平凡であることに抗いたいなら林真理子さんの作品を!「みずうみの妻たち」
学生時代に読んでいた林真理子さんの世界に久しぶりに出会った。
「みずうみの妻たち」は、「ロストワールド」「アッコちゃんの時代」「花探し」などと同様、バブルの頃、贅沢をさせてもらった女性が主人公のお話。
建築家、飲食店など、組み合わせは違えど、これまで読んだ作品と、出てくる登場人物の職業や、舞台が似ているので、この頃の林さんの関心事がなんとなくわかった気になったり。
一方で、「葡萄物語」「葡萄が目にしみる」などと同じく、田舎の閉鎖的な社会の息苦しさも描かれていて、林さんの作品に出てくる一見身勝手にも見える女性たちが、この時代に、どんなものと戦っていたのかが、見えたようにも感じられた。
「みずうみの妻たち」の主人公は、医者の娘として生まれ育った町で、地元の菓子屋(お金持ち)に嫁いだ30代半ばの女性(美人)。
ある日、夫に愛人がいることを知ったことが引き金となり、自分でフランス料理店を営むことを思い立つ。
夫の浮気相手の職業が空間プロデューサーって、これもバブルな林真理子作品によく出てくるやつだ!
この頃って男性社会の中で、バリバリ働きたい女性が、新しい職業を生んだ時代だったんだな~。
全体を通して、女だから舐められるのが当然な風潮の中で、それはどうなの?って言う投げかけがたくさん出てくる。
今だって、子供を産んじゃうと、まだまだ平等とは言えないけど、先人が女性の地位を少しずつ上げてくれてきてくれて、結構マシになった今があるんだ。
感謝だ。
主人公は、店の開店準備に奔走する中で、設計を依頼することにした建築家と、ただならぬ関係になっていくのだけれど、その建築家に主人公が出会ったばかりの頃に言われた言葉が印象に残った。
”確かにあなたは平凡な人かもしれない。平凡に生きてきたことは事実ですからね、でもそれが嫌であなたはお店を始めようとしているのでしょう。”
この部分を読んだときに、これだ~林真理子作品の呪い~!と思ってしまった。
学生時代、こうした、平凡に生きることを恐れる女性たち=野心家の女性たちが登場する林さんの作品をたっぷり読んだ私は、平凡になるべからずと思っていた節があった。
もちろん本を読んだからだけではないけど、平凡の呪縛とずいぶん戦ってきたなと思う。
今だって、主婦だけしてるのはつまらない~って主婦業が苦手なことの逃げ道に言っちゃたりもする。
子どもができてからは、平凡にきちんと生活を整えるってすごく難しいと感じてるけど。
平凡に満たないことの逃げ道が、平凡なるべからずの精神とも言えるかも・・・
それにしても、林さんは、一貫してるな~。
10年くらい前にドラマにもなった「下流の宴」では、バブル崩壊後の不況の中で、”人生は何度でもやりなおせる”と言ながら、夫や息子の人生に期待することしかできない主婦をいじわるに描いて、「野心のすすめ」では、野心を持つ意義を語り、とにかく平凡に生きることは、つまらないことだと説い続けているように思う。
違ったらすみません。
「みずうみの妻たち」の主人公は、どうだろう・・・
平凡から脱しようとして良かったのかな。
結論は分からないけど、色々経験したことが人生を彩ってくれたことは確かかな。
やはり、”何でもできる!何でもなれる!”と自分を信じて進むことが大事だ!
(「HUG!っとプリキュア」の主人公の決め台詞)
「HUG!っとプリキュア」の最終回、娘が笑うほど泣いてしまった(笑)
大人になっても夢を持ってもいいってキュアエールが言ってたし、がんばろー!
今週からは、新しいプリキュアだ~!!!
そうそう、年末に、東京のキラキラを見下ろせる場所でお仕事させて貰えた♪
学生時代、林真理子さんの作品を読んで憧れた”東京”な感じ!
テンション上がりすぎて珍しく自撮り♪