リモートワークするときに忘れがちなことが一番大切だったという話
リモートワークの導入。ぶつかった壁は物理的な距離よりも、心の距離だった…!?
こんにちは、PIVOTのPR大場です。
ブログ投稿一発目だった前回の記事では、創業20周年に向けてPR活動開始のご挨拶をさせていただきました。今回はここ3年ほどですっかりPIVOTの働き方の一つとして浸透した「リモートワーク」について書いてみようかと思います。私自身もママ社員として、とても活用している制度です。
●きっかけは二人の社員から
PIVOTがなぜリモートワークを取り入れたのか。その導入ストーリーが少々ユニークなので、ご紹介させてください。
まだ東京オフィスのみだった2015年、当時システムエンジニアとして活躍していた一人の女性社員が出産を機に長年の夢であった「福岡への移住」を決意。これがすべての始まりです。
栗林さん自身も旦那様も職場は東京。福岡出身でもなければ特別な縁もない。ただ「福岡に住んでみたい」ということが理由で移住したいというものだから驚きです。
そして、第一子の出産とタイミングを合わせ、彼女は本当に福岡へ行ってしまいました。有言実行の人だから、いつかは、ね。と思っていましたが、どこかで「まさか本当に行かないだろう」とも思っていたので、ぽっかりと穴が空いたような気持ちになったことを記憶しています。こうして栗林さんは一度PIVOTを去ってしまったのでした。
さらにそれから1年ほどたったある日、一人の男性エンジニアがご両親の介護を理由に福岡へのUターンを決意し、社長に相談を持ちかけました。
「この短期間で二人も優秀な人材が福岡へ行ってしまうなんて…」と肩を落とす社長のところに、「栗林さんが福岡で職探しを開始したらしい」との情報が舞い込みます。
「二人が築き上げてきた社内外の信頼関係を「働く場所」という理由で断ち切るなんてもったいない!」ということで、社長が出した提案が「福岡に新しくオフィス作るのはどう?」でした。
福岡で暮らす決断をした二人にとっても、我々東京のメンバーにとっても繋がりが継続できることはとても嬉しく、大いに価値のあることでした。こうして福岡オフィスの立ち上げが決定したのです。
(ただ私的には、新オフィスってこういうノリで作ってもいいのか! という驚きもかなりありました…笑)
●リモートワークへの挑戦。「繋がっている」だけではだめだった
実際のリモートワークの実現に向けては、栗林さん、上野さん自らが中心となって、その仕組みやルールを組み立ててくれました 。
福岡と東京ですが、毎朝の全社朝会はビデオ通話で繋ぎ、当番制で回ってくるお題の発表も、もちろん参加してもらい、当時使っていた社内コミュニケーション用のチャットツール(SLACK)も常にオンライン状態にすることになりました。
東京―福岡、ちゃんと繋がっているし、業務にも支障なし!そう思っていました。東京のメンバーだけは…
その頃、福岡オフィスではベトナム人の若手エンジニアとSE兼総務のパートタイム勤務スタッフも加わり、順調にサテライトオフィスとしての機能を発揮していきました。ただ、どこか底知れぬ疎外感を感じながら…
当時の心境を栗林さんはこう振り返ります。
「チャットツールでは相手が席にいるのかわからず、コミュニケーションが時間差になる…タイムラインも業務要件でいっぱいで、気軽なつぶやきなどがしにくい…日々のコミュニケーションから徐々に雑談が消えていくことで、業務は遂行できても、福岡と東京との間で心が離れていくような感覚だった」
確かにお互いの”オンタイムの状況”が分からないために、同じオフィス空間で働いていたころには普通に行っていた、「相手の状況を気遣う配慮」も極端に減ってしまっていました。
特に福岡のメンバーからすると顔の見える仲間が少なく、どうすれば東京の仲間に安心してもらえるのかというプレッシャーに加え、子育てや介護の状況もあり、疎外感を感じやすい状況だったと思います。
●どこで働くかより、誰とどう働くか
そんな状況を少しでも良くしようと、再び立ち上がったのは栗林さんでした。
疎外感の原因になっているものは何かを考えた時、物理的な距離の問題だけでなく「特殊な条件下にある少人数だけが、特別にリモートワークを許されている」という現状に気づいたそうです。だから、情報共有の手間がかかるorかけさせている、という感覚がぬぐえない。もっと、リモートでの勤務のハードルが下がり、気軽に誰もがリモートワークを利用できれば、リモート下でのコミュニケーションスキルが全社的にアップし、その距離は近づくのではないかと考えました。
リモートワークにバーチャルオフィス空間をもたらすツール(Remottyというツールなのですが、おすすめなので今度改めて記事にしようと思っています)の導入や、「信頼関係を壊すことなく、誰でも利用できる制度」の整備を進めていきました。この動きはのちに「ダイバーシティ部」として任命をうけ、会社の正式な方針として加速をしていきます。
「場所を選ばずに働ける会社を目指したい」という考えは、将来誰もが起こりうるライフスタイルの変化、生産性アップ、ビジネス・採用・パートナーシップの選択肢を広げる、という観点からも、他の社員に受け入れてもらうことができました。そうして現在は、条件をクリアすれば全メンバーのリモート(在宅)での勤務が許可されています。また、マインドセットのインプットや反則行為への勧告&ペナルティ制度も用意されています。
そして、増えるリモートワークのニーズの中で、オフィスにいるメンバーとリモートメンバーの間に起こる情報格差の削減や、スムーズなリモート会議の開催ノウハウの浸透など日々改善の取り組みを続けています。
このリモートワークの取り組みは、PIVOTが認定を受けている「東京都港区ワークライフバランス認定企業事業」においても大変高い評価と関心をいただきました。ポイントは、社員自らが発起人となって、いかに全体的な制度に発展させ、浸透させるかという点だと思います。
さらに、PIVOTのような60名規模の会社でも、こうした仕組み作りが可能だという点です。もちろんそこには、ベースとなる信頼関係があるわけですが。
PIVOTが採用を行うときに大切にしている「その人と働きたいと思うか」ということを考えたときに、働く場所を理由に採用できないのはとても勿体の無いことです。
信頼できる仲間働けるということは、PIVOTの創るプロダクトの質の向上につながっていくものだからです。
●仕事じゃないことも真面目に共有!
写真は2018年度の納会での様子。福岡&ベトナム拠点と繋ぎ、リモートビンゴ大会を行った時のものです。ぞれぞれの拠点でビール片手での生中継は大盛り上がり!
初めての試みでしたが、ご家族にも参加していただくなど、とても楽しい時間を共有できました!ビンゴの結果は福岡メンバーに東京の高級レストランディナー券が、ベトナムメンバーに家電が当たるなどネットワーク上の問題よりもリアルな景品問題が発生…(汗)
盛り上がりの裏では各自リモートツールを駆使しての景品交換会も開催されていたようです(笑)
今後、もっともっと場所に縛られることなく、多くの人と繋がり、一緒に働けることを楽しみにしています!