IADMSによって定められたトゥシューズの国際基準
IADMSとはInternational Association of Dance Medicine and Scienceの略です。
日本語では「国際ダンス医科学会」となります。
1990年にダンスに関する医療関係者、教育者、科学者およびダンサーによって
設立された国際的な学術団体で
1991年には48名だった会員が、現在では世界35か国で900名ほどになっています。
年に4回、学術雑誌「Journal of Dance Medicine and Science」が
発行され、ダンス医科学に関する最新の知見を提供しています。
2019年に発表された資料の中には
トウシューズを履くためのガイドラインが
7つ書かれています。
1. 決して12歳以下ではないこと。
2. もし解剖学的に適切な水準に達していないのなら決してトウシューズを履かせないこと。
3. もし本気でプロを目指す練習をしていないのなら、トウシューズを履くことを思
いとどまらせること。
4. もし胴体と骨盤(体幹の筋肉)や脚が弱いなら、トウシューズの練習開始を遅らせるこ
と(そして筋力強化プログラムを行うことを考える)。
5. 足と足首が過度の関節可動域をもっているなら、トウシューズの練習開始を遅らせるこ
と(そして筋力強化プログラムを行うことを考える)。
6. もしバレエのレッスンが週 1 回なら、トウシューズを履くことを思いとどまらせること。
7. もしバレエのレッスンが週 2 回で、上記の条件に当てはまらないなら、バレエを始めて
4 年目にトウシューズの練習を始めること。
このガイドラインは目安ですから、もちろん個人差があります。
12歳以上で4年レッスンした人なら誰でも大丈夫と
いうわけではありません。
一人一人の身体的条件やレッスン内容、レッスン回数によっても
異なるため、指導者が考慮して判断する必要があります。
特にお子さんの場合、小さい頃の足の骨はまだ柔らかく、
足根骨・中足骨・趾骨は(足の骨)は
15~16歳になるまでまだ固まっていないといいます。
骨が柔らかい状態でトウシューズを履き、外から強い力を加えると、
足が変形してしまったり、足の成長に悪影響を与える恐れがあります。
バレエ指導者は、こうした基準をしっかりと知っておくことが
バレエを習う方々の健康や安全性を考えると
非常に大切で必要なことだと考えています。
「頑張ってるから」「〇年経ったから」「〇年生だから」
「上手に踊れてるから」「自分も〇歳から始めて大丈夫だったから」
というようなふんわりとした根拠のない判断で
トゥシューズレッスンをするのは危険だということです。