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Udi Aloni 監督

2016.02.16 09:32

イスラエルの監督がパレスチナの様子を描いた映画を作った。それを聞いて鑑賞予約が殺到したベルリン国際映画祭。Udi Aloni監督の最新映画『Junction 48』はヒップホップの若者2人の視点から今現地で起こっている不平等な事実に目を向ける。

「僕にとってラップが全てだ。歌で自分を表現できる」という主役のTamer Nafarさんはパレスチナの有名なラッパー。「CNNやFOX以外の僕たちの生の声を聞いてほしい」という彼が今回の映画のサウンドトラックを引き受けた。サウンド•ミックスは『8 Miles』などを手がけたチームなのですごくノリがいい。「イスラエルの政情はまだまだ。でも少しは良くなっている」と答えてくれた。

アロニ監督は「パレスチナ人だけがイスラエルにより差別を受けているのではない。『イスラム』と指定された区域に住みパレスチナ人と生活を共有している一部のユダヤ人らも差別の対象になっている」と話した。「ただこの地域では生活を分け合っている。この映画でそれを見てほしい。自分たちの政府と同じ視点で敵を悪く描くのはとても簡単だ。そんなシンプルな映画にしたくなかったのだ」とも語った。

主演女優のSamar Quptyさんは実物もかなり美人。歌の吹き替えが嫌でボイストレーニングを自ら受けて自分が歌った。赤のドレスは彼女がデザインしたのだと衣装担当の女性がこっそり教えてくれたのでそれについて尋ねると「私が一人でやったんじゃないんだけど」と嬉しそうに答えてくれた。笑顔が素敵で一目で女優だとわかる方だ。

「僕たちはこの映画を皆で一緒に作ったんだ」「もうそろそろ一緒になるべきなんだよ」と上映後にマイクを握るアロニ監督に多くの監督たちが駆け寄り握手を求めた。エンドロールが流れる間中ずっと拍手が続くという異例な大成功を収めた世界プレミア上映だった。

PS:

この原稿を書いた後にこの映画がパノラマ観客賞(フィクション部門)を受賞しました。さすがです。良い映画の後は必ず投票カードを探す人が続出します。素晴らしい映画なので絶対に見逃さないでください。

ゲスト•観客総立ちのプレミア上映会場