富永峻さん ピアノリサイタル:ヨーロッパを旅する音色へ or 音楽と波動
富永さんのピアノリサイタルへは、いつも花束を持っていきます。昨日は英会話レッスンの帰り道、日比谷ミッドタウンにあるいつものお花屋に立ち寄る時間もありました。季節のお花での個性的なブーケが魅力です。
同じ組み合わせでも、ちょっとずつお花のボリュームも違うので、厳選してからお会計へ。するとぞろ目の金額が表示されたので、「ゾロ目なんですね! ピアニストの方に差し上げるんですけど、いつもここのお花が喜ばれているんですよ!」と。
この花束を選んだ時から、感謝や喜びといったポジティブな感情が自分の中に広がっているのを感じていました。お店でゾロ目に気づき、その話を共有することで、感情がさらに高まり、自分の波動がぐっと上がったように感じました。
19時からのため、ミッドタウンのベーカリーで軽食を頂いてから、すみだトリフォニー小ホールへ。まだ時間があったので、隣のホテルのロビーで、ChatGPTで曲目の予習をすることに。それぞれの聴きどころや曲の背景を学習しました。そして、幕を開けました。
◆ プログラムより
会場につくと、プログラムをいただきました。今回のテーマは「ヨーロッパを旅する音色」とありました。
富永さんによると、作曲家にとって音色は、カラフルな絵具のようなものであり、五感や多様な感情を音で表現するための重要な手段だとされています。作曲においては、楽曲が伝える「メッセージ」と「風景」が非常に重要であり、希望や喜び、悲しみといった感情だけでなく、朝昼夜といった一日の時間帯や場所の特徴までも、音を通じて描かれているそうです。
特に、バッハの技法には繊細なハーモニーと深いメッセージ性が含まれており、その構造美が際立っています。一方で、ドビュッシーやアルベニスの作品は、スペインの風景やその土地特有の雰囲気を映し出すために、独特の音色とリズムが駆使されています。それぞれの楽曲からは異なる国の風景や文化の息吹が感じられるのです。
さらに、ブラームスの作品においては、ピアノという楽器がまるでオーケストラのような響きを再現します。チェロやクラリネットのような豊かな音色を奏でることで、聴く人に深い感動を与えます。このように、音楽は異なる地域の風景や文化を音で体験する「旅」のようなものであり、聴く人をその世界へと誘うものだと結論づけています。
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観賞準備もばっちりで、ピアノ演奏が始まりました。ここまで書いてみて、今回は「音楽と波動」という視点から振り返ってみたいと閃きました。
音楽には目に見えない波動があり、それが私たちの心や体に影響を与える——そんな考えに基づいて今回のリサイタルを振返ってみたいと思います。それぞれの曲が持つエネルギーは、時に穏やかに、時に情熱的に私を包み込み、聴き終えた後には全身が新しいエネルギーで満たされます。ライブならなおさらです。
以前、デヴィッド・R・ホーキンズ博士は、著書『パワーか、フォースか』で、意識レベルを数値化し、さまざまな音楽作品の波動を評価していることを思い出しました。ChatGPTに、今回のそれぞれの曲の持つ波動について質問してみたところ、検索をしてホーキンズ博士の研究から紐づけてくれました。
今回は全体として、内省的な静けさから感情の揺れ動き、そして壮大なスケールへと徐々に勢いが高まる流れを体感できるプログラム。どのような波動の流れがあったのでしょうか? この感覚を数値化するとどうなるのでしょうか!
プログラムの波動分析
1. アルバン・ベルク:ピアノソナタ Op.1
波動レベル:400(理性)
この作品は、知的で内省的な波動を持ちます。抑えられた感情と緻密な構造が特徴で、リスナーを内面の深い世界へと引き込みます。プログラムの冒頭として、静かな緊張感をもたらし、心を集中させる役割を果たしています。
2. バッハ:半音階的幻想曲とフーガ BWV 903
波動レベル:500(愛)
バッハの作品は、調和と秩序が波動を高める力を持っています。この作品では幻想曲の自由な即興性とフーガの緻密な構造が見事に対比され、聴衆を心の安定と平和へと導きます。この段階で波動が一気に高まり、コンサート全体の基調が整います。★YouTubeへ
3. ショパン:マズルカ Op.59、舟歌
波動レベル:450(受容)
ショパンの作品は、深い感情表現と詩的な美しさが特徴です。マズルカでは繊細な民族的リズムが、舟歌では穏やかな流れが、聴衆に心の解放感と癒しを与えます。感情的な深まりが波動に新たな層を加えます。
4. ドビュッシー:「グラナダの夕べ」
波動レベル:475(創造性と愛の間)
印象派の代表作であるこの作品は、エキゾチックなリズムと色彩感が特徴です。音楽が視覚的な風景を想像させる力を持ち、聴衆を新しい世界へと誘います。この段階で波動がさらに解放的に高まります。
5. アルベニス:「セビリアの聖体祭」
波動レベル:450(受容と喜び)
スペインの祭りを描いたこの作品は、情熱とエネルギーに満ちています。カラフルな和声とリズムが聴衆の心を高揚させ、波動が一時的にピークに達します。
6. ブラームス:ピアノソナタ第3番 Op.5
波動レベル:500(愛)
プログラムのクライマックスとして、ブラームスの壮大なスケールと感情の深みが響き渡ります。この作品は、愛と理性が融合したような高次の波動を放ち、プログラム全体を荘厳に締めくくります。★YouTubeへ
番外編:さらに、花束を買うエピソードも波動で表わすと、(笑) 感謝と気遣いの波動(500付近)喜びとつながりの波動(540付近)ゾロ目のシンクロニシティ、直感(Willingness: 310)や愛(500)と結びつきます。
今回のコンサートで特に印象的だったのは、バッハの「半音階的幻想曲とフーガ」です。波動レベル500ですからね! 一瞬にしてバロック時代へと時間旅行をしてしまったような感覚を覚えました。この作品は、バッハ晩年の自由な創作意欲が感じられる一曲で、いつもの厳格な印象のバッハとは少し違った趣がありました。幻想曲の自由な動きとフーガの完璧な構造が絶妙に対比され、聴いているうちに心が整い、深い安らぎを感じることができました。
一方、やはり印象派的なドビュッシーの作品は私の好みです。「グラナダの夕べ」はこれまでにも何度か聴いたことがありましたが、今回の演奏ではそのエキゾチックなリズムと豊かな色彩感が特に印象的でした。この曲の聴きどころについてChatGPTからも教えてもらいましたが、柔らかくも鮮やかなエネルギーがスペインの夕暮れを思わせ、音楽を通じて旅をしているような解放感をもたらしてくれました。
さらに、アルベニスの「セビリアの聖体祭」も心に残る一曲でした。ピアノという一つの楽器だけで、スペインの伝統音楽の情熱や活気を見事に表現していることに驚かされました。リズムと音色が絡み合い、まるでスペインの街角に立っているような生々しい感覚を覚えまし た。
そして最後を飾ったのは、ブラームスのピアノソナタ第3番 Op.5。若き日のブラームスが22歳で完成させたこのソナタは、まさにピアノソナタの最高傑作と言えるものでした。その圧倒的なスケール感と情熱的なフィナーレは、「ブラボー!」の声。見事な締めくくりとなりました。
今回のコンサートでは、手元が見える位置から演奏を観察できたのですが、ピアニストが鍵盤に触れるたびに、小さな音から大きな音まで、88鍵という限られた範囲で無限の音の表現が広がっていることに気づかされました。このような感動は、実際に間近で見ないと得られないものだと思います。
特に印象的だったのは、小さな音の表現の豊かさです。この繊細なニュアンスこそが、ピアニストの技量の高さを物語っているのではないでしょうか。静かな音に込められた色彩や感情の幅広さに、演奏の奥深さを感じずにはいられませんでした。
今回の富永さんの演奏は、一見すると軽やかに鍵盤を弾いているように見えました。しかし、その軽やかさの中には高度な技術と緻密なコントロールが隠されていることを感じました。実際にどうなっているかは見た目だけでは分かりませんが、音に込められた深みがそれを物語っています。
いろいろなピアニストの演奏をコンサートホールで聴く機会を設けていますが、このような演奏の真髄に触れる瞬間は、ライブでしか味わえない特別なものだと改めて感じました。
コンサートの最後には、事前アンケートに基づく富永さんへの質問コーナーがありました。私は「演奏していて楽しいと感じる部分は?」と質問してみたのですが、返ってきた答えは意外で、かつ本質的でした。「演奏中に楽しいと感じる部分は実はあまりなくて(笑)、でも、継続して演奏を続けるプロセス自体が楽しいのではないかと思う」という率直な回答でした。
この言葉には大いに共感させられました。私も「継続の人」だからです。毎回のコンサート後に振り返りの感想を書くのも、楽しいというよりも、もはや継続している習慣の一部です。それでも、そのプロセスの中で「今回はどんな切り口で書こうかな?」と考えたり、調べたりする時間には、確かに楽しさを感じています。
感想を書くには、ある程度調べて知識を深めないと伝わらない部分があります。そのため、音楽を聴いた後に調べたり考えたりするプロセス自体が、私にとって一つの楽しみなのかもしれません。
富永さん、今回のコンサートも素晴らしいひとときをありがとうございました。一音一音に込められた情熱と繊細さを感じ、音楽の持つ力に改めて感動しました。次回のコンサートも楽しみにしております。これからもご活躍を心よりお祈りしています!