いま、わたしにある言葉 2024年11月
2024.11.11 03:21
「11月のことば」
長すぎた夏が ようやく終わり、
短かすぎた10月が終わる。
そして、11月。
詩人・長田 弘さんの詩画集『詩ふたつ』。
・・春の日 あなたに会いにゆく
あなたは、なくなった人である。
どこにもいない人である・・。
学生時代からの恋人。
彼の作品の誰よりも早い読者だったひと。
あとがきで、詩人は記す。
・・亡くなった人が
後に遺してゆくのは、
その人の生きられなかった時間であり
その死者の生きられなかった時間を、
ここに在るじぶんがこうして生きているのだ・・。
クリムトとの、この詩画集から朝毎に飛び立ち、
ここに帰る日々が、わたしにもあった。
ことばって、なんだと思う?
けっしてことばにできない思いが、ここにあると指さすのが、ことばだ。
落合恵子
『詩ふたつ』愛蔵版詩画集
長田弘/詩 グスタフ・クリムト/画 クレヨンハウス/刊