【マインドフルネスとは?】
マインドフルネスとは
「今この瞬間の体験に意図的に注意を向け、評価せずに気づいている状態」
のことを指します。
この定義は、マインドフルネス研究の第一人者である
によって提唱されたものです。
私たちの心は、気づかないうちに
- 過去の出来事を思い返したり
- 未来の不安を考え続けたり
- 同じ悩みを繰り返し考えてしまったり
することがあります。
こうした状態では、「今この瞬間」に起きている体験から意識が離れ、
思考の中にとらわれやすくなります。
マインドフルネスは、呼吸や身体感覚などに意識を向けながら、
今の自分の思考・感情・身体感覚にそのまま気づく練習です。
思考を無理に止めるのではなく、
「今こんな考えが浮かんでいる」と気づくことで、思考に巻き込まれすぎない状態を育てていきます。
ストレスとうまく付き合うために ― マインドフルネスという方法
「最近ストレスを感じていることは、いくつありますか?」
仕事、人間関係、将来の不安など、私たちの日常にはさまざまなストレスがあります。
しかし実は、ストレスそのものがすべて悪いわけではありません。
まずは、ストレスの仕組みについて少し知ってみましょう。
ストレスは体を守るための自然な反応
私たちの脳は、ストレッサー(ストレスの原因となる刺激)を感じると、それに適応しようとして「ストレス反応」を起こします。
例えば
- 寒さを感じると体が緊張する
- 大事な仕事の場面で心拍数が上がる
- 呼吸が浅くなる
こうした反応は、危険に素早く対応するために備わっている身体の自然な防御システムです。
ストレス研究の先駆者である
は、ストレスを 「人生のスパイス」 と表現しました。
料理にスパイスがあることで味が引き立つように、適度なストレスは
- 集中力を高める
- 成長のきっかけになる
- 行動するエネルギーになる
といったポジティブな働きも持っています。
ストレスの感じ方は人によって違う
心理学者
は、ストレスの感じ方を説明する 認知的評価モデル を提唱しました。
この理論では、ストレスは出来事そのものではなく、
「その出来事をどう受け止めるか」 によって変わるとされています。
私たちは無意識のうちに次の2つの評価を行っています。
一次的認知評価
その出来事を
- 脅威
- 問題
- 挑戦
のどのように捉えるかを判断します。
二次的認知評価
その状況に対して
- 自分は対処できるか
- 方法や助けはあるか
を評価します。
この評価によって、どのように行動するか(コーピング)が決まります。
つまり、同じ出来事でも
人によってストレスの大きさが違うのは自然なことなのです。
「考えすぎ」がストレスを強くすることも
私たちは誰でも悩みや考えが頭に浮かびます。
しかし、同じ考えを何度も繰り返してしまう
反芻(はんすう)思考 が続くと、
- 不安
- 気分の落ち込み
- ストレスの増加
につながることが研究でも分かっています。
マインドフルネスがストレスに役立つ理由
マインドフルネスでは
- 呼吸・身体への意図的な注意
- 静止したゆったりとした身体の動き
などを通して、今の自分の状態に気づきを向けます。
もし考えがぐるぐるしていることに気づいたら、
- 今どんな思考が浮かんでいるか
- 体にはどんな感覚があるか
- 心にはどんな感情があるか
浮かんでいるそのままにやさしく観察していきます。
そうすることで、
思考の中に巻き込まれるのではなく、
「今この瞬間」に注意が戻ることを自然と意識するようになります。
マインドフルネスの研究
マインドフルネスの継続的な実践は、
- 注意力・集中力の向上
- 不安の軽減
- ストレスの低減
- 幸福感の向上
などの可能性が研究で示されています。
現在も世界中で、その効果についての研究が続けられています。
参考文献
Jon Kabat-Zinn (1990). Full Catastrophe Living.
Khoury et al. (2015). Mindfulness-based therapy: A comprehensive meta-analysis.
Goldberg et al. (2022). Mindfulness-based interventions for psychiatric disorders.
Creswell JD (2017). Mindfulness Interventions.