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質問への回答(後藤貴士)

ドル危機について

2019.01.17 04:14

こんにちは。ご質問ありがとうございます。


IMF体制について、考えてみましょう。これは、金・ドル本位制といって、国際経済では金本位制を使用し、国内の経済では管理通貨制度を使用するものでしたよね?


金本位制では兌換紙幣を発行するので、「その国が金を持っている分」しかお金を発行することができません。


ここでアメリカが財政赤字になるということは、「アメリカのお金が海外に流出していることが多い」ということです。要は少しずつ国際市場に出回る米ドルの量が多くなるのですが…


もし、「アメリカが保有している金の量以上の米ドル」が国際経済に流通していたらどうなるでしょう?約束違反ですよね。とんでもない混乱が起こることが推測されます。


で、この心配が出てきたのが1960年代です。


アメリカの軍事費の増大・財政赤字が増えたので、各国が「米ドル、こんなに出回ってるけど、大丈夫?ホンマに全部金と交換できるの?」という疑念を抱き始める訳ですね。これがドル不安です。


ここから各国が、「訳のわからん混乱が起きる前に自分とこの米ドルを金に換えとこー」っていう風に米ドルと金との交換が殺到する訳ですね。これがドル危機です。


なので、ニクソン大統領が「もう米ドルと金との交換をやめる!」と宣言します。これが、ニクソンショックです。


ご質問、ありがとうございました。ご理解頂けましたでしょうか?もしまた何かわからないことがあればメッセージをください。よろしくお願いします。