自分のレースだけに集中している
◆ジョーダン・ストルツ
ー500mでは2位となりましたね。レースが終わり、全ての距離で金メダルを獲得しましたが、その気持ちはどうですか?
「とても嬉しいです。正直、その可能性は低いかなと思っていたのですが、達成できて良かったです。特に最後のレースは、少し疲れた状態で臨んだので、不安もありましたが、技術的にはうまくいったと思います。そのおかげで、疲労を感じながらも何とか良い走りができました。」
ー次のレースで追われる立場になることについてはどう考えていますか?
「正直、あまり考えないようにしています。そういうことを考えると、余計なプレッシャーがかかるので。とにかく自分のベストを尽くして、追ってくる選手たちのことを気にしすぎないようにしたいです。もちろん、みんな全力で勝ちを目指してくるでしょうし、僕もそうです。でも、それをあまり意識せず、自分のレースに集中するつもりです。」
ーミラノ・コルティナオリンピックでのイメージはありますか?
「今の調子をキープし続けられればいいなと思っています。リードを維持して、レース中もできるだけリラックスしていられるようにしたいです。ただ、今の段階で具体的な計画を立てるのは難しいですね。あと1年半あるので、その間に何が起こるか見てみないと分かりません。」
ー日本の友人たちと良い関係を築いていると聞きました。日本についてはどう思いますか?
「日本はとても素晴らしいと思います。食べ物が特に美味しいですね。アメリカではこういう食事はなかなかないので、新鮮で気に入っています。それに景色や町の作りもすごくいいですね。とても便利で、色々なところが素敵です。」
ートレーニングについて、ソルトレイクシティを拠点にしていると聞きましたが、高地でのトレーニングをどう思いますか?
「ソルトレイクシティは標高が高いので、年間を通してそこで練習するのは少し厳しいですね。個人的には標高の低いところで練習したいです。高地でのトレーニングを続けるのも良いですが、時々切り替えた方がいいと思います。特に5000mのような距離だと、高地だとフィジカル的に大きな進歩を遂げるのは難しいですし、氷も速いので、より負荷がかかる低速の氷で滑る方が良いトレーニングになります。」
ー5000mのトレーニングにおいて、標高の影響はありますか?
「短距離種目の場合、高地でのトレーニングは難しいです。それと、家族がミルウォーキーにいるので、全米を移動するよりもそばにいる方がいいですし、同じかそれ以上のトレーニングをここでできるので。」
ースケートスタイルに合った滑り方をどう作り上げていますか?
「僕の場合、外側のコースでしっかりスピードを出せるところが強みです。最終的に内側のコースはあまり問題なく滑れるので、外側でスピードをつけることが重要です。内側でゴールするので、最後はより速く終われます。外側で攻めて、スピードを生み出すのが鍵だと思っています。」
ートラック記録を0.1秒差で逃しましたが、残念ですか?
「いいえ、特に残念には思っていません。新濱選手が記録を保持し続けられるのは良いことだと思います。もし疲れていなかったら記録を更新できたかもしれませんが、もう終わったことですし、仕方がないですね。」
ー北京オリンピックと比べて、現在の自分がどのように変化したと思いますか?
「特に夏の間にかなり強くなりました。北京後の最初のシーズンは自分がどれほど強くなったか実感できていませんでしたが、スタヴァンゲル(ノルウェー)のワールドカップ1500mで初めて勝った時は本当に驚きました。夏のトレーニングが実を結んだと思います。そして、遠征が増えたことで、時差ボケや慣れない食事への対応、睡眠スケジュールの調整などを学びました。過度なトレーニングを避け、しっかり休息を取ることが重要だと気づきました。それが大きな違いですね。」
ースケート人生の中で、特に失望したり、挑戦を感じた時期はありましたか?
「もちろんあります。ジュニア時代、特に15歳の頃は大変でした。ユースオリンピックもジュニアワールドカップも思うようにいかず、悔しい思いをしました。その後、16歳の夏に本気でトレーニングに取り組み、筋力をつけることに集中しました。そして16歳で初めて全米選手権で優勝し、それ以来同じトレーニング方法を続けています。夏に一生懸命トレーニングをすることで進歩を実感できると分かったので、それがモチベーションになりました。全種目対応のトレーニングを始めたことで、今シーズンのように良いスタミナとスプリント力を持てるようになったと思います。この状態をオリンピックまで維持したいですね。」
取材:Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP
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