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臨済宗 南禅寺派 臨江山 玉林寺 

臨江山 玉林寺 晋山式

2024.11.29 13:11

令和6年11月23日 土曜日 快晴

臨江山 玉林寺 第13世 海江宗基和尚晋山式を厳修しましたことをご報告いたします。

当日、マリンピアのプレオープン等イレギュラーなことはありましたが無事終えることができました。檀信徒様方々のおかげで本堂修繕事業や晋山式を行うことができ感謝申し上げます。

さて、当日8時半に身支度して安下所へ出発。天候にも恵まれ玉林寺より出立しました。

8時半より安下所で身支度し先祖供養を行いました。

その後、玉林寺よりお迎えの方がご挨拶を行い、親元が新命和尚を送り出すために挨拶していただきました。子供を送り出す親として気持ちを込めた挨拶でした。

挨拶が終われば出立茶禮 お茶をいただき玉林寺へ出立しました。

午前10時安下所から漁港に出て西に向かい一歩一歩玉林寺へ向かいました。当日三井アウトレットパーク{マリンピア神戸}のプレオープン初日とのこともあって、沿道には多くの来場者が信号待ちや歩かれる方々が多く始めて見る姿に驚いていました。

ようやく、お寺に到着し本堂には多くの和尚様方がご来席いただき新住職の到着を待たれていました。

「晋山」とは文字の通り、「山に晋む」ということであり、宗基和尚様がこの「臨江山」という山号のついたお寺・玉林寺へと、新住職として正式に入山することを意味します。

また、法縁厚き和尚様方を始め、檀信徒の皆々様に、晴れて新住職が就任することを披露する儀式です。

 新住職は「安下所」と呼ばれる檀信徒のお宅で身支度を整えられ、法類の和尚様方ご先導のもと、お稚児さんを引き連れ、気持ちを新たにお寺へ向かって出立されました。そして只今山門の前へと到着されました。

山門に到着し、新住職がこの山門をくぐるに当たり、このお寺の住職として、相応しいかどうかを「看門師」と呼ばれる和尚様に問いかけられ、ご自身の修行の深さを試されます。

宗基和尚様は、ご自身の修行の境涯と心意気を漢詩でお応えになられます。

~山門之偈~

玉林山頭  ぎょくりんさんとう

普照乾坤  あまねくけんこんてらす

脚下一瞥  きゃっかいちべつし

信歩入門  ほにまかせてもんにいる


新住職は山門をくぐられ、晴れて玉林寺の住職として本堂へと入堂されます。

到着後、御本尊様にお灯明とお花を捧げます。

本堂にお灯明で、お釈迦様の智慧の光。そして、お花で慈悲の恵みが示します。

お花、蠟燭がお供えされたあと、新住職としての心構えを漢詩でお唱えになられます。

御本尊さまに清らかなお香を焚き、新住職としての歩みを誓われます。

~晋山之偈~

臨江峰頂錦秋旋 りんこうほうちょうきんしゅうめぐり

挂杖直登結勝縁 しゃくじょうじきにのぼりしょうえんをむすぶ

萬仭遺風何處在 ばんじんいふういずれのところにかあらん

昻然意気誓尊前 こうねんたるいきそんぜんにちかう

ご本尊様に新住職として意気込みを漢詩にしてお唱えしました。

(祝聖諷経)しゅくしんふぎん

仏法興隆と世界の平和。人々の安泰を祈願するお勤めを致します。

(開山諷経)かいさんふぎん

玉林寺の開山さまをはじめ、歴代12人のご住職方にご挨拶の香を焚き 晋山の喜びと、寺門興隆への精進を誓うお勤めを致します。

(火徳諷経)かとくふぎん

仏法の守護神を始め、ご当山の土地、伽藍をお守り下さる諸天神へと香を焚き、寺門の安全を願うお勤めを致します。

以上、報告と誓い、願いをこめたお勤めが終わり、 これより新住職は衣を替える為、一旦退堂して、装いを新たに新住職さまが入堂します

(賀儀受三拝)がぎうけさんぱい

新住職は禅宗の初祖である、達磨大師に香を焚き、法縁厚き多くの方々から拝受致しました、お祝いに対して感謝の拝を致します。

その後、皆さまより賜りました、お祝いの品々が記帳されております、賀儀帳を拝見されます。

(総茶禮)そうざれい

禅宗のお寺では、「茶礼」といって、出立の時や、座禅や作務のなど、行事の節目として、一つの釜で沸かしたお茶を皆で頂く儀礼がございます。これは皆で心を一つにするという和合の意味によります。

(御垂訓)ごすいくん

南禅寺専門道場師家 清光軒老大師様より、新住職へお祝いのお言葉を頂戴致します。

感謝状授与

ここで、長年に渡って玉林寺を支え、本日この晋山式を執り行うにあたり、大変な御尽力頂きました、総代の皆様方に、大本山南禅寺より表彰状が贈られます。

急遽先代住職が遷化され、今日まで総代とともに護持していただきました方々へ感謝を込めて本山南禅寺より表彰を行いました。

総監謝辞

当山法類の禅昌寺閑栖様から謝辞を述べていただきました。

総代謝辞

檀家総代を代表されまして、皆様にお礼のお言葉を述べられました。長年に渡り総代としてお勤めをしていただき、本当に感謝しかありません。

最後に、御忙しい中ご来席いただきました南禅僧堂師家 清光軒老大師様、大徳寺派 宗務総長様はじめ尊宿の和尚様、ご荷担いただきました部内、修行道場の仲間、御来賓、檀信徒の皆様のおかげをもちまして、無事一会円成することができましたこと感謝申し上げます。


檀信徒の皆々様に置かれましても晋山式にご理解ご協力いただきまして、誠にありがとうございました。

先代住職が急遽遷化し早12年が経ち、ようやく晋山式を迎えることとなり慌ただしい一年でしたが当日お天気にも恵まれて良い晋山日和となりました。

 清光軒老大師様のお祝いの話の席で、快晴だったにもかかわらず急に雨が降り出し、先代住職の話が終わったとたんに雨がやみ虹が出て、私の心と先代住職の心が晴れたように感じました。

先代住職が生前にも晋山式を見届けたいと、常日頃言っていたのでこの雨と虹で本当に喜んでいる姿が目に見えたようでした。

本当にご協力いただいた方々に感謝申し上げます。

まだまだ未熟者、今後も玉林寺発展の為そして檀信徒様に寄り添える住職として日々精進いたしますのでよろしくお願い申し上げます。

                         合掌

                        令和6年11月吉日  

                           臨江山 玉林寺

                               中村 宗基