蘇州霊巌山、宋韓蘄王韓世忠の墓・神道墓碑
前日に、江蘇省宜興市内にある儲安平衣冠塚を訪れましたが、ネット環境の関係で、次の目的地について調べることができず、また、午前中には小雨が降るということでしたので、目的地をどこにするか最後まで迷いましたが、2016年5月と2023年1月に蘇州市呉中区木涜鎮にある霊巌山南麓を訪れたことがあったものの、時間の関係で霊巌山自体には登ったことがなかったため、やはり霊巌山を選びました。
霊巌山に登ってみると、福岡県八女市周辺を産地とする玉露で有名な八女茶に関して、八女・筑後広域市町村圏事務組合の落款にて建てられた石碑がありました。室町時代の八女市周辺に伝えられた八女茶の発祥の地がこの霊巌山であるということですね。
さて、山中には、霊巌山南麓をよく見渡せるスポットが何か所もあり、それらの風景を眺めながら、進行ルートをどう採るのかについて迷いましたが、結局、源義経の「鵯越」ではございませんが、意を決して下山することにしました。霊巌山南麓の公共墓地内に韓世忠の墓があります。前回、2023年1月の際、清掃職員さんに尋ねてみると、韓世忠の墓は訪問可能だとの回答でした。今回、清掃職員さんの案内にて、南宋の岳飛と同時期に活躍した抗金の名将である韓世忠将軍の墓「宋韓蘄王墓」と「宋韓蘄王神道墓碑・中興佐命定国元勲之碑」を訪れることができました。韓世忠も岳飛と同様に数々の戦功を挙げましたが、秦檜によって陥れられ、岳飛は死を賜り、韓世忠は天寿を全うすることができました。
実は、公共墓地内には、80年代に二度にわたって名誉を回復された民主人士である林昭の墓もあります。林昭については、アジアンドキュメンタリーズから関連映画の日本語字幕版が配信されていたりしますので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。ただ、やはり、このご時世ですので、前年と同様に、案内するのは難しいとの回答でした。いつかそのうち、十年程度もあれば、普通に訪れることができるようになるでしょう。とりあえず、今回、2016年と2023年に続く三度目にて、初めて公共墓地内に入り、韓世忠の墓を訪れることができ、よかったです。なお、公共墓地の外側にある「韓蘄王祠」は閉まったままであるようでした。
最後に、霊巌山の麓をいろいろ巡ってから、前年に連結された蘇州地下鉄と上海地下鉄を乗り継ぎ、上海市内に戻りました。
今回、中国の対日ノービザ入国政策の再開にあたり、ややセンシティブではありますが、観光や翻訳通訳業界等の振興のためにも、敢えて本動画を配信させていただくことにいたしました。ぜひ、中国大陸にお越しください。