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和暦で大掃除:ナチュラルクリーニングのすすめ

2020.01.11 22:33


今は和暦の師走。

師走は、一年の最後の月です。


■正月行事は煤払いから・・・もともとの大掃除

正月は本来は「年神様」とよばれる家の守り神を迎えておまつりする期間である。
年神様は、その家の先祖の神で、稲を育ててくれる農耕神だとされた。
「年」とは、稲穂が稔ることをあらわす「稔(ねん)」から転じた言葉である。
江戸時代までは、年神様をまつる正月行事は十二月十三日の煤払い(すすはらい)からはじまると考えられていた。
煤払いの日には、どの家でも大掃除が行われた。
これは、家を清めて神様を迎えるためのものである。
 ー『知っておきたい日本のしきたり』(著:武光誠 / 角川ソフィア文庫)より


一年の最後の月におこなわれる「煤払い」は、今でいう大掃除のもとになっている行事です。

もともとの大掃除は、まさに今のような、寒さが最も厳しい晩冬の頃に行われてきました。


そしてこの時期は、冬の土用の頃。

土用の「土」は五行説による「場」や「中央」にあたります。

大掃除は、暮らしの場を清めることから始まっていきます。


そんなこんなで、今は古い時代から伝わる「年の瀬のお清め期間」。

どうせやるなら、環境にもよく体にもいいクリーニングをしたいですよね。

そこで今回は、自然素材を使った掃除のアイデアをご紹介したいと思います。


■まずは重曹とクエン酸のこと

玄関、キッチン、お風呂、洗面所、トイレ、リビング。

これらの場所を水拭きするときに便利なのが重曹とクエン酸。

三宅商店で扱っている重曹とクエン酸は、高品質の食品グレード。

食べることもできる(料理に使える)ものなので、体にも安心です。

では、実際どのように使ったら良いのか、まずは両者の性質をみてみましょう。


【 重曹 】
・弱アルカリの性質。
・油汚れや手垢など、酸性のよごれを落とします。
・粒子が細かく溶けにくいので、研磨作用があります。(クレンザーとして使える)
・消臭作用があります。(カーテンなどに重曹水をかけるなど)
※アルミには使えません。(黒く変色します)


【クエン酸】
・酸性の性質。
・水の中のカルシウムが固まった水あか、石鹸あかなど、アルカリ性のよごれを落とします。
・除菌効果があります。
※鉄、大理石に使えません。(錆の原因になったり、溶かしたりします。)


酸性の汚れには重曹、アルカリ性の汚れにはクエン酸、と使い分けることができます。


重曹とクエン酸を混ぜると起こる発泡作用は、パイプの掃除などに使う事ができます。

※重曹とクエン酸を使って炭酸水も作れます。


ちなみに家庭の汚れは、手あかなどといった油脂系の(酸性の)汚れが多いので、重曹が効果的なことが多いです。


そして、アルカリ性の水あかやアンモニア臭にはクエン酸。


トイレ掃除、キッチン、お風呂、鏡の水あかや石鹸カスの掃除には、クエン酸が非常に効果的です。



では続いて、家の中の場所ごとの具体的なお掃除方法を見てみましょう。


■キッチンシンク

重曹の粉をクレンザーのようにして磨き、洗い流す。

残った水あかにクエン酸水をスプレーしてから、雑巾で水気を拭き取る。

重曹で油汚れや手垢を落としてから、クエン酸で水あかを落とします。


■蛇口

蛇口全体にクエン酸水をスプレーした後、クエン酸水を染み込ませたクロスなどで包む。

5分ほどおいてから水拭きして、水気を拭き取ると水アカが取れます。

僕は古くなった薄手の麻布(これは元褌)を巻きます。

水あかをさらにしっかり落としたいときは、布を麻ひもで巻き付けたりします。



・パイプクリーニング

クエン酸大さじ1杯で2リットルのお湯をわかす。

重曹(1/2カップ)を排水口全体に振りかけて、クエン酸を溶かしたお湯を注ぐ。

発泡が落ちついたら、水を流してすすぐ。

泡がこびりついた汚れを浮かせてくれます。



・コンロまわり、換気扇フード

重曹水をスプレーして水拭きする。

油が浮いてきますので、あとで雑巾で拭き取ります。


・グリル

受け皿や焼き網を重曹水にひたす。あとで洗い流す。

それでもこびりついている場合は、重曹をクレンザーのように雑巾になじませてこすります。



・食器棚

重曹水をふくませたクロスで拭き取る。

食器は乾いてからもどします。



◎重曹水のつくりかた
40度くらいのお湯1カップに、重曹小さじ1杯をまぜて溶かす。
その日のうちに使いきるようにします。(重曹は水に溶けにくく固まりやすい)


◎クエン酸水のつくりかた
水1カップにつき、クエン酸小さじ1/2をまぜる。
2〜3週間で使い切るようにします。
※クエン酸水は除菌効果があるので、うがいや手洗いにも使えます◎

僕は洗面台とキッチンにクエン酸水を作って置いています。

クエン酸水のスプレーはトイレに置いておくと便利。

コンポストトイレなど、水洗でないトイレにもばっちり。



■お風呂、洗面所

・浴槽、壁、床

重曹をクレンザーのようにしてアクリルたわしやクロスで磨く。



・鏡

クエン酸水スプレーをしてアクリルたわしで磨き、クロスで拭き取る。

(クエン酸を染み込ませた薄布などで鏡面をパックすると、さらにきれいに)



・洗面台

重曹をクレンザーのようにしてアクリルたわしなどで磨く。

蛇口全体にクエン酸水をスプレーして、拭きあげる。



■トイレ

・壁、床

クエン酸水をなじませたクロスで拭く。



・便座、蓋

重曹水をなじませたクロスで拭く。

尿石落としや消臭のために、クエン酸水をスプレーして少しおき、洗い流す。



・洗い場

蛇口をふくむ全体にクエン酸水をスプレーして、クロスで拭きあげる。



■その他

・カーテン

重曹水をスプレーする。


・窓

重曹水をスプレーして拭きあげる。

(手あか、ほこり、かび、排気ガス、油汚れなどをおとします)


・壁、フローリング

重曹水を染み込ませたクロスで拭きあげる。




■暮らしの場=生態系と、作り手とつながるお掃除

水や空気がどこからやってきて、どこに流れていくのか。

掃除に使う道具はどこからやってくるのか。

お掃除は、生態系という「場」そのものを見つめ直す機会でもあります。

作り手の顔が見える道具で大掃除しましょう。

ここからは、そんな素敵なつながりが見えて来るクリーニンググッズを紹介します。


■えがおの力

自然由来の多目的な洗剤『えがおの力』は安心・安全で、シンプルな暮らしの応援団。

食器・食材洗い、お洗濯、お掃除、洗車に、ペットのシャンプーまで希釈することで様々なものに。柔軟剤なしで、タオルもふんわり。除菌効果もあります。

■ドクトルバイオ

微生物、酵素、ミネラル、米糠、小麦フスマ、純石けんを配合したバイオ洗剤。微生物が汚れやニオイを分解。家庭、工場、非常用にも。


■ホタテの貝殻の粉

ホタテの貝殻を粉末にしたもので、多様な使い道のある便利な粉です。

★食材の洗浄・農薬やワックスの除去に(野菜・米・魚・肉など)

★ 台所用品の洗浄に(まな板・包丁・ガスコンロ・グリル・布巾など)

★赤ちゃんのいるご家庭に(哺乳瓶・おしりふき)

★掃除に

★洗濯に

★ペットに

★消臭に

☆使用後の水溶液は下水道に流すとバクテリアや雑菌の繁殖を抑え、排水溝のぬめりを防ぎます。

「漁業廃棄物がめぐりめぐって、きれいな自然がよみがえる一つのツールになると考えておりますので、もっともっとみなさまに広がりますように」(生産者)



■ご腸内の清掃も

陰陽五行において中央にあたる「土」は、体でいうと「肚」。

肚=腸内に住む、数百兆の腸内細菌たちの住環境の浄化は、この季節の養生の要です。

「玄米甘酒だけを摂るプチ断食で腸内環境を整えること」をお勧めします。

豆乳にcosmic hemp(麻炭)を混ぜて作れる麻炭ヨーグルトも腸内浄化力アップに貢献してくれます。


腸内と町内を、微生物たちと、お清めしましょう。



■マグちゃん:洗濯するたびに排水口をクリーニング

衣服の洗濯をするたびに洗濯機と排水口をクリーニング。。

マグちゃんをお歳暮としてギフトすることで、実家や友達の家もクリーニングすることをお勧めします。

マグネシウムと水が混ざり合うと、水道水がアルカリイオン水に変化します。

アルカリイオン水が、衣類に付着した油脂分を分解し、汚れを落とします。

そして使い続けていくうちに、洗濯槽や排水ホースまで丸ごときれいにしてくれます。

公式HPでは「子どもが袖口をしゃぶっても安心」「皮膚トラブルが改善された」など喜びの声が寄せられているそうです。

僕は、肌着とマグちゃんを一晩つけ込んで、水か風呂の残り湯ですすいで、もう1回クエン酸を入れた湯水ですすいで干しています。

皮脂汚れの分解率は、一般的な洗剤と同様。

臭い成分の分解率は洗剤の10倍。

そして、この水が流れる場所すべてをキレイにしていきます。

洗濯槽や、排水ホースのカビや汚れ、排水口の向こうの、川や海までキレイにします。



↓参考記事:店主マグについて語る


■水源地を自分たちで守っていく:あらえびすの伏流水

私たちの生活を支えている水の現状は今、大きく変化しています。

今まで以上に、水がどこから来て、どこに行くのか、について考えながら暮らすことが大事になってきます。

そんな中、水と私たちのつながりについて具体的に見直す実践の提案が「生活者自らが自然環境を守っていくために、あらえびすの活動をサポートする」取り組みです。

あらえびすは、全国で 28か所(鈴鹿、福島、香川など)の水源を預かり、その伏流水を自然に負荷のかからない”手汲み”で届け、日本の水源を守る活動をしています。

あらえびすの手汲みの水を届けてもらい、日本の水源地を市民で守っていきましょう。

自宅や会社のミネラルをーターを『あらえびすの手汲みの伏流水』に変えることで、本物の生きた伏流水を体験することに加え、日本の水源地を守る活動に参加することができます。

今は季節の変わり目であり、時代の変わり目。

新しい時を迎える大掃除キャンペーンは続きます。


☆今回の記事を書くにあたり、三宅商店magazine『めぐるめぐるよ季節はめぐる』と『ナチュラル洗剤そうじ術』(著:本橋ひろえ / ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考にさせていただきました。

どうもありがとうございます。



ではみなさま、よいお年を!


text by 冨田貴史