和暦で大掃除:ナチュラルクリーニングのすすめ
今は和暦の師走。
師走は、一年の最後の月です。
■正月行事は煤払いから・・・もともとの大掃除
正月は本来は「年神様」とよばれる家の守り神を迎えておまつりする期間である。
年神様は、その家の先祖の神で、稲を育ててくれる農耕神だとされた。
「年」とは、稲穂が稔ることをあらわす「稔(ねん)」から転じた言葉である。
江戸時代までは、年神様をまつる正月行事は十二月十三日の煤払い(すすはらい)からはじまると考えられていた。
煤払いの日には、どの家でも大掃除が行われた。
これは、家を清めて神様を迎えるためのものである。
ー『知っておきたい日本のしきたり』(著:武光誠 / 角川ソフィア文庫)より
一年の最後の月におこなわれる「煤払い」は、今でいう大掃除のもとになっている行事です。
もともとの大掃除は、まさに今のような、寒さが最も厳しい晩冬の頃に行われてきました。
そしてこの時期は、冬の土用の頃。
土用の「土」は五行説による「場」や「中央」にあたります。
大掃除は、暮らしの場を清めることから始まっていきます。
そんなこんなで、今は古い時代から伝わる「年の瀬のお清め期間」。
どうせやるなら、環境にもよく体にもいいクリーニングをしたいですよね。
そこで今回は、自然素材を使った掃除のアイデアをご紹介したいと思います。
■まずは重曹とクエン酸のこと
玄関、キッチン、お風呂、洗面所、トイレ、リビング。
これらの場所を水拭きするときに便利なのが重曹とクエン酸。
三宅商店で扱っている重曹とクエン酸は、高品質の食品グレード。
食べることもできる(料理に使える)ものなので、体にも安心です。
では、実際どのように使ったら良いのか、まずは両者の性質をみてみましょう。
【 重曹 】
・弱アルカリの性質。
・油汚れや手垢など、酸性のよごれを落とします。
・粒子が細かく溶けにくいので、研磨作用があります。(クレンザーとして使える)
・消臭作用があります。(カーテンなどに重曹水をかけるなど)
※アルミには使えません。(黒く変色します)
【クエン酸】
・酸性の性質。
・水の中のカルシウムが固まった水あか、石鹸あかなど、アルカリ性のよごれを落とします。
・除菌効果があります。
※鉄、大理石に使えません。(錆の原因になったり、溶かしたりします。)
酸性の汚れには重曹、アルカリ性の汚れにはクエン酸、と使い分けることができます。
重曹とクエン酸を混ぜると起こる発泡作用は、パイプの掃除などに使う事ができます。
※重曹とクエン酸を使って炭酸水も作れます。
ちなみに家庭の汚れは、手あかなどといった油脂系の(酸性の)汚れが多いので、重曹が効果的なことが多いです。
そして、アルカリ性の水あかやアンモニア臭にはクエン酸。
トイレ掃除、キッチン、お風呂、鏡の水あかや石鹸カスの掃除には、クエン酸が非常に効果的です。
では続いて、家の中の場所ごとの具体的なお掃除方法を見てみましょう。
■キッチンシンク
重曹の粉をクレンザーのようにして磨き、洗い流す。
残った水あかにクエン酸水をスプレーしてから、雑巾で水気を拭き取る。
重曹で油汚れや手垢を落としてから、クエン酸で水あかを落とします。
■蛇口
蛇口全体にクエン酸水をスプレーした後、クエン酸水を染み込ませたクロスなどで包む。
5分ほどおいてから水拭きして、水気を拭き取ると水アカが取れます。
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僕は古くなった薄手の麻布(これは元褌)を巻きます。
水あかをさらにしっかり落としたいときは、布を麻ひもで巻き付けたりします。
・パイプクリーニング
クエン酸大さじ1杯で2リットルのお湯をわかす。
重曹(1/2カップ)を排水口全体に振りかけて、クエン酸を溶かしたお湯を注ぐ。
発泡が落ちついたら、水を流してすすぐ。
泡がこびりついた汚れを浮かせてくれます。
・コンロまわり、換気扇フード
重曹水をスプレーして水拭きする。
油が浮いてきますので、あとで雑巾で拭き取ります。
・グリル
受け皿や焼き網を重曹水にひたす。あとで洗い流す。
それでもこびりついている場合は、重曹をクレンザーのように雑巾になじませてこすります。
・食器棚
重曹水をふくませたクロスで拭き取る。
食器は乾いてからもどします。
◎重曹水のつくりかた
40度くらいのお湯1カップに、重曹小さじ1杯をまぜて溶かす。
その日のうちに使いきるようにします。(重曹は水に溶けにくく固まりやすい)
◎クエン酸水のつくりかた
水1カップにつき、クエン酸小さじ1/2をまぜる。
2〜3週間で使い切るようにします。
※クエン酸水は除菌効果があるので、うがいや手洗いにも使えます◎
僕は洗面台とキッチンにクエン酸水を作って置いています。
クエン酸水のスプレーはトイレに置いておくと便利。
コンポストトイレなど、水洗でないトイレにもばっちり。
■お風呂、洗面所
・浴槽、壁、床
重曹をクレンザーのようにしてアクリルたわしやクロスで磨く。
・鏡
クエン酸水スプレーをしてアクリルたわしで磨き、クロスで拭き取る。
(クエン酸を染み込ませた薄布などで鏡面をパックすると、さらにきれいに)
・洗面台
重曹をクレンザーのようにしてアクリルたわしなどで磨く。
蛇口全体にクエン酸水をスプレーして、拭きあげる。
■トイレ
・壁、床
クエン酸水をなじませたクロスで拭く。
・便座、蓋
重曹水をなじませたクロスで拭く。
尿石落としや消臭のために、クエン酸水をスプレーして少しおき、洗い流す。
・洗い場
蛇口をふくむ全体にクエン酸水をスプレーして、クロスで拭きあげる。
■その他
・カーテン
重曹水をスプレーする。
・窓
重曹水をスプレーして拭きあげる。
(手あか、ほこり、かび、排気ガス、油汚れなどをおとします)
・壁、フローリング
重曹水を染み込ませたクロスで拭きあげる。
■暮らしの場=生態系と、作り手とつながるお掃除
水や空気がどこからやってきて、どこに流れていくのか。
掃除に使う道具はどこからやってくるのか。
お掃除は、生態系という「場」そのものを見つめ直す機会でもあります。
作り手の顔が見える道具で大掃除しましょう。
ここからは、そんな素敵なつながりが見えて来るクリーニンググッズを紹介します。
■えがおの力
自然由来の多目的な洗剤『えがおの力』は安心・安全で、シンプルな暮らしの応援団。
食器・食材洗い、お洗濯、お掃除、洗車に、ペットのシャンプーまで希釈することで様々なものに。柔軟剤なしで、タオルもふんわり。除菌効果もあります。
■ドクトルバイオ
微生物、酵素、ミネラル、米糠、小麦フスマ、純石けんを配合したバイオ洗剤。微生物が汚れやニオイを分解。家庭、工場、非常用にも。
■ホタテの貝殻の粉
ホタテの貝殻を粉末にしたもので、多様な使い道のある便利な粉です。
★食材の洗浄・農薬やワックスの除去に(野菜・米・魚・肉など)
★ 台所用品の洗浄に(まな板・包丁・ガスコンロ・グリル・布巾など)
★赤ちゃんのいるご家庭に(哺乳瓶・おしりふき)
★掃除に
★洗濯に
★ペットに
★消臭に
☆使用後の水溶液は下水道に流すとバクテリアや雑菌の繁殖を抑え、排水溝のぬめりを防ぎます。
「漁業廃棄物がめぐりめぐって、きれいな自然がよみがえる一つのツールになると考えておりますので、もっともっとみなさまに広がりますように」(生産者)
■ご腸内の清掃も
陰陽五行において中央にあたる「土」は、体でいうと「肚」。
肚=腸内に住む、数百兆の腸内細菌たちの住環境の浄化は、この季節の養生の要です。
「玄米甘酒だけを摂るプチ断食で腸内環境を整えること」をお勧めします。
豆乳にcosmic hemp(麻炭)を混ぜて作れる麻炭ヨーグルトも腸内浄化力アップに貢献してくれます。
腸内と町内を、微生物たちと、お清めしましょう。
■マグちゃん:洗濯するたびに排水口をクリーニング
衣服の洗濯をするたびに洗濯機と排水口をクリーニング。。
マグちゃんをお歳暮としてギフトすることで、実家や友達の家もクリーニングすることをお勧めします。
マグネシウムと水が混ざり合うと、水道水がアルカリイオン水に変化します。
アルカリイオン水が、衣類に付着した油脂分を分解し、汚れを落とします。
そして使い続けていくうちに、洗濯槽や排水ホースまで丸ごときれいにしてくれます。
公式HPでは「子どもが袖口をしゃぶっても安心」「皮膚トラブルが改善された」など喜びの声が寄せられているそうです。
僕は、肌着とマグちゃんを一晩つけ込んで、水か風呂の残り湯ですすいで、もう1回クエン酸を入れた湯水ですすいで干しています。
皮脂汚れの分解率は、一般的な洗剤と同様。
臭い成分の分解率は洗剤の10倍。
そして、この水が流れる場所すべてをキレイにしていきます。
洗濯槽や、排水ホースのカビや汚れ、排水口の向こうの、川や海までキレイにします。
↓参考記事:店主マグについて語る
■水源地を自分たちで守っていく:あらえびすの伏流水
私たちの生活を支えている水の現状は今、大きく変化しています。
今まで以上に、水がどこから来て、どこに行くのか、について考えながら暮らすことが大事になってきます。
そんな中、水と私たちのつながりについて具体的に見直す実践の提案が「生活者自らが自然環境を守っていくために、あらえびすの活動をサポートする」取り組みです。
あらえびすは、全国で 28か所(鈴鹿、福島、香川など)の水源を預かり、その伏流水を自然に負荷のかからない”手汲み”で届け、日本の水源を守る活動をしています。
あらえびすの手汲みの水を届けてもらい、日本の水源地を市民で守っていきましょう。
自宅や会社のミネラルをーターを『あらえびすの手汲みの伏流水』に変えることで、本物の生きた伏流水を体験することに加え、日本の水源地を守る活動に参加することができます。
今は季節の変わり目であり、時代の変わり目。
新しい時を迎える大掃除キャンペーンは続きます。
☆今回の記事を書くにあたり、三宅商店magazine『めぐるめぐるよ季節はめぐる』と『ナチュラル洗剤そうじ術』(著:本橋ひろえ / ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考にさせていただきました。
どうもありがとうございます。
ではみなさま、よいお年を!
text by 冨田貴史