療法食なら安心!ですか?
こんにちは!
necco舎のはなこです^^
お待たせしました!の方も、
そうでもない方も^^;
の続きです。
内臓機能が低下した時
獣医さんから勧められることの多い療法食。
ちょっと美味しくなさそうなことに目をつぶれば
きっと、栄養バランスは考えられているはずだし
身体によさそうなものもいろいろ添加されているし
何よりお医者様がそう言うんだから
「悪くないんじゃない?」
…と考えがちです。
薬を飲むのは抵抗があるけど、
「毎日のごはんで病気の進行を食い止めてくれるなんて
素晴らしい!」
…と思う人も少なくないかもしれません。
例えば、
前回までのお話の中にあった腎機能の低下。
そのとき勧められることの多い「腎臓の療法食」って、
”腎臓のことだけ”考えて作られている…といっても
いいんじゃないかと思います。
もっと言えば、
腎臓の「数値を基準値内に収める」ことを目的に
成分が調整されています。
例えばBUN。
*血液検査項目の一つに過ぎないので、これだけで語ることはできませんが
腎臓機能の働きの目安となるBUNは
BUN(=尿素窒素)が血中にどれだけあるかを調べる項目です。
尿素窒素とは、
簡単に言えばタンパク質の残りかすですが
普通は腎臓で濾し出されて
オシッコと一緒に速やかに外に出て行ってくれます。
けれども、
濾しきれなかったものが血液中に残れば
血中の尿素窒素の値は高くなるので、
「腎臓の濾しだす機能が落ちているのでは?」
と考えるわけです。
つまり、タンパク質をたくさん体に入れないようにすれば
濾し出さなければならないものが少なくなるので
腎臓の仕事は少し楽になって
それで、血中に余るBUNの値は小さくなる…という理屈。
だから療法食は、
普通のフードに比べてタンパク質がグッと抑えられています。
(タンパク質だけでなく、他の成分も調整されていますが)
そして療法食に変えたとたんに
けっこうあっさり数値が下がったりして
「あ~、やっぱり変えて良かった♪」と思うのですよね。
そこは、とても理にかなっています。
でも一方で
フード1食分に必要なエネルギーを確保するためには
タンパク質を控えた分、
炭水化物や脂質の割合を増やす必要があります。
販売されているフードは”主食”なので
それだけでエネルギーが確保できるようにしなければなりませんから
そうせざるを得ないのだと思います。
主たるエネルギーを炭水化物や脂質で賄うとどうなるか。
例えば糖尿病、膵炎、肝臓病などのリスクを
上げることに繋がります。
身体は全部繋がっているので
ココによかれと思ったものが、あちらで不都合を招く…ということは
あって当然なのです。
勧められるままに何年も腎臓食を食べ続けて
肝臓が悪くなってしまった…という話は
いろいろな場面で聞くことがあります。
それが必ずしも療法食のせい
…とばかりは言えないかもしれませんが
影響はあるはずだと感じます。
想像してみてください。
いろいろな臓器の機能が低下して
同時に治療が必要というときに
「腎、肝、心臓、消化器、pH、その他全部サポート」みたいなものは
存在しません。
そういうとき、
一体どの臓器対象の療法食を食べさせればいいのでしょう??
感染症や先天的な疾患はまた別ですが
何か不調が起こったとき
病気になったとき
原因はそれまでの生活の中にあるはずだと思います。
つまり、
その不調を癒すヒントも生活の中にあるはずだし
同じ不調を繰り返さないための鍵も
生活の中にあるはずだと思います。
食べ物だったり、ストレスだったり、
運動などの生活習慣だったり
知らず知らずに続けていることや
我が子によかれと思って与えていたものも
もしかしたらその子に合わなかったり
余分なものかもしれない。
それはもちろん、人間も全く同じことです。
何がよくなかったのか
そこに気づくのは難しいことですが
病気になるのは偶然ではないんですよね。
その全部に気づいて整えることができれば万々歳ですが
多分それは不可能です。
そして、
もしも気づいたからといって
それをコントロールできるかと言えば
またそれは別の問題^^;
私自身、夜中の甘いものはなかなかやめられません><
でも
生活全体をよーく見まわしてみることで
不調を招くヒントに一つでも気づいて
少しでも改善することができれば
同じ不調を招くことは避けられるし
未来の病気を予防できる…ということが
あるはずだと思います。
そこを考えたり改めたりすることなしに
薬やサプリメントを飲むだけで、
療法食を食べるだけで、
あ~ら不思議!
…という魔法のようなやり方で病が癒えるとは
思わない方が安全なのではないかと
私は感じています。
*それは例えば、いわゆる”自然のもの”でも同じだと思います。
薬効のある食材だったり、ハーブだったり、
漢方だったり、レメディだったり、ヒーリングだったり…身体を立て直す助けになるものはたくさんあるけれど
そしてとても有効でもあると思うけれど
それを与えたから「何に効く!」という考えは
ちょっと違うような気がします。
もしかしたら愛犬の不調は
これまでの歪を修正する、よいチャンスかもしれませんよ。
将来、かかるかもしれない大きな病を
ずっと手前のところで食い止められるかもしれません。
全部修正することは不可能でも
気づいたところ、改善できるところからやってみることが
大事なんだと思います。
その子によって体質も、性格も、
筋肉量も、運動習慣も、ストレス耐性も
持って生まれた生命エネルギーも全部違うから
巷ではよいと言われているものが
その子には必ずしも必要なものではなかった…ということは
当然あるはずです。
人間向けの「腎臓療法食」って
検索してもほとんど出てきません。
存在するのかどうか私は知りませんが
少なくとも一般には流通していないのは
なぜなんでしょう?
でも犬猫用は
ちょっと検索するだけで
あまたの腎臓食がヒットする。
それはいったいどういうことなのでしょうか?
毎日のごはんだから
そんなこんなをいろいろ考えてみることが
大事なことなのではないかと思います。
ごはんって、
どんな風に生きたいか、
どんな風に生きてほしいかに
繋がっていると思います。
そんな視点を持てたことが
私が犬の食事療法を勉強したことの大きな収穫かもしれません。
奥が深いですよ^^