パクり?引用?パーフェクトマンデー1『ドラえもんカート』
最近のゲーム関係の中には、ネットはフリー素材だと勘違いしている出版社や編集、ライターなどが存在してしまっています。
それゆえ、ゲームのパッケージや画面写真をネットからパクって使用しているようなところも見られますが、なかなか証拠を見つけ出すことができません。
ボクの場合はもっと特殊で、以前関わった編集が、ボクの関わっていない書籍で勝手に写真を使っていて、後ほどそのことを指摘した結果、これから連絡をする予定だったような言い訳をして素材提供費を払ってもらうようなことがありました。
ゲーム関係の書籍の中には、こちらで問題を指摘しないと変なことを続けるという悪例がはびこっていて、内容がいいからと言って、その陰に隠れて知らないうちに利用されてしまっている素材がたくさん存在することに他なりません。
そのため、書籍とネットを比較して怪しく感じた内容について、ひとまず取り上げていこうと考えています。
今回は第1回目ということで、『ゲームボーイクソゲー番付』に掲載されている『ドラえもんカート』を扱います。
『ゲームボーイ クソゲー番付 (マイウェイムック)』(Amazon)
本の中身については、皆さんがすでに所有していることを前提に進めていくので、あえて引用として文章を掲載することは致しませんけど、本文を読むと大体こんな感じで文章が構成されています。
「処理とちらつき」
「アクセルベタ踏みが有利」
「NPCはカーブが苦手」
「ドラえもんとドラミがアイテム無制限」
「当時の広告」
さて、ここでネットを検索して一つのサイトを見つけました。
ドラえもんカート - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ - アットウィキ
このページの「問題点」の項目をコピペして、上記の項目に色を付けてみると、このような感じになりました。
黄色く塗った部分に若干入れ替えを行うと、こんな感じになります。
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「処理が重い」「近くに他のキャラクターがいるだけで激しく画面がちらつくため非常に見づらい。」
「基本的に減速するメリットはなく、アクセルは常に踏み続けていれば良い。むしろ減速するとあっという間に抜かれる。」「本作のCPUはコーナリングが苦手なためカーブが多いコースほど簡単にクリアできてしまう」「シンプルで走りやすいのび太のコースが一番難しい、という矛盾が発生してしまっている。」
「ドラえもんとドラミちゃんは」「ひみつ道具を無制限に使える」「ヌルゲーがさらにヌルゲー化する。」
「パッケージやポスターでは「みんなの作ったコースでレースをたのしもう!」と書かれているが、コースを作成するモードは存在しない。」
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すでに書籍を持っている方は、ぜひ『ドラえもんカート』のページの文章と比較してみてください。
なんとなく似た文章になったと思いませんか?
単純なゲームの紹介文であれば、メーカー公式のストーリーやキャッチコピーなどを使うことで、ある程度似た内容になってしまうことはありますけれど、まさか「クソゲー」という個人の嗜好が多分に含まれる内容で、ここまで同じ内容が入り込んでしまうことに対しては、疑問を持たざるを得ません。
「ゲームカタログ」の文章を書かれている方がこのページの原稿を書かれているのであれば問題ないんですけど……。
さて、この原稿を書かれたのはどなたなのでしょうか?
『ゲームボーイ クソゲー番付 (マイウェイムック)』(Amazon)
奥付を見ると、「執筆・編集協力」には、「ファミコン芸人フジタ」「高樹康平」「巴里一郎」「酒缶」「ジャンヤー宇都」「小島チューリップ」とあります。
「ファミコン芸人フジタ」さんは、このシリーズの『ファミコンクソゲー番付』と『スーパーファミコンクソゲー番付』でインタビューを受けている名残なので、執筆はされていないと思います。
また、「酒缶」とはボクのことですが、以前にも書いた通り、この本では他のカテゴリーのページは書いていて、『ドラえもんカート』については書いていません。
というか、『ドラえもんカート』はボクがエポック社時代に最初に担当したタイトルなので、内容は把握しているし、このような記事を書くわけがないんですよ。
あと、QBQの本は、提出された原稿を編集が勝手にいじることはすでに確認しているので、そっちの可能性もあえて残しておきましょう。
そうそう、『ドラえもんカート』については、Wikipediaの「ドラえもんの派生作品」のページを確認してみると『ドラえもんカート』の項目に細かい説明があり、そこには出典として「株式会社QBQ編 『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p38」と記載されています。
そこに書いてある内容と先ほど指摘した内容を比較してみると、何が起きているか把握できると思います。
「ドラえもんの派生作品」(Wikipedia)
『ドラえもんカート』の項目(Wikipedia)
そして、こういうゲーム情報ロンダリングがこっそりと少しずつ起こされていることに多くの方が早く気付くことを望んでおります。
今後も、ゲーム関係書籍とネットを見比べて、似ていると思った内容があれば、どんどん取り扱って数を増やしていこうと思っています。
パクりか引用かたまたま似てしまったか、実際のところはわかりませんけど、沢山集めることで、何が起こっているか具体的なことが見えてくるはずなので、新しい検証内容が見つかった際には月曜日に報告させていただきます。