「古志」深川句会(11月)を終えて 1
2024.11.22 21:00
11月13日(水)は「古志」深川句会でした。
特選句からいくつか。
狐火の一つ大きく虚子の恋 篠原隆子
作者によれば、「古志」十一月号の虚子特集、
西川遊歩さんの『六百五十句』鑑賞に触発されて詠んだとのこと。
いわゆる「愛子もの」と呼ばれる一連の小説と、
そこでやり取りされた句は儚くも艶なるものです。
篠原さんの句は、
そうした虚子の老いらくの情念を狐火で捉え直したところが秀逸。
(Photo by Canva)
矍鑠と刈上げ餅をくばりゆく 大場梅子
刈上餅は刈って間もない新米を餅にして、
神様やご近所へ配る行事をいいます。
収穫を祝い、豊年に感謝するものです。
この句はいたって無造作な読みぶりですが、
矍鑠としたご高齢の農夫の姿がありありと目に浮かびます。
また、今年も稲作りをつつがなく終えたことの安堵の思いもしみじみと感じられ、
シンプルながら奥行きのある一句になっています。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は年内最後、12月11日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。