住宅の本が発売になりました。
『シンプルに暮らす小さな家』（エクスナレッジ）が発売になりました。延床100㎡以下を基準に集めた、12軒の住まいが収録されています。
私は事例のリサーチと提案、取材、執筆を担当しました。ご協力くださった建築家さんと住まい手のみなさま、ありがとうございました！
なにかと苦労の多い本づくりですが、今回は他の仕事との重なりが多くほんとにキツかった……。編集の別府さんにおしりペンペンしていただきながら、やっとゴールできました。
ロングセラーの既刊本『小さな家。』（私は担当していません）の姉妹本のようなイメージですが、あれから世の中も大きく変化し、「コンパクトで高性能」がメインストリームに。延床100㎡でも、もう小さい家とは呼べなくなる勢い……。そんなことから、既刊本では割と大きめの住宅も収録されていましたが、今回はシビアにラインを定めました。
白石和弘さんの美意識あふれる写真もすてきですが、小林達也さんに描いていただいた間取りパースもとってもいい感じなのです。
今回は、「小さい」ことに加え「シンプルに暮らす」というテーマを立てました。華美な住宅よりも、自然現象の美しさや家族のあたたかさといった「体験の豊かさ」に価値を置く人が増えていると感じていたからです。訪れたどの家でも、住まい手は窓から見える緑や空、室内に差し込む光の変化に敏感で、平凡な日常の機微を慈しむ様子に心があたたまりました。
巻末では、掲載事例の設計者のひとりである小野喜規さんにコラムをご執筆いただきました。小野さんは、独立間もない頃から勝手に推していた建築家さんのひとりで、近年着実に実績を重ねてこられ、本書には2事例を収録させていただきました。キャリアが長くなると、こんな楽しみがあるんですよね。
コラムでは、特に窓辺のデザインへのこだわりを、穏やかな語り口で表現してくださっています。
住宅の取材は、幸せのお裾分けをいただける仕事。それを、今回もおおいに実感できました。貴重な機会を与えてくださった編集の別府さんに、改めて大感謝です。ありがとうございます。スタッフのみなさんもおつかれさまでした！
書店で見かけたらぜひ手にとってみてくださいね。
編集：別府美絹さん（エクスナレッジ）
写真：白石和弘
デザイン：工藤亜矢子（OKAPPA DESIGN）
間取りイラスト：小林達也
取材・執筆：松川絵里
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