チームとして獲ったゴール

関西勢対決を制したのは宮代大聖の右足だった。昨季所属した川崎フロンターレに続き、今季は移籍先のヴィッセル神戸で個人2連覇。チームを優勝に導いた背番号9にタイトルへの思いと得点場面について振り返ってもらった。

■宮代大聖

結果として自分が点を獲ったが、チームとして獲ったゴールだと思っている。ここで嬉しい気持ちもあるがリーグ戦も残っているので切り替えていきたい。

――1つタイトルを獲ったことで成長した部分は。

移籍をして違った刺激が自分の中に入ってきたこともあるが、結果を拾えていることは理由があると思うし、それを分析していきたい。チーム内競争もあり、スタメンが確約されている訳でもない。与えられた時間でどれだけ結果を出せるか。自分だけではなく全員がその意識で戦っているのが強さの要因だと思う。

――耐えるところを耐えていたが。

我慢する展開で、ガンバは良いサッカーで前半は苦しんだが、焦らず戦えたことは良かった。ゼロに抑えていれば必ずチャンスは来るので、そこで一発で仕留められるか。そういう部分で今年は勝点を積み重ねたし、逆に落とした部分もあるが、今日は良い方向に転んだ。

――得点シーンについては。

サコくん(大迫勇也)がヨッチくん(武藤)に出した後、自分は中でもらおうと思ったが、ヨッチくんがシュートを選択した。最初はクロスを受けようと思い、観客の声もあってなかなか声も届かなかったと思う。結果それがゴールに繋がった。そこで受けようとしたことで、あそこでポジションを取れたと思う。空いたスペースであったり、感覚的な部分もあるが仲間を信じてどれだけ走れるか。サコくんだったらこういう動きをするだろうなとか、そういう積み重ねで自分の感覚的な部分で入っている。そこはもっともっと良くなると思っている。

――個人としてはどんな想いを持って挑んだのか。

もう1度、タイトルを獲りたいと思っていたし、違った気持ちで決勝を迎えたので、個人2連覇となったが、そこまで意識はしていなかった。どれだけあの舞台で楽しんでプレーできるかが大事だと改めて思った。

取材・文：石田達也 / SportsPressJP

Photo by Maruyama Kohei / SportsPressJP