風の星とは、地球のことである。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD033VA0T00C21A9000000/ 【絵本がみつめる世界(9) 「風の星」】より
絵本研究家 中川素子
風の星とは、地球のことである。風や水など自然エネルギーで動く彫刻を作る新宮晋は「いちご」「じんべえざめ」など、どの絵本でも、地球上の命を輝かせている。
新宮は2000年6月から1年半かけてウインドキャラバンを行った。新宮の住む三田市からニュージーランドの無人島、フィンランドの北極圏、熱砂のモロッコ、モンゴルの大草原、そしてブラジルの海岸砂丘へ。風が特異で魅力的な地球上の6カ所を回った。
この記録...
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.kagawa-nct.ac.jp/libraryE/tosyokan-dayori/vol34/pdf/d34_2.pdf 【風の旅人「ウインドキャラバン」】より 情報通信工学科 中西昭男
ウインドキャラバンは風の芸術家として著名な新宮晋氏が21体の風で動く彫刻とともに地球上の僻地5カ所で展開したドキュメンタリーである。新宮氏は自然のいとなみである風及び水で動く彫刻を多数作り発表してきた。それらの作品は公園、美術館、空港など日本をはじめ世界各地で展示されているので見た人も多いと思う。軽量で凧のように動く彫刻は目に見えない風の動きのセンサーとして微妙に変化する自然の息づかいを我々に見せてくれる。一方現在、このすばらしい地球は自然破壊や温暖化、人種間の絶え間ない争いなど危機に直面している。 新宮氏は彼の作品を通じて地球のすばらしさを再確認するとともに自然環境の中で生活している先住民族と交流を図ることにより自然とともに生きるとはどのようなことか、本当の幸せとは何かを見つけるためにこの計画を立てたと言っておられる。 ここでこの計画と私との関わりについて少しふれておきます。新宮氏が彫刻を展示する場所は地球の僻地であり当然彫刻を照らす照明もないし、数週間居住する小屋の電源も得られない。風の彫刻を作り続けてきた経験から自然に優しいリサイクルエネルギー源である風力発電に注目した。そこで風友達であり風力発電機の研究家として著名な足利工大の牛山泉教授の援助を得ることとなった。当時独立電源として永久磁石型風力発電機を開発、試作できる企業はほとんどなく私(当時住友特殊金属)に協力要請があった。新宮氏のアオトリエは兵庫県の三田にあり私の職場に近かったので早速出向きお話を伺った。新宮氏の芸術論、壮大なウインドキャラバンの計画を聞き共鳴するところが多く共同開発がスタートした。作品の夜間照明、風車小屋での生活電源を考えると1kW程度の発電量が必要である。一機300Wの永久磁石同期発電機を試作し、作品彫刻にマッチするようヨットの帆の形をした翼を取り付け風力発電機が完成した。4機の風力発電機を取り付けた風車小屋はキャラバン隊のランドマークになった。実際三田のアトリエ前の田園に風車小屋を設置して発電能力を確認し一同安堵した。その後に訪れた地域では有り余る電力を発電し実用機として大いに役にたった。 2000年6月三田のアトリエ前に広がる青々とした田園に真っ白な21体の彫刻と風車小屋を設置しキャラバンスタートのセレモニーが行われた。世界各国から400名程度の参加者が集まりシンポジューム「今、地球のために出来ること」が開催された。私も招待され風力発電で照明された21体の彫刻を見ながら大蔵流狂言「田園三番叟」など幽玄の世界を楽しんだ。その後新宮氏とキャラバン隊は1年半におよぶ旅に出発した。 ニュージーランドのオークランド沖にある直径800mの緑の島ブラウンズ島、フィンランドの2月、零下25℃以下の極寒地ウコンヤルヴィ、モロッコの砂漠に立つカスバの遺跡、モンゴルの首都ウランバートルから40kmはなれた標高1500mの大草原、ブラジルのサンパウロから飛行機で3時間はなれた赤道直下の大砂丘。各地で風で動くカラフルな彫刻を展示するとともにその地方の先住民族と肌をふれあう交流を行い、これから地球を受け継いでゆく子供たちにウインドキャラバンのメッセージを託した。各地で測定した風速と風力発電のデータは風力発電機の可能性を判断する貴重な資料となった。モンゴルの大草原では平均11.2 m/sの強い風が吹き、風車小屋では遊牧民が風力発電を電源としたテレビを見に集まり、草原の社交場となった。(写真) これらの記録はNHKでも放送され、インターネット(http://www.wind-caravan.org)でも見ることができる。またドキュメンタリー写真集、著書として出版されておりそれらは私の所にありますので興味ある人は見に来てください。私自身、今までの経歴から科学技術の目を通して自然を観察、利用してきたが、このプロラオスの人々と図書館 電子制御工学科4年 ブアリアン 皆さん、こんにちは!私はラオスから来たブアリアンと申します。今年度で4年生になります。どうぞよろしくお願いします。今回図書館だよりに原稿を書かせて頂きありがとうございました。 さて、この機会に「ラオスの人々はどのように図書館や本を利用しているのか」ということを述べたいと思います。 ラオスには、図書館あるいは図書室の数が少なく、その点では、日本と比べると全然違います。都会にある学校でも、小学校から中学校まではほとんど図書館がありません。私の場合も、図書館と言うものは高校まで知りませんでした。高校一年生の時初めて図書館に行った時、私はとても喜んでいました。私が通っていた高校には図書館が無かったのですが、学校のすぐ近くに大学があったおかげで大学の図書館を使うことが出来ました。その図書館は「Central Library」と言い、外国語辞典や文学関係の本などさまざまな本があります。特に、自然科学関係の本が多いようです。しかし、その多くの本は外国語で書かれています。一番多いのは英語で書かれているもので、その他にフランス語、タイ語、ドイツ語、そしてスペイン語で書かれている本もかなりあります。また、ラオス語で書かれている本には、「詩」「ショートストーリー」「昔話」などの文学関係の本が多いです。もともとは外国の本で、ラオス語に翻訳されている本や資料も少しあります。「Central Library」ジェクトに参加することにより芸術家の全く違った自然観を知ることができ、非常に良い体験をさせてもらいました。 以外で、多くのラオスの人に知られている図書館は「National Library」です。この図書館の本も多くが外国語で書かれた本です。ちなみに、ラオスでは、日本のように漫画本はないようです。あるとしても、ただの絵本のようなものです。ラオスでは、図書館はもちろん、本の数や種類も少ないです。ですから、ラオスの人々は小さい頃からあまり読書をする機会がないし、外国語が分からない人もたくさんいるので、そのような人々には、外国語で書かれた本は役に立ちません。それで、ラオス人は日本人よりあまり読書はしていません。日本に来てから驚いたことがあるのですが、電車の中でもどこでも熱心に読書をしている人がいますね。私は日本人の読書力はすごいと思います。私だったら、そんな状態で本を読んだらすぐ眠くなってしまいますから。 本と言うのはとてもよい情報源であり、本を読んだら楽しさだけではなく現在起こっている世界の様々な事がわかり立派な教育を受けることになります。私は、自分が本を読む事がまだ苦手だと思うのでこれからも、日本に居る間にもっといろんな日本の本を読んでみたいと思います。いつか自分も、日本人の皆さんのように読書力が強くなると嬉しいです。読書力と言うのは、小さい頃から養ってあげるべきものではないかと思ってきました。私は、日本の図書館や本屋を見てから、ラオスも日本みたいに図書館が改善され、本屋にも漫画本や雑誌や教育に必要な本がたくさん置かれたらいいなと思ってきました。そうすれば、ラオスの人も小さい頃から読書力を養うことが出来るでしょう。