地下茎でつながる手段。写真展の紹介。
先日、プロのカメラマンからの依頼で、自転車修理の模様を撮影してもらう というのがあった。
さまざまな業種の”職人”の写真を撮り、展覧会をする ということで、知り合いからの紹介でうちに来てくださった。
それからしばらくして、
展覧会で紹介するための「肩書き」を教えてください と連絡があり、しばし考えた末、
「自転車整備士」と答えた。
で、今、それがとてもしっくり来ている。
自転車についてあれこれとやってはみた土本ですが、
所詮というか結局というか、
自転車整備士だな と自分に対して思った。
良くも悪くも割り切ることができたというか、
自転車においては明確に「これ」という枠にハマっている と、今は自分でそう思っている。
そして枠にハマっていることを前向きに捉えている。
自分にできることは、ここからここまでだ と悟った。
同時に、カバンを作っている。
実際にはカバンの方が、依頼も作業もニーズも多い。
時々壁にぶち当たるが、それはそういう道なのだから仕方がない。
しかし諦めずにやっていると、実際すんなりと超えられる。
僕が作る鞄には、背景に自転車が映る。
デザインコンセプトは、自転車がきっかけだ。
自転車の世界がこうなったらいいのになぁ という考えは、鞄に生かされている。
これは言葉でも説明ができる。
実際、鞄を買ってくれた人たち、手にとってくれた人たちには、出店先であれECサイトであれ細かく説明をしている。また手にとってくれた人たちは、なんとなくわかってくれているはずだ と考えている。
自転車にずーっと明け暮れていたからこそわかったことがあり、
実はそれは竹のように地続きとなって他のものと繋がっているんだ と実感している。
僕の場合、自転車と鞄は、地下で竹のように繋がっている。
地表に出ている部分のことを、地表に出るための「手段」と言うならば、
手段は変わっても、地下茎にある自分の思いは表現ができると考えている。
こないだのとよたアウトドアフェスタでの30分トークには、知った人たちがたくさん聞きに来てくれた。
正直な話、豊田に住んで6年とはいえ、いきなり田舎に引っ越したものだから豊田市街の友人はあまりおらず、アウェーで話すことになるなぁ なんて思っていたが、
わざわざトークだけ聞きに来てくれた人もいた。
自分の表現が少なくともここの人たちには届いていて、そして聞きに来てくれている と思うと、ものすごく勇気が湧いたもので、安心して話すことができたのを覚えている。
で、ようやく気づいたのだが、
自分は表現をするのが好きだし、そして表現をしたいものがある。
100人中何人がそれに呼応してもらえるかはわからないが、とにかく表現がしたい。
表現をしないと気が済まない。
で、最初に戻りますが、
そんな「自転車整備士」の顔もある土本を撮ってくださったカメラマンの展覧会があります。(マンに”さん”付けがなんか変なので、”マン”で通します)
撮っていただいて、実はものすごく嬉しい。
FIELD STYLE出店の週で、名古屋に行くのがちょっと厳しく展覧会に行けない気がしているので、お近くの方、ぜひ行ってみてください。