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しのろ駅前医院

マイナ保険証、12月2日本格導入 受診時に3つのパターン 戸惑いの声も

2024.11.24 00:06

2024年11月24日 4:00

 健康保険証としての利用登録をしたマイナンバーカード「マイナ保険証」。本格導入される12月2日からは現行の保険証は新たに発行されなくなり、最長で1年後には使えなくなる。受診機会の多い中高年からは戸惑いの声も上がる。受診時に想定される三つのパターンを中心に、制度改正のポイントやマイナ保険証の登録解除方法などをまとめた。

■登録済み 専用機で読み取り

 渡島管内の50代主婦は「情報のセキュリティー面での不安」から、マイナカードは持たず、保険証として利用するつもりもない。「マイナ保険証の情報は登録推進のものばかり。カードを持たない人、持ちたくない人への配慮が乏しい」と不満を募らせる。

 「企業から12月2日以降の健康保険の加入手続きについて、問い合わせが来ています」と語るのは、特定社会保険労務士の小池のぞみさん(札幌)だ。


 とはいえ、すぐに現在の保険証が使えなくなるわけではない。経過措置期間があり、最長で2025年12月1日までは使用できる。一方で、無職の人や自営業者らが入る国民健康保険(国保)や、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の保険証は「道内では来年7月末で使えなくなる」(道国保医療課)。

 マイナ保険証が本格導入されると「受診時の対応は3通りのパターンが想定されます」と小池さん。①マイナ保険証の利用登録をしている②マイナカードはあるが、保険証としての利用登録はない③マイナカードがない=図=だ。

 ①はマイナ保険証で受診する。医療機関や薬局の受付に設置された専用機器(カードリーダー)を使い、顔認証や暗証番号の入力などで手続きできる。

 受け付け時にカードがうまく読み取られない場合や、カードリーダーが未設置の医療機関もある。その際は、各種健康保険を運営する保険者(全国健康保険協会、健康保険組合、市町村など)が郵送などで届ける文書「資格情報のお知らせ」か、マイナポータルに登録した個人情報を、マイナカードとともに提示すれば受診できる。

 資格情報のお知らせは、健康保険の記号・番号などが記されている。その部分を切り離して、従来の保険証のように持ち歩ける。

 それも難しい場合には、初診時に医療機関などの受付でマイナカードを提示し、所定の書式の「資格申立書」を提出すれば、次回以降も受診が可能だ。

■未登録、カードなしは「資格確認書」提示

 マイナ保険証を持たない②③は、現在の保険証の有効期限が切れる前に、「資格確認書」が保険者から届く。これを受付で提示すればよい。申請は不要だ。

 マイナカードに保険証登録していない人は、受診時などにカードを持参すれば、カードリーダーで登録が可能だ。専用サイト・マイナポータルなどでも事前に行える。

 マイナ保険証を取得している人はカードの有効期限にも注意が必要だ。マイナカードは10年。カードに書き込まれた健康保険証情報を含む「電子証明書」は5年。小池さんは「(それぞれ)更新手続きを忘れないように」と呼び掛ける。

 マイナ保険証に関する問い合わせは、加入している健康保険の窓口か、国のマイナンバー総合フリーダイヤル0120・95・0178へ。

■一度登録しても、解除可能

 マイナ保険証を登録したものの、使いたくない場合、10月下旬から、解除が可能になった。解除したい人は、加入している健康保険組合、全国健康保険協会や居住する市町村に申請書を提出する=図=。申請完了まで1~2カ月かかる。専用サイト「マイナポータル」などからはできない。

 厚生労働省によると、保険証としての機能を解除した件数は8日までの約2週間で全国で792件。「気づかないうちに保険証登録していた人もいるようです。メリット、デメリットを理解して利用を」と小池さんはアドバイスする。

■10月の利用率、わずか15.6% 国はメリット強調

 マイナ保険証利用のメリットについて、国は①過去の処方された薬、特定健診などの情報を医師・薬剤師が共有できる②手続きなしで高額療養費の限度を超える支払いが免除される③マイナポータルで確定申告時に医療費控除が簡単にできる―などを挙げる。

 各医療機関・薬局の専用機器で本人確認する際、過去の診療情報の提供などへの同意が求められる。これに応じると、データが医師らに提供される。本人確認の際の暗証番号は、マイナンバーカードを作成した際に登録した4けたの数字。顔認証は、カード内のICチップに保存した顔画像と、専用機器が撮影した人物が同一かどうか照合する。

 厚生労働省によると、マイナ保険証の10月の利用率は15.6%。前月比1.8ポイント増にとどまる。個人情報がまとまって管理されることへの不安や、紛失などに伴う悪用への懸念を訴える声が、なお根強い。


北海道新聞よりシェアしました https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1091970/