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ぶらぶら散歩~能登花嫁のれん展を観る

2024.11.10 08:09

短い秋が過ぎていき、一気に冬のような寒さになりました。昨日は母をデイサービスに送り出した後、久し振りの都内ぶらぶら散歩に出かけました。風は少し冷たいけれど、とても良いお天気で散歩には絶好の日和でした。

目的は、旧安田楠雄邸庭園で行われていた「能登・七尾 花嫁のれん展」を観に行くこと。旧安田楠雄邸は千駄木駅から徒歩5分ほどのところにある、大正時代に建てられた近代和風建築です。庭と和室の間にガラスの格子戸の廊下が続く、私たちの年代には懐かしい造りです。調度品も展示されていて、木製の氷で冷やす冷蔵庫や、茶箪笥、タイル張りの流し台、足踏みミシンなど子供の頃を思い出します。

原則、写真撮影禁止ですが、一ヶ所だけ二階の客間は撮影OKでした。開け放した障子の向こうに庭が見えます。残念ながら紅葉はまだでした。

花嫁のれんは、能登地方で嫁ぐ娘へ親御さんが誂え、花や吉兆の柄や、オシドリなど夫婦円満の柄と家紋を染めたり刺しゅうしたりした豪華なもの。結婚式で婚家の仏間の入口にのれんを掛け、のれんをくぐって仏間に入り、ご先祖に挨拶をするという儀式があるのだそうです。
「花嫁のれん展」は石川県七尾市の一本杉通りで毎年開催され、百枚を超す花嫁のれんが商店や家々に飾られるそうなのですが、今年は能登半島地震で一本杉通りも大きな被害を受けて、お祭りも花嫁のれん展も中止になってしまったそうです。そこで今回、都内の旧安田楠雄邸で開催になったのです。安田邸の各部屋に、色鮮やかな花嫁のれんが10枚展示されていました。明治時代の藍染ののれんから、平成・令和のものまで、流石に加賀友禅の地域柄、鮮やかなものでした。10枚の内、2枚は花婿のれんで、そのうち1枚は撮影可でした。一富士二鷹三茄子ですね。色使いも男性的です。

収益金は能登の復興に充てられるということなので、お土産も買いました。酒のつまみのホタルイカの素干しとクッキーです。一本杉通りのお店の製品だそうです。

千駄木は文士達ゆかりの地でもあります。千駄木駅へ戻る途中、「森鴎外記念館」がありました。文学部出身としては、これは素通りできません。丁度、「111枚のはがきの世界」という企画展が開催されていました。

自筆のはがきの味のあること。メールやLINEではだせない個性ですね。私も最近は手紙やはがきを書いていないので、あらためて手書きの良さを認識しました。

ぶらぶら散歩の楽しみのひとつ、その土地の食べ物。今回は千駄木駅近くのカフェで、パスタをいただきました。和風きのこのパスタとサラダです。食後には本日のコーヒーをチョイスしました。

ちょっと駆け足でしたが、この後は地下鉄で千駄木から大手町へ移動、東京駅まで歩き、総武線快速で船橋へ。冬用のパジャマや食材を買って帰宅。たくさん歩いた満足の休日でした。