藪蘭の実に残りたる冬日かな 五島高資
https://www.miyoshi-group.co.jp/blog/%E3%83%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%AE%9F/ 【ヤブランの実】より
先日紹介した「ぬばたま」と同様に、真っ黒で艶のある黒玉を付けているのは、和風庭園の下草や宿根草の寄植え素材でもお馴染みの、ヤブランの種子です。年によっても異なりますが、残った花がらにびっしりと黒い種子が付きます。
タイトルではヤブランの実と書きましたし、見た目は実のように見えますが、ぬばたまと同じでこれも種子そのものです。黒い色は種皮なので、リンゴに例えると芯の部分に埋まっている、こげ茶の粒と同じものです。
植物の多くは実の中に種子を作ります。人や動物にとって美味しいジューシーな実を液果といいますが、ほとんどは乾果という乾いて中が空洞になる実を付けます。
ヤブランも実の中に二、三個の種子を作るのですが、実が育ってくる早い時期に果皮(実の皮)が裂けて落ちてしまって、中の種子がむき出しの状態で大きくなるという変わった育ち方をします。
花後に緑色の玉がたくさん付いているのを見る機会もあると思いますので、あぁ、これは実ではなくて種子なんだな、と思い出して頂けると興味がわいてくるかもしれません。
紫色のお花も可愛いですが、種子の状態も飾って楽しんで頂きたいと思います。
https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12529216403.html 【藪蘭は古寺の庭にぞ似合いける】より
藪蘭は古寺の庭にぞ似合いける ( やぶらんは こでらのにわにぞ にあいける )
今日取り上げる「藪蘭(やぶらん)は、確か7月頃から咲いていたと思うが、今も、方々で見かける。
本日の掲句は、その「藪蘭」を、ある古寺の庭の一画に群生しているのを見て詠んだ句。名前に「藪」が付いているが、この花は、小ぎれいに整備された庭に植えられてこそ映える草花だと思った。「藪蘭」は秋の季語。(夏の季語にしているところもある。)
*係り結び:文中の「ぞ」→文末は「連体形」の「似合いける」。文の内容を強調する。
ところで、「藪」とはどんなところか、ネットの「漢字ペディア」で調べると以下の説明があった。
①やぶ。草・低木・タケなどが生い茂っているところ。「竹藪」
②さわ。沼池。草木が生い茂って鳥獣が集まるところ。「藪沢」
③物事の集まるところ。「淵藪」
イメージ的には、草木や竹が乱雑に生い茂り、蜘蛛の巣が張ってあるところという印象がある。近辺では見かけないが、田舎の実家には、かつて竹が生い茂った「竹藪」があった。
話は戻って、「薮蘭」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 木陰にて藪蘭ひそと光りおり
② 藪蘭や気もらんらんとらんらんと
③ 藪蘭の群れ咲くところ暮れなずむ
①は、木陰にひっそりと咲いている藪蘭の様子を詠んだ句。藪蘭は日陰でもよく育ち、お寺などの庭園に植えてあることも多い。
②は、あるアパートの土塀沿いに藪蘭が連なるように植えてあり、薄紫色の花をびっしりと咲かせている様子を見て詠んだ句。
③は、夕暮れ時に訪れたお寺の庭の一画に藪蘭が群生しているのを見て詠んだ句。
*暮れなずむ:完全に日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態、つまり日が暮れかかってから真っ暗になるまでの時間が長いことを表す。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-118f.html 【ヤブランの実】より
黒く熟しているのはヤブランだと、思って。
リュウノヒゲの実は青いですよね。なんだか混乱してしまって。
2008.12.14付 朝日俳壇に下のような句が載っていました。
龍の玉採る童(わらん)べも龍の玉:(松江市)三方元
金子兜太 評:龍の玉のような子供が龍の玉を採る。美しい。
「玉のような男の子」という表現はあるけれど、感覚的には赤ちゃんの表現だと思って・・・。
言葉のつながりは面白いけれど、なんだか、すっきり落ちない評だと思っていたのです。
そんなことがあって、ふと「玉」をみて、(玉のようなじいさんかかしが)玉の写真を撮ってみたのでした。(ゴメンナサイふざけすぎですね。)
・わたくし、どうも金子先生の感性についていけない、鈍者ですが、昨日のニュースにこんなのがありました。
正岡子規国際俳句賞、大賞に金子兜太氏:2008年12月22日20時6分
俳句の国際的な発展に貢献した人に贈られる第4回「正岡子規国際俳句賞」(愛媛県文化振興財団など主催)の受賞者が22日発表され、大賞に俳人で現代俳句協会名誉会長の金子兜太(とうた)氏(89)が選ばれた。日本人が大賞を受賞したのは初めて。中国や欧米で俳句の普及に努めたほか、現代俳句協会に国際部を創設したことなどが評価された。
マズイ!金子先生に楯突いていてはいけないんだ。なんと怖れ多いことばかりしているのだろう、と縮こまっております。