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2024年版ブックサンタ応援☆おすすめ本紹介②

2024.12.07 22:00

 みなさん、お久しぶりです。

 ようやく暦らしい気候になったというところでしょうか。


 昨日に続き、私、はねずあかねが人手を借りつつ勝手に「ブックサンタ」を応援する企画です。


 ブックサンタというのは、連携している書店を通じて購入した本を子供たちに寄付できるというものです。ブックサンタへの寄付はリアル書店だけでなく、オンライン、クラウドファンディングといった方法をとることも可能です。


 今年も、ポラン堂古書店サポーターズでは、不足しがちな傾向があるという小学生向けに焦点を当てつつ、いやどうしても絵本がいい!という方のために絵本枠を1つご用意しております。


 ブックサンタに参加することは「誰かに本を贈ってみたい」そういった気持ちを叶えられる行動でもあるかと思います。

 もちろん支援の必要な子どもたちという前提はあるので、ある程度は内容や対象年齢を選ぶ必要があります。ただ、それでも、自分の選んだ本で誰かの明日が作られるかもというのは、贈る気持ちにもらえる対価としては大きすぎるほどだと思います。贈った言葉や本はきっと、その誰かの身になるはず、信じたいですね。


 それでは本日は、あひるさんと桜澤美雅さんでお送りいたします。


 ※ブックサンタへの参加は連携書店、オンライン書店、クラウドファンディングで可能です。ポラン堂古書店から参加することはできません。参加方法は公式HP等をご確認ください。ただ、どんな本にするか迷ってしまう、試しに読んでみたいということであれば、ポラン堂古書店でもきっとお力になれると思います。そんなときはポラン堂古書店へもぜひご相談ください。



 おーなり由子『ワニのガルド』 ~あひる~

 本屋さんに行くと、誰かにプレゼントしたい欲求が湧きます。普段、日常生活で抱くことはないはずなんだけど、どこに隠れていたのか、遠慮がちに柱の陰からちらちらと。


 私が本を嬉しいものと思っている所為なのか、服屋にいくと、雑貨屋にいくと、無印良品にいくとあたいもそうなります、みたいな方もいらっしゃるのでしょうか。


 そんな私なので、旅先で『ワニのガルド』と目が合ったときはそれはもう大変でした。

 プレゼントしたい欲の暴発に次ぐ暴発……というと、ぶっそうですよね。

 ノートのような装丁、緩いイラスト、色使い、

 引用文の帯「ガルドってね、さびしい人だけに見えるワニなんだよ」。

 その場で誰かぁ~と声をあげて、プレゼントしてしまいそうだった。危なかった。

 

 冗談はさておき、内容も素晴らしいです、期待のまま。

 可愛げと緩さと程良いうさん臭さのある、「おっさんのようなワニ」のガルドが、クラスでまだ友達ができず学校に行くのが憂鬱な主人公ヒナちゃんの前に現れます。このガルドと良い感じに仲良くなる話、ってわけにはいかないんですよね。この本はそれがわかっている。


 ヒナちゃんはある日、自分にしか見えないはずのガルドと教室の外れでゆるーく語らっていると、教室のアイドル的存在の女の子の視線に気がつきます。気のせいだろうか。だって彼女はいつでも友達に囲まれているのに……と。まぁね、展開、わかりますよね。


 おっさんで大人なガルドの言葉には、ちょっと意地を張るのをやめたくなるような、素直に頷きたくなるような優しさがあります。子どもの頃に読んでいても同じように思えたかは知りようがないですが。

 これもプレゼントしたい欲の一端なのだと思います。あの頃の自分に、手渡してみたい、そんな気持ちと言いますか。


「生まれてきたからには、ともだちをつくりなよ。
だれかをまるごとすきになるんだ。それが、たったひとりでもいい」



 せなけいこ『にんじん』(「いやだいやだの絵本」シリーズ) ~桜澤美雅さん~

 この秋、絵本作家のせなけいこ先生のご訃報に接しました。


 せなけいこ先生の作風であるちぎり絵は、紙の質感と風合いが見事に生かされた絵です。色とりどりのちぎり絵による温かみと可愛らしさ――。そして、ユーモアと気品を兼ね備えた文章。先生の絵本はデビュー作の発売から55年以上もの長い間、世代を超えて親しまれ続けています。


 デビュー作は全4冊から成る「いやだいやだの絵本」シリーズ。その中の一冊に、『にんじん』という作品があります。我が子が特に大好きな絵本です。


 今年3歳になったうちの子は、にんじんが大好きです。お味噌汁のにんじんも、煮物のにんじんも、カレーやクリームシチューのにんじんも、ぱくぱく食べます。大概はスプーンやお箸を使いますが、時には指でにんじんをつまんで食べることも。お行儀が悪いですが、にんじんが好きなら仕方ありません(ただし、それはおうちの中だけにしておいてほしいですが。どうか保育園ではやっていませんように、と親は願うばかりです)。


 我が子がにんじんを好きになったのは、初めからではありませんでした。初期の離乳食でにんじんを茹でてすり潰したものを食べさせても、あんまり食べなかった記憶があります。おそらくそれは私の調理がへたっぴだった――とは恥ずかしいので思いたくないのですが、食べつけなかったことだけはたしかです。ただ、うちの子は食欲旺盛でしたので、離乳食が進むにつれ、少しずつにんじんも食べてくれるようになりました。けれども自らすすんで食べているわけではありません。そこで、ポラン堂で購入したせなけいこ先生の『にんじん』を子どもに読み聞かせをしました。我が子はこの絵本が気に入り、何回も読むようにせがんできました。


 何度目かの読み聞かせのとき、最後のページの

「にんじん すきな うさぎさん みたいな げんきなこ だあれ」

と読んだ後、私は試しに、

「〇〇ちゃん(子どもの愛称)でぇす!」

と付け足してみました。すると、きゃっきゃと笑って喜ぶではありませんか。それ以来、『にんじん』を読んだときは、最後に「〇〇ちゃんでぇす!」というママ自作のオチ(?)を付け加えるのがしばらくの間お決まりになっていました。これができる『にんじん』という絵本はなんと楽しいのでしょう。きっと私と同じことをしているママやパパは多いはず。


 いつからかは定かではありませんが、食事ににんじんが出た時には、ごきげんで食べてくれるようになりました。言葉が喋られるようになってからは、「にんじん♪ にんじん♪」と歌うように呟きながら食べてくれたことも。今では

「にんじん すきな うさぎさん みたいな げんきなこ だあれ」

の後は

「はぁい!」

とお返事してくれるようになりました。


 今回ご紹介した『にんじん』のほかにも、我が家の絵本棚には、『ねないこだれだ』や『もじゃもじゃ』など、せなけいこ先生の絵本が並んでいます。母になって3年、私の子育てはせなけいこ先生の絵本と共にあり、そして支えていただきました。これからも親子で楽しみ、大切に読んでいきたいと思います。ありがとうございました。


 せなけいこ先生のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。



 ふたたび、あひるです。

 ありがとう、美雅ちゃん。友人の可愛い過ぎる娘さんの新エピソードが味わえてお得な気持ち。というのは主旨とは異なってしまいますのでさておき、

 「ブックサンタ」の募集期間は12/25迄とのこと。急いで、というわけではないですが、ぼちぼち、「今日はブックサンタの日にしよう」と決めて本屋に行く日をつくらなくてはと思う次第です。


 今のところ、12/3時点で5万冊を突破したと公式Xにありました。

 もちろん寄付なので、動かされる気持ちがなければ、無理に動くことはありません。ただちょっと、おっ、と思うところがあれば動いてみて、損なんてしません。

 ですので、ただこのブログで言えるのは、よろしければぜひとも、です。


 個人的に、久しぶりに本の紹介ができて楽しかったです。

 それではまた。