下城NYニュース、01-'25(MFC付きのマーケット)
近年の小売業が導入するハイテクの行方は多岐に渡りますが、
昨年大いに話題に上がったセキュリティー上の問題や万引き対策、
サプライチェーン商品の流れ、
如何にお客を逃さずに売上げを確保するかという販路拡大にも繋がっていきます。
業界ニュースを読むと、今年は多くの食品スーパーに採用されるだろうと言われているのが通常のSM店舗に併設する形でアプリを介したデリバリー用の商品を揃えるエリアを確保する事やその作業ロボットが組込まれたMFC(Micro Fulfillment Center)を付けるというものです。
これは実際にニューヨークの周辺にも数年前から幾つか出来ています。
例えばローカルチェーンのBig Y、ウォルマートもそれを行っている店舗があります。
以下の写真2枚をご覧下さい。
1枚目のBig Y では右側の青い部分、2枚目ではウォルマートのPickupの部分、共にロボットが組込み込まれたこの部分は増設した部分で、今日はそれについて書いていきます。
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コロナがあった事も影響して、この数年の消費者の買い物の仕方が大きく変わっており、アプリを使って買い物をオーダーしてそれをデリバリーして貰うか、お客自身が店舗で受け取る(BOPIS)等が行われています。
BOPISとは、Buy Online Pick-up In Storeの頭文字を並べたものです。
この新しい買い物の仕方では、どちらも店舗側のスタッフがお客がアプリなどを介してオーダーしてくる買い物リストに沿って、店内で商品を揃えて用意する事から始まります。
勿論それが店舗で行われるばかりではなく、専用の倉庫や施設で用意する場合もあります。
MFCではそのオーダー商品をスタッフが集めるのではなく、ロボット装置が商品を集め揃えるシステムが沢山出ており、上記二店の場合はそのシステムの小型版MFC(だからマイクロなのです)を店舗横に付けるという事です。
小売業のハイテクといえばすぐアマゾンが浮かぶ事と思いますが、もちろんアマゾンにも幾つかのコンセプトがあって既に開店している業態もあり準備中のものもあり、今回はそれも合わせて紹介致します。
その一つはアマゾンの傘下であるホールフーズの店舗に隣接させて、アマゾンの小さめの新業態「アマゾン・グロサリー」を付けた例で、1カ所に2店舗がシカゴで開店しています。
アマゾン・グロサリーと言いアマゾン・フレッシュとは別の業態で小型の店舗となっていますが、これの存在価値は少し特殊なものがあります。
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ご存知の通り、ホールフーズは全米最大の健康食品とオーガニックのテーマのマーケットチェーンです。
その扱い商品はホールフーズが独自に調査と評価をして選び、「安心で安全、自分達消費者自身に優しくて、地球にも優しい」商品だけを扱います。
そうなると概してナショナルブランド(NB)の多くのストアで売られる人気商品は「ホールフーズの最重要なポイントである安心安全評価に値いしない」商品が多く、
必然的にホールフーズの扱い商品はそのNB商品ではなく、ローカル(地場)の商品やそのコンセプトに合う少量生産の(有名ブランド品でない)商品という場合が多くなります。
現在ホールフーズは全米で500店舗を超える大きなチェーンになり消費者も多様となっている事で、多くのお客は今まで使い慣れて買い慣れたNB商品を求める場合も多く、ホールフーズでそれが買えない場合には通常のマーケットへも行く事になります。
例えばコカ・コーラやネスカフェ、ケロッグのシリアル、ウェルチのジュースやジャム、タイド等のランドリー洗剤など、ホールフーズでは売られていないのです。
そこでホールフーズに隣接してSM業態のアマゾン・フレッシュ店舗を併設する事で、そのナショナルブランド商品の需要をここで解決出来るとしています。
店頭の赤い箱コカコーラが見えると思いますが、これはホールフーズでは扱わないのです。
しかし今回ここではSM型のアマゾン・フレッシュそのものでなく、新業態のアマゾン・グロサリーとして小型の店を作りチェーン展開する事になったのです。
この場合、2店舗での買い物をするのが煩わしい場合にはアマゾンの定番NB商品に関しては事前に(又はホールフーズで買い物中に)アマゾンのアプリでオーダーしておく事で、ホールフーズの買い物が終わった時に横のアマゾン店舗でBOPIS型で商品を受け取れば良いのです。
先にお見せしたビッグYとウォルマートも同様にデリバリーもBOPISにも対応していて、それでも生鮮の食品等は自身の目で見て買いたいというお客も多く、その商品だけをお客自身が店内で買って定番のBOPIS商品は買い物の前か後に、駐車場横の受取り口でトランクに入れてしまえば良いという提案なのです。
これらのMFC付き店舗は、ニューヨークからも視察に訪れる事が可能な距離です。
アマゾンが次にやっているのは、ホールフーズの既存の郊外店に以下の解説図の様なアマゾンのMFCを併設してホールフーズの買い物の最後にアマゾン商品を受け取れるというシステムで、実際にこれはニューヨークの南側のフィラデルフィア郊外の店舗で工事中なのです。
解説図で言うと、緑の部分がホールフーズで、買い物の最後のレジ付近にあるアマゾンのサービスカウンターでオーダー商品を受け取れる様になっているのです。
アマゾンの商品はホールフーズに行く前でも買い物中にでもオーダー出来ます。 コカコーラもオレオクッキーもキッコーマンも、ホールフーズの店内で受け取れるという事になります。
ご興味がある方は以下のyoutubeの動画リンクで詳しく見る事ができます。
https://youtu.be/8vwZ_CaITCk?si=xfJA2DxRz0ohxii4
アマゾンはホールフーズ全店の店内にアマゾン通販の商品を受渡しと返品に対応するサービスカウンターを設けています。
今後のホールフーズ店の一部では、店内にてアマゾンフレッシュの商品も受渡し出来る様にして、全ての受渡しがさらに簡単になります。
現在工事中というペンシルバニア州の店舗では、そのMFC=ロボット倉庫型を設置する事になっていてそれまで30−40分掛かっていたオーダー商品を揃えるピッキング作業を7分程でこなせる様になるとの事です。
この最新のパイロット店の工事はどこまで進んでいるか、確認に行って参りました。
この店舗は中都市であるフィラデルフィア市の郊外にあり現在準備中で、
この店舗の場合はアマゾンカウンターがホールフーズの他店で見るカウンターよりも大きく作られていておそらくこれがこのまま受渡しカウンターになっても大丈夫な形で、この上か裏側部分にロボット倉庫がつくという事と想像出来ます。
準備が進行中で間も無く何かが発表される事と期待しています。
ホールフーズは自社のポリシーによって安心と安全な商品を選別して洗練された商品を扱うわけですが、販路拡大と同時に売上げを向上させる為に、「お客が希望する商品を扱わなければいけない」という大きな問題を解決しなければいけない状況です。
その解決策の一つが親会社であるアマゾンの店舗とその扱い商品に目を付けているわけです。
健康食品とオーガニック食品・製品はホールフーズで、どこでも売られているNB商品を希望の場合は他店へ行かずその場で受取れるアマゾンでどうぞという店作りです。
ホールフーズは自社のポリシーによって安心と安全な商品を選別して洗練された商品を扱うわけですが、販路拡大と同時に売上げを向上させる為に、大きな問題を解決しなければいけない状況です。
その一つが親会社であるアマゾンの店舗とその扱い商品に目を付けているわけですが、その選別した商品という部分は、扱う精肉などを例に挙げて以前触れたとおりです。
更には今週発表されたニュースですが、同チェーンで販売する海産物に関しての新ルールで操業に関して漁師さんを守る為のものとなっています。
これを日本語に訳する以下の様になります。
*海上に居る時間を事前に設定し、漁船は最低でも11ヶ月以内毎に自港に戻る事
*雇用主は採用に関する手数料を支払わず、クリアで公平な契約書を発行する事
*漁師と船員が海上に居る間、常に家族や所属する団体等連絡が可能な様、wi-fiも設置する事
*安全運航の訓練をし医療ケア、本人を防御防衛出来る対策をして、必要な飲食品を揃える事
更には乱獲にならない様な漁法をとる等は既に行われています。
これらが守られた上で漁獲された海産物以外はホールフードでは扱わないという事です。
ただ私が思うに、これらを確実に守ると漁師さん自身にも都合が悪いか漁獲のチャンスを逃す場合もあるかなと考えました。
安心と安全な食品や製品を扱うだけでなく、社会ルールも守るのがホールフーズ式というのは間違いない事です。
ニューヨークの郊外ではまさしくコロナ後を見据えた業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。
滞在期間や日程はご相談に応じます。
詳細は下城までお問い合わせ下さい。
By Charlie Chikao Shimojo @NPPA
チャーリー下城NYC■ 1/28/’25
https://ny-news.amebaownd.com/
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