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We Cry

小学校時代。目を閉じると浮かぶもの。

2019.01.24 14:03

窓から見える気持ちのいい青空。

目を閉じると今でも鮮明に浮かぶ。

三階にある理科室は、全体的にとても古かった。居るだけで、私はタイムスリップを

したかのような気分になった。

実験で使われたぞうきんが、

濡れたままいやなにおいを放っていた。



私はそこの準備室が掃除場だった。

たぶん、五年生の7月頃だった。

椅子上げが億劫な私は毎日、毎日、

小さな、そして散らかった準備室の

水道のステンレスをせっせと磨いていた。

もう古びていて長年の汚れはもう落ちない。

まるで私にまとわりつく¨暗いなにか¨

のようだった。



この頃の私は、ある日学校に行くことが

できなくなっていた。いじめられてもないのに。

今思い返すと、あの頃の時間の流れは

とてもゆっくりだった。

その時期の記憶には、ことばが無い。

発したことばの数が極端に少ないからだ。


毎日の掃除。水道を磨く。たった一人で。

窓を開ける。

その瞬間、懐かしい風が私を包む。

下に見える、外の人々の声は単なるBGM。

時間はゆっくりと過ぎていく。

自分がひとりぼっちであることを

噛み締めながら。

私は雲の流れをじっと眺めた。

チャイムが鳴り、私は我に帰る。


はあ、今日も1日が終わった。長い、長い1日が終わったね。

と思いながら、教室へと少し軽くなった

足で向かう。


私の¨暗いなにか¨が消えていき、

以前のように通学を続けられるようになったのは、掃除場が変わる頃だった。


written by nami