すべて世は事も無し ロバート・ブラウニング②
2025.02.12 22:11
今日も一昨日に引き続き、詩人ロバート・ブラウニングについてです。今回は彼の有名な詩を紹介します。
『春の朝(あした)』 (作 ロバート・ブラウニング 訳 上田敏)
「時は春、日は朝(あした)、朝(あした)は七時、片丘に露みちて、揚雲雀(あげひばり)なのりいで、蝸牛(かたつむり)枝に這(は)い、神、空に知ろしめす。すべて世は事も無し。」
現代語に直すとこんな意味でしょう。
「春の朝7時、小さな丘は、しっとりと露は濡れています。空高くには、雲雀(ひばり)が、存在を誇示するように羽ばたき、高くさえずっています。目前で、蝸牛が枝をゆっくりと進んでいます。そうした大自然の営みを、神様が空から見守っています。その安堵感。“すべて世は事も無し”です。」
「すべて世は事も無し」とは、読む人によって解釈が異なりますね。心に不安がある時、失意の時、高揚している時、過去の後悔が心に蘇る時…。どんな時も、この言葉は、自然の風景のように私たちに寄り添ってきます。人の心根は純粋なものだけではありません。歪んだ心になってしまうこともあります。そんな瑣末なことには関係なく、今日も明日も自然は泰然として“すべて世は事もなし”と時を刻んでいるということでしょう。
今日の切り絵は、たかつむりです。
#ロバートブラウニン#詩人#すべて世は事も無し#人生#切り絵#おうちカフェさんちゃん#おうちカフェ#小さいカフェ#柏市
