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「宇田川源流」【現代陰謀説】 台湾統一を「阻止不可能」と演説した中国の野心

2025.01.09 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 台湾統一を「阻止不可能」と演説した中国の野心


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。現代に横たわる陰謀を見ながら、その内容をどのようにして、ニュースなどから端緒を見つけることができるかということを考える内容になっているのである。実際に、陰謀は様々な所で行われており、その内容をいかに感がてえゆくのかということをしっかりと見ていなければならない。全く表面に出ない陰謀などもあるが、実際は、ニュースなどに何か端緒が出ていたり、あるいはニュースに何かか隠されているようなことも少なくないのである。それを、読み解くために何をすべきかということを考える連載である。

さて、今回は「端緒が出た」ということを見る内容である。この物事の考え方を見る事は、日本人は非常に苦手であるということになる。日本人は歴史の中で島国という閉鎖された中でなおかつ村社会を中心に物事を見てくることになっていたので、あまり、相手の立場に立ってというか、相手の感覚で物事を見るということに慣れていない。そのことから、「その言葉が何を意味しているか」ということを自分の感覚や日本人の常識という不確定なもので見てしまうことになるのである。そのことから「端緒」を引き出すことが非常に不得意な民族性を持っているのである。

しかし、そもそも「相手の国の国民性」「思想の根源(イデオロギー)」「宗教観(死生観)」など基本的なことを考え、そのうえで、相手の発言が、それらから出ているものであるかどうかを見れば、単純に物事を見ることが可能になる。その端緒というものは非常卯に簡単に見えることになるはずなのである。

そして、その言葉が、今の言葉で言う「炎上」つまり、他者から批判される状況になると、その言い訳をするようになる。言い訳といういうよりはどちらかと言えば、政党かということが言えるのではないか。そしてその正当化が、「政府そのものの意見」である場合又はその政府の元の意見である場合は、当然に、そこに「本音」つまり、国の政治の根幹が見て取れるのである。つまり「一回出たとき」はその個人の思想かも知れないが、その後炎上か何かをして非難され、その「言い訳」が出てきたときには、当然に、その言い訳の中に、またそれを擁護する政府に、その本音を見ることができるのではないか。

<参考記事>

中国主席、台湾「統一」は阻止不可能と警告 新年演説

2025年1月1日 5時17分 ロイター

https://news.livedoor.com/article/detail/27870886/

<以上参考記事>

 習近平国家主席の新年の演説は、毎年「台湾統一」を話している。今年は全文を書きにつけておいたので、その内容を見たい人は見ていただければよいと思う。今年は「今年、私はマカオの祖国復帰25周年に際して再び濠江の畔を訪れました。現地の新たな発展と変化を嬉しく思っています。我々は『一国二制度』の方針を揺るぎなく堅持し、香港とマカオの長期的な繁栄と安定を維持していきます。両岸同胞は家族であり、我々の血の繋がりは誰にも断ち切ることができず、祖国統一という大勢は誰にも阻むことができません。」という発言をもって、日本のニュースは「台湾の統一は阻止不可能と警告した」というように解釈をしている。まあ、台湾ということは言っていないが「両岸」という言い方で「台湾海峡を挟んだ両岸」という意味で、台湾のことを指していることは明らかである。これは「台湾統一を行う」ということを発言しているのであり、参考記事(ロイター)ではトランプ政権を念頭にしたということを言っているが、実際は頼清徳台湾総督を念頭に置いたものではないかと私は思っている。

一方、このようなことを報道されて、すぐにびびってしまう日本の現在の閣僚などは「習近平がこのように言っているから・・・」などとすぐに妥協してしまう。基本的に「建前で何かを発言している」ということが全く理解できない人が多すぎるので、困ってしまう。

さて、この内容で「陰謀」というのは何か。

毎年「台湾統一」を言っているのであるが、その言い方が少しずつ変化している。今年の内容は、上記にも書いたように「マカオ」を引き合いに出している。一方香港に関しては、「香港マカオ」というような言い方をしているものの、「都合が悪いので何も言わない」ということをしている。しかし、中国に畏怖している国々は、この言葉だけで十分「マカオが成功しているのであるから、中国に協力しても問題はない」というような感じになってしまうということになる。ようするに「成功事例をあげ、不都合なことを隠す」というやり方で「敵か味方かを振り分ける」ということを企画しているということになるのである。

中国の外交は「裏で脅迫し、建前では適当にごまかす」というような外交をしているのであるが、まさにこのような感じではないか。「、中国は責任ある大国として、グローバルガバナンスの変革と、グローバルサウスの団結と協力の強化を積極的に推進しています。」などというものは、まさに「中国のご都合主義のガバナンスに変革する」ということを言っているのであり、それが許されるのか国際法を曲げてよいのかということは全く考えていない。国際法を守るのであれば、ロシアのウクライナ侵攻も北朝鮮のミサイル実験もいずれもすぐに中止し法を守るように圧力をかければよい。それができずに、いやそれを裏で支援しながら、このような発言をするということがどのような意味かをしっかりと見てゆけばよいのではないか。

このように「発言は必ず裏を読む」ということが必要である。

<以下習近平新年演説全文>

月日が経つのは早く、まもなく新たな1年を迎えようとしています。北京から、皆さんに心からの祝福をお送りします。

2024年、我々は春夏秋冬を共に過ごし、試練の風雨に耐え、雨上がりの美しい虹を目にしました。その一つひとつの瞬間が、この非凡な一年の感慨深く、忘れがたい思い出となっています。

我々は国内外の環境の変化による影響に積極的に対応し、一連の複合的な政策を打ち出し、質の高い発展をしっかりと後押ししてきました。中国経済の景気が上向きに転じ、国内総生産(GDP)は130兆元(2800兆円)台に上る見込みです。食糧生産高は7億トンを突破し、食糧自給率はさらに上がっています。地域発展の協力と基盤がより強固なものになり、新型都市化と農村部振興の融合と協調も一層活性化しています。グリーン・低炭素型発展のさらなる進展により、美しい中国という絵巻が眼前に広がりつつあります。

我々は各地の土地柄に合わせて、新たな質の生産力の育成に取り組んでいます。新エネルギー車の年間生産量が初めて1000万台の大台を突破し、ICチップ、人工知能、量子通信といった分野において新たな成果を挙げるなど、新しい産業、業態、モデルが相次いで生み出されています。月探査機「嫦娥6号」による月の裏側の土壌サンプル採取、掘削船「夢想号」による深海探査、「深中(深セン―中山)通路」の開通、南極の秦嶺ステーションでの科学探査活動の開始などは、宇宙と地球について探求する中国人の志を体現しています。

今年、私は各地の視察を通して、皆さんの多彩な暮らしを目にしてきました。天水市では「花牛リンゴ」が豊作で、東山県澳角村では漁師たちが船を出し、大漁でした。麦積山石窟は千年にわたって「東方の微笑み」を見せており、六尺巷には礼儀を重んじ相手を思いやる伝統があります。天津市の古文化街は人の波で埋まり、銀川市の多民族コミュニティでは住民たちが和気あいあいと家族のように暮らしています。雇用と収入の増加、高齢者と子どものケア、教育、医療など、皆さんが関心を持つ問題を、私は常に心に留めています。この一年間、年金のベース額の引き上げ、住宅ローン金利の引き下げ、直接決済適用範囲の拡大による非戸籍地での医療保険サービスの利便化、消費財の下取り交換制度による生活の質の向上などで、皆さんの暮らしはより豊かで充実したものになったはずです。

パリ五輪では、中国の選手たちが勇気をもって競い、海外で開催された大会での最高の成績を収めることで、若者の向上心と自信を見事に示してくれました。海軍と空軍は75歳の誕生日を迎え、人民の軍隊は新たな気風を見せています。洪水や台風などの自然災害に直面した時は、多くの党員幹部たちが果敢に先頭に立ち、努力と助け合いで乗り切りました。無数の労働者、建設者、起業家はいずれも、夢のために奮闘しています。私は国家勲章と国家栄誉称号を獲得した方々への授与をしましたが、この栄光は彼らだけでなく、身を挺して奮闘する全ての人々にも授けられるものだと思っています。

世界で変乱が入り混じる現在、中国は責任ある大国として、グローバルガバナンスの変革と、グローバルサウスの団結と協力の強化を積極的に推進しています。我々は「一帯一路」の質の高い共同建設を後押しし、中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットを成功裏に開催し、上海協力機構(SCO)やBRICS、アジア太平洋経済協力(APEC)、主要20カ国・地域(G20)などの多国間枠組みの場で、中国の主張を明確に打ち出し、世界の平和と安定により多くのプラスのエネルギーを注ぎ込もうとしています。

我々は、新中国成立75周年を盛大に祝い、共和国のこれまでの道のりと巨大な変化を振り返りました。中華文明の伝承は5000年以上も続いています。中国という2文字は、古代中国の出土品に刻まれるほど歴史が深く、今を生きる中華民族一人ひとりの心にも刻まれています。今年、中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議が開かれたことで、改革のさらなる全面深化という号令が掛けられました。我々は改革開放という時代の大きな波に乗って前進しており、中国式現代化は必ずや、改革開放の中でより大きな前途を切り開くことになるでしょう。

2025年を迎えて、我々は第14次五カ年計画を全面的に達成し、より積極的かつ的確な政策を実施し、質の高い発展の推進に専念し、高水準な科学技術の自主開発を強化し、経済・社会発展の良好な勢いを維持する必要があります。当面の間は、外部環境の不確定性がもたらす試練や、新旧の推進力のギアチェンジによる重圧など、経済発展は新たな状況に直面しますが、これらの難関は努力によって克服できます。我々はこれまで、風雨と試練を経るたびに成長してきました。歴史上、いくつもの困難を乗り越えてきたという、自信を持って然るべきなのです。

家庭においても、国家においても、世界においても、何よりも重要なのは、人々の暮らしを幸せなものにすることです。どの家庭も、子どもたちのより良い教育、老人のためのより良い養老サービス、若者にとってのより良いチャンスを望んでいます。これらの素朴な願いは、すなわち美しい暮らしへの憧れです。我々は共に努力して、社会の建設とガバナンスのレベルを引き上げ、調和のとれた環境をつくり、人々の身近な悩みを解決していきます。皆さんの笑顔を増やし、心を温められるよう取り組んでいきます。

今年、私はマカオの祖国復帰25周年に際して再び濠江の畔を訪れました。現地の新たな発展と変化を嬉しく思っています。我々は「一国二制度」の方針を揺るぎなく堅持し、香港とマカオの長期的な繁栄と安定を維持していきます。両岸同胞は家族であり、我々の血の繋がりは誰にも断ち切ることができず、祖国統一という大勢は誰にも阻むことができません。

世界で百年未曾有の変局が加速する中、広い度量をもって対立や衝突を乗り切り、温かな思いやりをもって人類の命運について考えていく必要があります。中国の願いは、各国と共に友好協力の実践者、文明間の学び合いの推進者、人類運命共同体の構築者となって、世界の美しい未来を切り開いていくことです。

夢の実現が遠くとも、追えばいつかは辿り着けます。願いの実現が難しくとも、諦めなければきっと叶えられます。中国式現代化という新たな道のりにおいては、全ての人が主人公です。その全ての努力が貴いもので、見事な光として輝くことでしょう。

今宵、美しい山河に囲まれた幾万の家々が星の光に照らされています。希望に胸を膨らませて、新たな一年を一緒に迎えましょう。祖国の安寧と繁栄を祈ります。そして、皆さまの願いが叶い、幸せで穏やかな一年になりますように。

「中国国際放送局日本語版」より 2024年12月31日

(http://j.people.com.cn/n3/2024/1231/c94474-20260737.html)