Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

鍼 時々 お灸

本当は簡単に「治る」んだよ

2016.02.23 11:57

「治療法がないと言われた」
「治らないので、うまくつきあっていきましょうと言われた」

こんな言葉を、ときどき耳にします。

また、
「治りますか?」
「効きますか?」
と尋ねられることもあります。

そんな時は、
「治りますよ」と言い切りたい気持ちになります。
嘘ではなく、私は本当に「治る」と思っていますから。

でもそれには、前提があります。

ひとつめは、
「治る」の定義。

なにをもって「治った」とするかの問題です。

たとえば癌。
ガン細胞がゼロになったら「治った」と言えます。
けれど、寝たきりの身動きできない状態だったら?
癌はたしかに消えています。
でもこれを「治った」と言えますか?

ガン細胞はゼロになっていません。
でも、日常生活を送れています。
これを「治っていない」と言い切れますか?

ということなんですね。

数値がゼロになったら「治った」というのか、
数値はゼロになっていないけれど、普通に暮らせてるのを「治った」というのか。

前者の、数値ゼロを「治る」と定義するのなら、治らない。


ふたつめは、
「治す気があるかどうか」

いや、ふつうに治りたいでしょ、と思うかもしれませんが、
本心からそう思っている人は、意外に少ないものです。

「治りたい」のではなく、
「治してもらいたい」と思っている。
そういう人の方が、多いです。

自分の体は自分でしか治せません。
受け身で治療を受けているだけでは、治りません。

いや、私は健康に気を使っていますよ、と言う方は多いです。
栄養バランスにも気を配り、運動もしてる。
自分でも努力していますよ、と。

素晴らしいと思います。

けれど、話を聞いてみると、
青汁がいいと聞けば青汁を飲み、酵素がいいと聞けば酵素ジュースを飲む。
炭水化物が良くないと聞けば、炭水化物抜き。
脂は、塩分は、カロリーは……云々。
筋トレ、ジョギング、ヨガ、半身浴、サウナ……。

いろいろ試してみるのはいいと思います。

ただ、肝心の、

自分の体の声を聴けてますか?

と疑問を持ってしまうことも、少なからずあるのです。

情報に踊らされている感じが、否めません。
これも受け身の一種です。

世の中に溢れる情報。

健康情報も、溢れかえっています。
洋の東西を問わず、昔からずーっと。

なにそれを活性化させるのはこの食品、
なにそれは脳に良くない、
認知症予防にはこれ、
ビタミンが、カルシウムが、タンパク質が……
最近は遺伝子が、というのもよく聞きますね。

それらの情報が、まったくの嘘だとは言いません。
事実でもあるのでしょう。

でもその事実は、
ごく一部を切り取って見た場合の事実
です。

別の角度から見れば、違う事実があります。
ある物質が、Aには良いが、Bには悪影響を与える。
どちらも事実です。本当のことです。
Aにとっては「いいもの」が、Bにとっては「悪いもの」
どちらの情報を受け取るかで、同じ物質が「いいもの」と「悪いもの」に別れてしまう。

嘘は言っていない、でも本当のことをすべて言ってるわけではない。

健康情報ってそんなものです。
(たまに嘘だらけのもあります)

じゃあ、なにを基準にすればいいのか?
それが、
体の声を聴く ということ。

「○○がいい」と聞いて、始めたけれど、
あまり好きになれない、しんどい。
そう感じたなら、その○○はやめていい。
あなたの体がそれを求めていないんだから。

きちんと体の声を聴きさえすれば、
簡単に「治る」んだよ。
体は本来、「治る」ようにできているから。


「治りますか?」
「効きますか?」
に、「治る」と言い切りたい。
でも、上記の前提を理解してもらえないと、言い切れません。

鍼灸は、治すのではなく、体がもつ「治る力」を引き出すもの。
全身の氣血の流れを調え、体の声を聞き取れるようにするもの。

しっかり聴きとって、治る力を発揮しようね。