三代目❤夢小説 『NAOTO編57』
「あ〜…うまい!」
まりあはクスッと笑った。
「そんなに?」
「笑ったな?まりあ、おかわりお願いね」
空いたグラスに泡盛を注ぎ入れ、ミネラルウォーターで割る。
「ビーチで満月を見ながら飲んだ泡盛…格別だね、あれは」
「喜んでもらえて良かった」
「まりあが作ってくれるからだろね。今も格別に美味いよ」
「褒めてもなんも出ない」
「キスのお返しくらいはできるでしょ?」
直人が少し前に顔を突き出した。
「ん、いつでもいいよ!」
「うそ…なおちゃん、もう酔っ払ってるの?」
「ん?酔ってなんかないよ」
「料理が来る前に、早く!」
まりあは身を乗り出しテーブルの上に両手をついて、直人が突き出した唇に軽くキスをした。
「お待たせしました!」
個室の外から声がかかり、慌てて離れた。
「失礼します」
料理が運ばれてきた。
「お客さん、暑かったらエアコンつけましょーか?」
二人の上気した顔を見て、店員が気を利かせて言った。
「あ、どーぞお構いなく💦」
「一気飲みしたから赤くなってるんっすよ」
「そうですか?リモコン置いてますから、いつでもつけて下さいね」
店員が出ていった。
「なおちゃん、本当に顔が赤い」
「そういうまりあだって」
「可愛い」
「茶化さないの。美味そうだね!いただきまーす!」
「いただきます」
酒も進み、会話も弾んだ。
「少し酔ってゆるゆるになるなおちゃん…ずっと前から大好きよ」
「ゆるゆる?オネェぽいってこと?」
「ふふ、そうよ♫可愛い」
「まりあの方が数倍可愛いよ♫」
直人がまりあの頬に触れた。
「なぜ、今まで出逢わなかったの?」
「…なおちゃん」
「ずっと焦らしてたの?まりあ」
「なおちゃんと出逢わないように?」
「焦らしてたんだろ?白状しなさい」
「絶対酔ってる…」
「そうやって焦らしながら、俺は他の女の子と出逢わないように魔法をかけた」
「私が⁉️」
「違う?」
「そんな魔法が使えたら、もっと早くになおちゃんと出逢えるようにしてたょ」
「一回だけなんだよ、魔法が使えるのは」
「そのルール、いま決めたばっかでしょ?」
まりあの白い艶々した肌がピンクに染まっている。
「そーだよ!どうする?一回きりの魔法は俺との出逢いでいいの?」
「じゃあ、なおちゃんの奥さんにする」
「奥さん?いきなりかよ 笑」
「そうよ」
「色んなしがらみとか一気に飛び越えて、いきなりなおちゃんの奥さんになってるの」
「……」
「なおちゃん?ウソ…本気にした?」
「まりあの願い…」
「俺が叶えてあげるからね」
つづく
明日は連載お休みしますので、57話は長めにお届けします。
いつもご愛読ありがとうございます。