ささやかな住民自治
岐阜県各務原市(かかみがはらし)の小学6年生の女の子が、半年間にわたって、信号のない横断歩道を一時停止しない車を、雨の日も雪の日も数えた自由研究の結果を地元警察に報告したところ、警察と道路管理者の市が協議して、横断歩道があることを認識させるため、この横断歩道の手前に赤いラインを路面舗装したら、一時停止する車が増えたそうだ。
えらい子やぁ〜。子供の訴えに応えた警察も市役所もえらい。住民自治やね。
私は、実態調査こそしなかったが、似たような経験がある。学生の頃、小中学生の通学路になっている一方通行の長く緩やかなカーブを描いた道路(車道と歩道が区別されていない。)を制限速度を超えて通行する車が後を絶たず、私自身もこの道路を歩行中にヒヤッとしたことが何度もあった。いつか小学生たちの列に車が突っ込むのではないかと心配だった。
父が東京から大阪へ転勤するに伴って急遽大阪の高校を受験することになった際に、私の成績だったらどこの高校を受験したらよいかをアドバイスしてくださった元校長先生の市議会議員さんに電話で連絡し、市役所へ行ったところ、この議員さんと道路管理者である市の担当課長さんが同席のもとで対応策を検討してくださった。
以前から、市役所にクレームがいくつも来ていたそうだが、この道路に面した家の住民が自家用車を車庫から出し入れする際に、ガードレールがあると邪魔だと言って、ガードレールの設置に反対しているため、設置を躊躇(ためら)っていたとのこと。
しかし、「車庫入れの利便性よりも子供達の命の方が大事でしょう」と言ったら、議員さんも課長さんも同意見。
しばらくしたら、ガードレールが設置された結果、道路の狭隘(きょうあい)感が増して、減速する車が増えた。
知識として知っている住民自治を初めて実感した。