三代目❤夢小説 『NAOTO編54』
2019.01.20 23:00
フェリーが渡嘉敷港を離れてすぐに、二人は船内のイスに座り手を繋いだ。
直人のiPadが鳴った。
「SEVENの新しいサンプルが仕上がってね」
「SEVENの?」
「そうだよ。まりあも見る?」
「いいの?」
「特別にね」
二人は体を寄せて一緒にSEVENのサンプル画像を見た。
自然にまりあの手が直人の左腕に絡む。
二人共CAPを被り、直人はサングラスを、まりあは伊達眼鏡をつけているので、
周りの乗客は気にもしていない。
「あ!直人さん、これ」
まりあが声を弾ませた。
「こら、声が大きい💦」
「…ごめんなさい💦」
「びっくりしたでしょ 笑」
直人が優しく笑いかける。
「バレるといけないから、なおちゃんって呼んでいいよ」
「ホント?」
「ん、呼んでみて」
「なおちゃん…」
「なぁに?まりあ」
「これ、私が提案したキッズの…」
「そうだよ。早速デザイン起こしてサンプル作ってみたんだ。可愛いでしょ?」
「嬉しい…」
「ねぇ、いつSHOPに並ぶの?」
「来年の春だよ」
「…来年の春」
「今、なに思ったか当ててみよっか?」
「え?わかるの?」
「来年の春、SEVENの店頭に私が考えたアイテムが並ぶのを、大好きななおちゃんと一緒に見れたら…でしょ?違う?」
まりあの大きな瞳が潤んできた。
「嘘でしょ…大当たり?」
「俺、凄くない 笑」
「凄い、どうしてわかったの?」
「顔に書いてあった」
「なおちゃんのばか…」
「ほらほら!泣いてると抱きしめたくなるから泣きやんで」
「だって…」
「さすがにこれだけ大勢の乗客の前じゃ、抱きしめてあげられないでしょ?」
「なおちゃん…」
つづく