ケルンLGBTクリスマスマーケットなど
ドイツではアドヴェントに入るとそれぞれの都市で特色あるクリスマスマーケットを開催する。留学していた街マールブルクのクリスマスマーケットでグリューヴァイン(ホットワイン)を仲間と楽しんだ記憶はもう20年近くも前のことで、就職してからは学期期間中に開始し終了してしまうクリスマスマーケットに訪問できずにいたが、とうとう念願かなって?この時期にドイツ出張することができた。
まずは出張先ベルリンのクリスマスマーケット。フリードリッヒシュトラーセ駅からすぐ小さなクリスマスマーケットが登場し、驚いた。ヒュッテ(小屋)は20ほどの小規模なマーケットだったが、一つ一つのお店はそれなりに充実していて見ごたえがあった。そこから徒歩圏である、ベルリンの目抜き通りであるウンターデンリンデンを超えたところにあったのがジャンダルメンマルクトのクリスマスマーケットで、なんと入場料1ユーロ取られるが、それなり規模の大きなマーケットで、オリジナルのグリューヴァイン・タッセ(マグカップ)のデザインもしゃれていてかわいい。
さらに東へ向かったアレクサンダープラッツ駅は、移動式の巨大なアトラクションも登場するだいぶド派手なクリスマスマーケット。ギラギラしたクリスマスマーケットは趣はないかもしれないが、子供には最高の遊び場かもしれない。帰国前日には、ケルンに立ち寄り、同じく巨大なクリスマスマーケットを見ることができた。特に、ケルンで興味深かったのが、留学後に帰国したセダちゃんが連れていってくれた、少し離れたルドルフプラッツにあるLGBTのクリスマスマーケットだった。留学時代にタンデムパートナーだったゲイの学生が、週末ごとにケルンに通っていたのを思い出した。大都市のなかでもとりわけケルンがなぜLGBTに開かれた街となったのか、ちゃんと調べてみるとおもしろいなと思った。
ケルンで集合してくれた留学中の学生たちの情報をきくと、ボンのクリスマスマーケットのマグカップが雪だるまの形?をしていてかわいいらしい。ちなみに、ケルン大聖堂のクリスマスマーケットのマグカップは残念とのことで購入せず。そういえば、ベルリンのマーケットでは耐熱性ガラスの細長いマグカップをよく見かけたが、やっぱり街ごとのイラストが入った陶器のマグカップが味わいがあるなと思う。
観光なのか、現地の人なのかわからないが、どのマーケットも人でごった返していた。デパートでも人々は長蛇の列で会計に並び、店の店員たちも軽くパニックになっていた。口々に「クリスマスストレスだわー」と話し合う声が聞こえ、ホテルでつけたテレビでも、この聞きなれない「クリスマスストレス」というワードであふれかえっていた。買い物に列をつくるドイツ人という普段なかなか見られない光景と、彼らから発せられる「ストレス」という単語の組み合わせが妙に新鮮で、この時期にしか見られないものを見たような気がした。
それにしても、記憶の中のクリスマスマーケットとは違って、どれもこれも案外こじんまりしたものだったように思う。記憶が体験を巨大化していくことを改めて実感した。今回のこの訪問も、やがて巨大化されて私の記憶に定着していくのかもしれない。