知夫村での取り組みを報告しました。知夫村では常勤保健師が0名です。保健師確保のために「離島保健師体験ツアー」を企画し今年8月に実施しました。今後、知夫村では、2~3人程度の非常勤保健師でチームを構成し、交代で1カ月のうち1週間程度、年間10回程度知夫村内にて保健活動を行うという、持続可能な保健活動の構築に取り組みます。
「時々島に行く」という方法で、いかに住民の暮らしを支えるか。オンラインで定例会を開催しながら、他機関との連携のための情報交換も行っています(詳しくは知夫村役場HPへ)。
島に保健師がいないもう一つの自治体として、長崎県小値賀町での保健体制の現状をご報告いただきました。
幼い頃から継続して関わってくれる保健師がいないこと、それが住民にとって相談のしづらさに繋がっている現状を切実に語られました。住民に対する保健サービスの低下をどれだけ事務職で防げるか…そしてこのような状況の中での保健師確保や保健活動の継続は事務職にとっても大きな困難があります。
日本全国、保健師を求める自治体があるなかで、物理的に本土と離れた離島自治体だけでの人材確保には厳しい現状があります。管轄保健所を巻き込み協働できる支援体制の構築や多方面からの人材確保支援が必要です。
SDGsに掲げられている「誰ひとり取り残さない社会」実現のために、地域にとって保健師は必要です。今後も本協会として、一緒に悩み考え、一人でも多くの保健師に興味をもってもらえるよう関わっていきたいと思います。