🌸秋の花🌼🌙秋の空🌞
🔶晩秋に咲くサクラは狂い咲き? 返り咲き?
川口市の荒川運動公園桜堤の晩秋に咲くサクラの話です。一昨年はじめて見かけて、昨年、今年と連続で咲いています。遠目にはポツンポツンと淋しい咲きかたですが、間近に見るととても綺麗に咲いています。幹のプレートには「ヒガンザクラ」と書かれているので春咲きのはずですが、こうして毎年晩秋の頃に咲いているところを見ると、他の「秋咲きの品種」なのでは?と疑ってしまいます。さて真実はどうなのでしょうか・・・。
撮影日:2024年11月25日 「荒川堤で毎年秋に咲くサクラ」
🔶サクラは実は秋咲きだった!?
サクラは春に咲く。それは昔から変わらない日本の風景のように思われています。しかし「サクラは本来、秋に咲いていた。」そして「それがある理由によって、春に咲くようになっていった。」そんなサクラをめぐる不思議なおはなしを紹介します。
🔶先祖はヒマラヤにあり
日本には、園芸品種を除くと10種類ほどの桜が自生しています。日本に自生する桜たちの共通の祖先は、ヒマラヤにあったという説が有力なのだそうです。
ヒマラヤに分布する「ヒマラヤザクラ」が日本に咲く桜の共通の祖先に近いであろうと考えられています。 その「ヒマラヤザクラ」の開花期は秋です。 そして「ヒマラヤザクラ」の咲くネパールは、緯度は亜熱帯に属し、山岳地帯を除けば標高は1400~2000mほど。一年を通して温度差は少なく、とても穏やかな気候です。これに対して日本は春夏秋冬がはっきりしていて、年間での最高と最低の気温差は40度を超えることもめずらしくありません。日本はネパールと比べると、とても厳しい環境なのです。
つまり、本来は秋に開花する植物であった桜が、ヒマラヤから中国を経由して日本へ向けて東へ東へと分布を広げ、数種類に分化していく過程で、秋咲きから春咲きへと変化していったというのです。日本でサクラが秋に咲くのは「狂い咲き」などではなく、「先祖返り」による可能性が高いのだというお話です。
その昔、サクラは秋に咲いていた。それが日本へ向けて分布を広げて行くなかで、厳しい冬を乗り越えるために眠ることを覚え、春に咲くようになった。 毎春、爛漫に咲き乱れるサクラを見ながら、そんなサクラのふしぎな物語に思いを馳せてみてはいかがかな。
🔶じゅうがつざくら
晩秋の色彩を求めて旧芝離宮恩賜庭園に行ってみました。とは言っても「12月6日はもう冬だよね」と思いながらも、現地には秋の彩りがまだ残っていました。そんな中、撮影も終盤になってきたところで、小高い築山の松の木の向こうに、小さな花を咲かせている白い樹形が目に入りました。近くまで降りて行くと「じゅうがつざくら」と書かれた木札が立っていました。
撮影日:2024年12月6日 「旧芝離宮恩賜庭園で見たじゅうがつざくら」
この「じゅうがつざくら」はエドヒガン系の中のコヒガン系の栽培品種で、マメザクラとエドヒガンが交雑した種間雑種で、春と秋から冬にかけての二度開花する二季咲きが特徴なのだそうです。川口の荒川運動公園桜堤の秋に咲くサクラと、花びらの形状、枚数が酷似しているように感じます。桜堤の「ヒガンザクラ」と書かれたサクラは、「じゅうがつざくら」もしくはその近縁種であり、決して「狂い咲き」ではなかったと推察するに至りました。
🔶秋にも咲く春咲きの野草
「ハルジオン」も「オオイヌノフグリ」も「ホトケノザ」も図鑑を調べるとおおむね3~6月を花期としているのが一般的ですが、荒川の土手や河川敷では毎年晩秋から初冬の時期にも咲いています。これを気候変動の影響とするか、図鑑編集者が気付いていないだけなのか意見が分かれるところです。
撮影日:2024年12月5日 「ハルジオン」
撮影日:2024年12月5日 「オオイヌノフグリ」
撮影日:2024年12月5日 「ホトケノザ」
🔶実りの秋、役に立つもの、立たぬもの
春から夏にかけて咲いた花が結実する秋。いわゆる「実りの秋」ですが、野生動物とって役に立つものと立たないものがあります。それが下の一枚の写真に混在していました。
ノイバラは赤い実を鈴なりに実らせ、野鳥たちにとっての貴重な食料になります。ところがアメリカセンダングサのトゲトゲの種子、またの名を「ひっつきむし」は、動物の体や人間の衣服にくっついて自らの分布域を広げるために利用するだけで、動物側には何の利益もありません。でも、秋を表現する写真が撮れた青ちゃんの役には立ちました。めでたし・・・・。
撮影日:2024年12月5日 「アメリカセンダングサのトゲトゲとノイバラの赤い実」
🔷ビーナスベルトってなに?
11月に入り秋が深まり冬が近づくと、関東では天候が安定して晴れの日が多くなります。この晴れた日の明け方や夕方に見られるのがビーナスベルトと言われるものです。
ビーナスベルトとは、日の出前や日没直後に、太陽と反対側の空がピンク色に染まる現象です。朝焼けや夕焼けの光が反対側の空まで届き、高い空の青色と混ざってピンク色が帯状に現れます。また、その下側には藍色の「地球影(ちきゅうえい)」が見られます。つい日の出や夕焼けの華やかな色彩に注目してしまいますが、その反対側にもこんな美しい現象があるので注目してみてください。
撮影日:2024年12月8日 「ビーナスベルトにつつまれる川口市荒川堤からの夕景」
🔷夕方の空に現れた幻日と環天頂アーク
10月31日は朝から巻層雲がかかっていました。こんな天気の時はハロ(日暈)、幻日、幻日環などと呼ばれる気象現象が見られることがあるので、何となく期待していました。
そんな期待も空しく夕刻が近づいてしまい、午后の散歩のため荒川堤に向かいます。土手が近づくとその先の低い空に虹色に輝く物が見えます。期待を胸に土手を登ります。幻日が輝いていました。
撮影日:2024年10月31日 15:22~ 15:39 「夕刻の西空に現れた明るく輝く幻日」
下の写真には太陽とハロ(日暈)と幻日が一緒に映っています。ハロは太陽を中心に円形に現れることが多いですが、この日は円周の右側の一部だけの出現です。幻日はハロの円周上の太陽の真横の位置に現れます。ひときわ明るく輝いています。
「太陽とハロ(日暈)と幻日」
何枚か写真を撮り、反対側の東の空を観察しますが、なにも変わった様子はありません。そこから天頂に向かって視線をめぐらせると、今度はきれいな虹色のアーチが輝いていました。
初めて見る「環天頂アーク」は何か不思議な感覚をもたらします。 その感覚を写真に表現できないことを残念に思います。
「初めて見た環天頂アーク」
iPhone SE2で撮った「太陽とハロと幻日と環天頂アークが出現した空」
撮影日:2024年12月4日 「西の街に沈み行く月齢1.9の月」