HbA1cと血糖の乖離
昨夜は広島で「糖尿病検査セミナー〜知られざる変異ヘモグロビンの世界〜」が開催され、岡山、浜松、名古屋、札幌、金沢でもWeb中継され、全部で300名以上の方の参加された。
臨床検査技師さんの参加は想定範囲内だが、メイン会場の広島では臨床医も7〜8名、看護師も約30名も参加があったとのことで、正直驚いた。
下関市立市民病院の川元博之先生からは「HbA1c検査における変異ヘモグロビン検出の効果」というテーマで、変異ヘモグロビンについて現在解明されていることや、ご自身が遭遇された症例について教えていただいた。私からはHbA1cと血糖・グリコアルブミン等との乖離している症例についてお話させていただき、最後の特別講演では獨協医科大学埼玉医療センター教授の犬飼先生からカタラーゼ活性低下によるHbA1c偽高値の症例について詳しく教えていただいた。
近年CGMやFGMの活用が広がったこともあり、HbA1cと血糖が乖離している症例が散見されるようになった。普段のケアでもSMBGの結果とA1Cが乖離している事例に時々遭遇する。もちろん、ヘモグロビンの寿命に影響する肝硬変や腎不全、貧血などの要因がないことを確認している。異常ヘモグロビンは海外に多いとされていたので、以前はよその国のことだと思っていたが、日本もグローバル化が進み、ほかの人種の遺伝子が日本にも多く入ってきていること、変異ヘモグロビンの種類も今では1300種類以上解明されているということもあり、これからも変異ヘモグロビンについて解明されていくことと思われる。私の契約先の医療機関でも1年前にアークレイ社の変異ヘモグロビンの一部が検出される分析装置に変えてから、臨床検査技師さんから検出の情報をいただけるようになっている。しかし、変異ヘモグロビンは私には奥が深すぎて周囲に説明できるほどの理解力には至っていない。川元先生のご講演内容を再度復習しなければと思っている(汗)
変異ヘモグロビン・・・これからも注目していかなければ。。。
変異ヘモグロビンについて情報がほしい方は、アークレイ社さんが変異ヘモグロビンの症例についてまとめたリーフレットを作成されていますので、お問い合わせされるとよいかと思います。
さ、一つ講演が終わったので、次の講演の準備に取り掛からねばです。
次は2月9−10日の日本プライマリ・ケア連合学会の看護ワークショップのレクチャーと、2月13日にはDM診療を学ばれる若手医師向けワークショップです。