長野M-Waveのリンクレコードを更新
ジョーダン・ストルツ
ー今日の氷質は自分の技術と合っていたー
◆スピードスケート◇W杯第2戦 第2日(23日、長野市エムウェーブ)
男子のジョーダン・ストルツ(米国)が 1000メートルを1分7秒18のリンク新記録を更新して優勝した。氷質との相性の良さを実感したストルツは「今日の氷の状態が自分のスケーティングとテクニックにとても合っていた」と手応えを口にした。
最初のインナーレースでは完璧に近い滑りを披露。「他の選手が作った氷の溝を多く避けることができ、ブロックにかなり近づけた」と語り、氷面のコンディションを巧みに活用した滑りで観客を魅了した。最後まで安定した強さを見せ、その実力の高さを証明した。
昨日2つ勝利を挙げていたこともあり、多少の疲労は避けられない状況だった。「少し疲れていた」と認めながらも、「疲労は許容範囲内で、パフォーマンスを大きく損なうほどではなかった」と冷静に分析。ウォームアップでは軽いインターバルトレーニングを取り入れ、持久力面での不安を払拭した。
明日の目標について聞かれると、「もちろん表彰台に立ちたい」と意欲を見せた。初日より疲労が蓄積することは避けられないものの、「今は氷に慣れてきて、レースも経験した。より快適に滑れると思う」と、技術面でのアドバンテージに期待を寄せた。
八戸とMウェーブでトラックレコードを記録した強みについて、「良いオープニングを切ることができ、なおかつ十分な持久力がある」と分析。これはオールラウンドや長距離種目のトレーニングの賜物だという。特に今日の1000mでは、八戸での記録時より速いオープニングを切ることができ、終盤まで力強い滑りを披露した。
小島選手との交流についても触れ、「トレーニングや用具について話し合い、アイデアを共有している。彼はとても賢いので、会話がとても有意義だ」と語った。近くの寺院で昼食を共にしながらスケートについて語り合うなど、競技の枠を超えた交流を深めている。
謙虚な人柄の背景には、厳格な家庭環境があったという。両親の教育方針について「そういった面では厳格だった」と振り返り、その育てられ方が今の自身の礎になっているとのこと。実力と人格を兼ね備えた若きスケーター、ストルツの更なる活躍が期待される。
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP