高校演劇部で上演できる短編戯曲3選
久しぶりの演劇記事です。
みつむらです。
皆様、20 minutes~短編戯曲配信所~をご利用いただきありがとうございます。
しかし、正直なところ「使える台本がない」というご意見もあるかと思います。
やはり人数や男女比、上演時間全てをクリアする作品は当サイトだけでは網羅しきれないと感じています。
しかし、だからこそ、皆様に有益な情報をご提供し、公演成功のお手伝いをしたいと考えております。
質の悪い台本を使うことのリスク
今の時代、自分の作品をネット上に上げるのは容易く、誰でも簡単に「脚本家」と名乗れてしまいます。
特に脚本家の資格や免許は必要とされていないからです。
したがって、ネット上に転がっている台本を使って上演することはリスクがあります。
ましてや高校生の皆さんがその作品の良し悪しを判断するのは非常に難しい。
後で「この選択は失敗だった」と気付いても、稽古が進んでしまってからでは後戻りができません。
そこで今回は市販されている数少ない短編戯曲をご紹介します。
市販されている=上演作品として一定の質が保証されている、ということですので、作品の良し悪しを見極める力に自信がない方でも安心して部員に紹介できます。
今回は3つご紹介します。
1.幻覚カプセル―絶望居士のためのコント
いとうせいこう氏の『幻覚カプセル―絶望居士のためのコント』です。
不条理劇の短編がいくつか収録されており、一本あたりの上演時間は10分程度です。
オススメは「幻覚カプセル」、「輪廻橋」、「自殺志願」の3編です。
1992年出版ですが、今もなお全国の高校演劇部で上演されています。
僕の作品『賽の河原』は「輪廻橋」にインスピレーションを受けて書いた作品です。
2.ハロー・グッドバイ―高橋いさを短篇戯曲集
2つ目は劇団ショーマ主宰の劇作家高橋いさを氏の『ハロー・グッドバイ―高橋いさを短篇戯曲集』です。
高橋いさをさんの作品は他にもありますが、こちらに収録されている「ハロー・グッドバイ」は笑いあり、涙ありで質の高い作品かと思います。
高校時代に僕も実際に上演させていただきました。
他にも「来年の今日もまた」も個人的には好きな作品です。
日常を描いたしっとり会話劇をお求めの方は是非チェックしてみてください。
3.せりふの時代 2009vol.52夏号 (2009年07月02日発売)
最後は『せりふの時代 2009vol.52夏号 (2009年07月02日発売)』より、戯曲セミナーでお世話になっております、はせひろいち先生の「空の匂い」です。
この作品がきっかけで僕は演出の魅力を知りました。この作品がきっかけで僕は戯曲を書いてみたいと思うようになりました。
それまで読んだ戯曲はどれも正直つまらなかったんです。初めて心揺さぶられ、心の底から感動できた作品です。
もしかすると、あなたにとっても宝物の戯曲の1つになるかもしれません。
上演時間は40分程度で、登場人物は4人の青春劇です。
最後に
たった数分で人の心を動かすことのできる作品は確かにあります。
僕もそんな作品が書けるように。
高校演劇の質がより高いものになるように。
日々勉強し、皆様にご提供していきます。
それでは。このあたりで。
おわりっ!
みつむら