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わたしはわたす

構想ルート②

2019.01.30 04:46

夕凪に包まれた公園は、近所の子供達の声に溢れていた。


ガラガラのシャツを着たどう見ても真面目じゃないような男がいて、

足元には煙草の吸殻がいくつもちらかっていた。


その男の顔は、何を考えているのか安易には想像がつかないような顔だった。

その男はまた煙草に火をつけて、地面を見つめながら何かを考えていた。


そこに男の膝くらいしか背がない、少女が近づいてきた。


少女の手には風船があり、少女はその風船を大事そうに持っていた。


少女はなぜかその男が気になり、一言声をかけた。

「ねぇねぇ、おじさん。おじさんはそこで何をしているの?」


少し驚いた顔をしたその男は、すぐ表情を戻し、

笑顔になることもなく、

「あっちへ行け。俺は子供が嫌いなんだ。」

その少女に言って、また煙草を口にやった。


少女全く動じず、離れずそこに居続けた。

その男は少し気まずくなり、

「おい、聞いてるのか?あっちへ行け。」

と言った。


少女はその場を離れて、一人でブランコの方に行った。

ブランコに乗りながらゆらゆらして、その男を見つめていた。

男はその少女の視線を感じつつ、煙草を消した。


すると、公園の入口付近に黒いベンツが停まった。


そこから老人と若い男が出てきて、

老人は公園の広場でサッカーをして遊んでいた少年を呼んだ。


ガラガラの煙草の男がその少年のほうには近づいていった。

男は少年を抱きかかえて、目元に手をやった。

少年は驚いて何もできないようだった。


すると似たような男がその老人に近づき、

銃を出し、その老人と連れの男の頭を二発で撃った。

頭は粉々になり、即死だった。



公園は悲鳴に包まれた。


ガラガラの男は少年を離し、

その場を立ち去ろうとした。


ブランコにのっていた少女がまた近づいてきた。

そしてその男に言った。


「おじさんは人を殺したの?」

「いや。俺は人を殺したわけじゃない。」


サッカー少年がぼーっと遠く後だらけの老人の遺体を見つめて、

泣きもわめきもできず立ちすくんでいた。

その少年を指さして、男はこう言った。


「俺は人を殺すよりもっと残酷なことをしにきたんだ。」


少女は

「わかんないや」

と言って風船を空に飛ばした。